ジャーナル / Journal

『固定残業代制とは?-法律事務所ZeLoの弁護士が、企業が知っておくべき労務問題について解説する(第1回)』

1 多くの企業で採用されている固定残業代制とそのリスクは?

「固定残業代制」とは、実際の労働時間にかかわらず、賃金において一定額の残業代、具体的には時間外労働割増賃金、休日労働割増賃金、深夜労働割増賃金を支払うことをいいます。「みなし残業代制」や「定額残業代制」といった言葉も、一般的にはこれと同じ意味で使われています。
最近ではトヨタ自動車が導入を発表したように、固定残業代制を導入する企業は増えてきているようです1。実際に企業からの相談でも、「固定残業代制を導入したい」「うちの固定残業代制は大丈夫か」といったものが増えています。

【出典】日本経済新聞(電子版)2017年8月2日付記事

ところが、固定残業代制についての正確な理解が広まっているとは言い難く、経営者は、軽い気持ちで安易に固定残業代制を導入してしまうことが多いといえます。いざ残業代が裁判で請求された際には、固定残業代制による残業代の支払いが無効と判断されてしまうケースが極めて多くなっています。
そして、一度固定残業代制が無効とされてしまうと、①支払っていた固定残業代相当額の支払いが無効となるうえ、②固定残業代部分は当該固定残業代が割増賃金の基礎となる賃金(労働基準法37条、同規則21条)に組み込まれ、③結果として割増賃金の算定となる賃金がはね上がった状態で再度残業代を計算しなおし、全額を改めて支払うことになる可能性が高く、企業には、相当なキャッシュアウトが生じ得ます。しかも、一従業員との紛争で企業が敗訴すれば、その影響は他の従業員にも波及し、第二次・第三次の残業代請求訴訟が提起されかねません。
たかが残業代といえども、全従業員の残業代が何倍にもなって返ってくれば、企業経営を困難にする程のインパクトを持ち得るため、現在では多くの企業が固定残業代制の見直しを迫られているといえます。

以下では使用者(企業)の視点から固定残業代制のメリットについても整理し、裁判にも耐えうる固定残業代制の構築について検討します。

『スタートアップこそ導入すべき、「ストックオプション信託」とは? -法律事務所ZeLoの弁護士がベンチャーファイナンスの法務を解説する(第1回)-』

1 PKSHA Technology(パークシャ)の上場とストックオプション信託への注目

  2017年9月、東京大学発のAI開発ベンチャー、株式会社PKSHA Technology(以下「パークシャ」といいます。)が東証マザーズに上場し、上場初日で時価総額700億円を突破した(※公開価格2,400円の約2.3倍となる上場初値5,480円を付けた)のは記憶に新しいところです。
  ここで、パークシャの「新規上場申請のための有価証券報告書 (Ⅰの部)」(http://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/nlsgeu000002mcue-att/09PKSHATechnology-1s.pdf)を見てみると、同社の顧問税理士が筆頭株主として7.20%もの潜在株式を保有していたことが特徴的でした。

(出典:日本取引所グループHP

  その理由は、同社の「第7回新株予約権」にあります。
  上記報告書によると、パークシャは、平成28年7月22日、グループの現在及び将来の役職員及び外部協力者に対するインセンティブ付与を目的として「新株予約権信託」を設定し、その信託に基づき、受託者である顧問税理士に対して新株予約権を発行したとのことです。

(出典:日本証券取引所HP

  このような新株予約権信託の仕組み(以下「ストックオプション信託」といいます。)は、平成27年6月に東証マザーズに上場したバイオベンチャー(当時)の株式会社ヘリオスが平成26年6月に導入したのが最初といわれており、現在、導入企業は50社程度といわれています。
  その他の公表事例として、いわゆるソーシャルゲームの開発を行うKLab株式会社(平成25年9月東証マザーズ上場)などの上場企業や、最近だと、いわゆるHRTechを取り扱う株式会社SmartHRなどのスタートアップ企業でも活用する例が見られます。

  それではなぜ、そもそもこのストックオプション信託を活用する例が出始めているのでしょうか? 本稿ではこの点を解説していきます。

『法律事務所ZeLoの弁護士が自らビットコインを購入し、仮想通貨の法的意義について考察してみる(第3回)-ICOとは?-』

1 中国当局の規制・大暴落とビットコインゴールド(BTG)による超高騰等

(1) 1ビットコイン=70万円の高騰

前回の記事を書いた平成29年8月30日頃には、1ビットコイン=約50万円でありましたが、本記事作成日である同年10月21日には、1ビットコイン=約70万円当たりを行き来しています。恐るべき上昇ですね。
このような高騰が起きている原因は、同年10月25日に予定されているビットコイン(Bitcoin:BTC)のハードフォークにあります。ビットコインを同年10月25日に保有している人に対しては、ビットコインゴールド(BitcoinGold:BTG)が無料で配布されるということになっており、BTGを取得するために、多くの人がビットコインを買い集めているということができそうです。

(出典:BITCOINGOLD HP:http://btcgpu.org/

(2) 中国当局の規制とビットコインの大暴落

また、前回の記事と本記事の間には、中国の規制に関する発表がありました。平成29年9月4日には、中国当局が仮想通貨による資金調達禁止を通達し、ビットコインが暴落しました。同年9月14日には、中国大手取引所が9月末で交換所を閉鎖することを発表し、ビットコインは1ビットコイン=約30万円まで大暴落しました。当職も、当時は、50万円程損失を計上し、研究を始めたことを真に後悔しました。しかし、研究とは気長にやってからこそ成果が出るといったアインシュタインの言葉(「私は、それほど賢くはありません。ただ、人より長く一つのことと付き合ってきただけなのです。」)を信じ、研究を継続しました。先人の言葉を信じたことが結果的に功を奏しました…。
また、当職が期待していたCOMSA(https://comsa.io/ja/)も、同年9月29日に、キャンプファイヤーがCOMSAを使用してのICOを中止することを表明するなど、多くのニュースに事欠かない研究期間でした。

(出典:coincheckHP:https://coincheck.com/exchange/tradeview

(3) 当職の研究成果と今後の展望

当職は、研究のためその後コインをさらに買い増し(総計250万円)、利益を出したり損を出したり右往左往しながら、現在では、多少の利益を出しています。
当職の研究については、中日新聞・東京新聞社にも目に留めていただき取材を受けることとなりました。平成29年10月12日には、新聞が発行され(http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201710/CK2017101202000176.html)、先日は、共同通信社からも、改正資金決済法について取材の申入れを受けました。仮想通貨交換業の登録に関する相談や、仮想通貨を用いたビジネスに関する相談も相当増え、世の中の関心の高さを感じます。
前回に引き続き、今回は、世間を賑わせているビットコインを含む「仮想通貨」に関連して、よく相談の対象となるICOの法規制について整理してみたいと思います。

『法律事務所ZeLoの弁護士が自らビットコインを購入し、仮想通貨の法的意義について考察してみる(第2回)』

1 リップル騒動とまだまだ冷めない市場の熱気

(1) 1ビットコイン=50万円の高騰

前回の記事を書いた平成29年8月12日には、1ビットコイン=約40万円でありましたが、本記事作成日である同年8月30日には、初めて1ビットコイン=約50万円を超え、さらに最高値を更新しました。当職が研究のために保有しているビットコインも高騰しています…

(出典:coincheckHP:https://coincheck.com/exchange/tradeview

(2) 8月リップル騒動

また、前回の記事と本記事の間には、リップル(Ripple:XRP)のカウントダウン(https://twitter.com/Ripple/status/900403412700872705)があり、同年8月22日には1リップル=約20円が、翌日の23日に1リップル=約34円と高騰するも、翌日24日には約23円まで落ち込むという騒動がありました。当職が研究のために保有しているリップルも例外に漏れず高騰し、恐怖のあまり28円になったあたりで研究を放棄し、手放しました。

(3) 当職の研究成果と今後の展望

当職は、研究のためその後コインを買い増し(総計200万円)、リップル騒動をうまく切り抜け、現在の総資産額を約230万円としています。
株式会社三菱東京UFJ銀行は、平成29年7月8日に米コインベースと資本提携、SBIホールディングス株式会社はリップルを使用した銀行間送金を検討し、株式会社リクルートライフスタイル同年7月3日よりAirレジを使う一部店舗で導入し、三ッ輪産業株式会社三は同年9月26日に仮想通貨で電気代の支払いを可能にすることを決定しています。また、企業のICOによる資金調達と、既存アセットのトークン化技術等をワンストップのソリューションとして提供し、実ビジネスへのブロックチェーン技術導入を一からサポートするCOMSA(https://comsa.io/ja/)のトークンセールが同年10月2日に迫るなど、仮想通貨に関するイベントも目白押しで仮想通貨市場そのものに期待が高まっています。
日本経済新聞社編『日経 業界地図2018年版』37頁によっても、仮想通貨業界の来年の業界天気図は「晴れ」となっています。

(出典:COMSA HP:https://comsa.io/ja/

前回に引き続き、今回は、世間を賑わせているビットコインを含む「仮想通貨」について、仮想通貨を用いたビジネスを行うにあたっての法規制について分析してみたいと思います。

『法律事務所ZeLoの弁護士が自らビットコインを購入し、仮想通貨の法的意義について考察してみる(第1回)』

1 ビットコインの分裂と冷めない市場の熱気

平成29年8月1日に分裂し、大きなニュースとなったビットコイン。分裂騒動後もなお、チャートは堅調です。3ヶ月前である同年5月には1コイン=20万円程度であったビットコインも、本記事作成日である同年8月12日にはついに初めて1コイン=40万円を超え、最高値を更新しました。
法律事務所ZeLoの弁護士も自らその技術を体感するために、coincheckにてビットコイン、イーサリアム(Ether:ETH)、リップル(Ripple:XRP)、ゼック(Zcash:ZEC)、ネム(NEM:XEM)等計約150万円程購入しました。購入開始後の現在の総資産額は、約157万円です。常にチャートから目が離せませんが、同年7月26日より、ビックカメラがビットコインの使用を全店舗で導入するなど、次世代の決済手段として注目されており、ビットコインの市場は伸びていくのだろうと推測されます。
さて、ここまで、世間を賑わせているビットコインを含む「仮想通貨」を数回に分けて法的に分析してみたいと思います。