ビジネスと共に進化する法務。IPO準備から上場後の成長戦略までワンストップに支援 – 株式会社ライスカレー

弁護士
長野 友法

弁護士、パブリック・アフェアーズ部門統括
官澤 康平

モノづくり産業の根幹となるサプライチェーンデータをグローバル規模でつなげることができる唯一無二のプラットフォームを提供する、株式会社Resilire(レジリア)。急成長を遂げている一方で、その過程では様々な法務課題に直面してきたそうです。今回は、同社の契約審査の担当者である浦山博史さんに、法律事務所ZeLoのサポートによる課題解決の事例や、今後の展望について伺いました。聞き手を務めるのは、同社をサポートする伊藤龍一弁護士と伊藤敬之弁護士です。
2011年京都大学法学部卒業、2013年京都大学法科大学院修了、同年司法試験合格。2014年弁護士登録(大阪弁護士会)。2015年弁護士法人色川法律事務所入所。2020年消費者庁表示対策課出向。2022年4月法律事務所ZeLo参画。主な取扱分野は、M&A、パブリックアフェアーズ、ジェネラル・コーポレート、事業再生・倒産、訴訟・紛争解決、データ保護、危機管理、人事労務など。
業界:SaaS・IT
従業員数:100名未満(2025年3月時点)
目次
伊藤(龍):貴社の事業内容と、創業当初から現在に至るまでの法務体制の変遷についてお聞かせいただけますか。
浦山:弊社は、製造業向けにサプライチェーンリスク管理クラウド(SaaS)を提供しています。調達部門などが抱えるサプライチェーンのリスクを早期に検知し、初動対応の効率化等を支援するシステムですね。法務体制については、現状は専任の法務部門はなく、私が事業部門と兼務する形で契約書のチェックや利用規約の確認などを担当しています。
私はロースクール出身で、リーガルテック企業での勤務経験もあるため、一定の法務知識はありましたが、責任を負えるほどのスキルや経験はありませんでした。そのため、外部の法律事務所のサポートが必要だと感じていました。創業当初、社員が10名弱の頃は、ある法律事務所を利用していましたが、弊社の成長に伴い、より適切なサポートを受けられる体制を検討し始めたのです。
伊藤(敬):最初に利用されていた事務所では、どのような課題を感じていらっしゃいましたか。
浦山:最初の事務所はレスポンスが速く、創業初期には助かりましたが、利用規約の内容には課題を感じていました。創業初期に比べ、製品も進化していますし、より柔軟性があり、顧客にも受け入れられやすい内容にしたいと考えました。また、担当の弁護士と頻繁にやり取りをするようになるにつれて、コミュニケーションの中で表れてくるスキルや経験から、不安に感じることもあり、本当に大事なことを相談するには厳しいとも感じていましたね。
伊藤(龍):他の事務所に相談された内容を改めてZeLoにもご相談いただいた記憶もあります。確か、他にも利用されていた事務所がありましたよね。
浦山:そうなんです。その事務所は、弊社の社員と馴染みがあり、コミュニケーションがとりやすいという点も踏まえて利用していました。主にコーポレート関連の業務を依頼していましたが、成長フェーズにあるスタートアップにとって重要なビジネス戦略に関する踏み込んだアドバイスや、迅速な意思決定を支援するようなサポートがもっと必要だと感じていました。
例えば、アライアンス契約において、事業を進める上で発生しうる様々な論点に対し、リスクを理解した上で、許容できる範囲を提示してくれるような、踏み込んだ提案が欲しかったです。今思えば、リスク回避を優先するあまり、選択肢が狭められていると感じる場面がありましたね。もう少し踏み込んだ提案があれば、交渉がよりスムーズに進み、新たな事業機会を創出できたのではないかと感じています。
伊藤(敬):さまざまな課題を感じている中で、ZeLoをご利用いただくことになったんですね。
浦山:そうなんです。以前の事務所に課題を感じていたタイミングで、ZeLoを利用することに決めました。
伊藤(敬):ありがとうございます。実際にご利用されてみていかがでしたか。
浦山:非常に満足しています。レスポンスが速く、かつクオリティが高いところがまず一番ですね。スタートアップとして、一緒に攻めの姿勢でいてくれる心強いパートナーだと感じています。今では、他に利用していた事務所との契約も終えて、相談先をZeLoに一本化しています。
特に、リスクヘッジとビジネス促進のバランス感覚が非常に優れている点が大きいですね。レスポンスが速い事務所は他にもあると思いますが、「クオリティが高い」というのは人それぞれ基準が違います。個人的には、相手が求める基準にきちんと合わせてくれるかどうかが重要だと考えています。
例えば、契約書の修正案一つとっても、法務に馴染みのない担当者にとっては、修正の意図や背景、そしてそれを踏まえてどのようなアクションを起こせば良いかまで、丁寧に説明してもらう必要がありますよね。ZeLoは、修正の意図や背景のみならず、それぞれの条項の重要度に応じてメリハリをつけてコメントいただけるので、最終的なジャッジがしやすいです。また、修正の意味が理解できずに確認する、といった余計なキャッチボールも発生しません。もちろん、こちらからも最初に「どうしたいと考えているか」「どのような温度感で確認してほしいか」を明確にお伝えするように心がけてはいます。
伊藤(龍):ありがとうございます。まさにおっしゃっていただいたことこそ、私自身がクライアントワークで意識しているポイントなので、高く評価いただけて大変嬉しいです。スタートアップの皆様の法務に関するストレスを少しでも軽減できるように、細部にも意識を向けるようにしています。
また、浦山様にはいつも明確な方向性を示して依頼いただけるので、スムーズに業務を進めることができており、本当に感謝しています。ZeLoとしても、どのように貢献できるかを常に考え、難しい点があれば率直にお伝えするという姿勢で臨んでいます。お互いの良好な関係性は、このような考え方が合致しているからこそ築けているのだと、改めて実感しています。
浦山:スタートアップは取引先とのやり取りで、法的な観点をうまく使って交渉を進めたり、時には断ったりする場面が結構あると思うんです。そういう時に、気軽に相談できる法律事務所があるのは、すごく助かりますよね。スタートアップこそ法務をもっとうまく活用していくべきだと思うので、今後もZeLoのような事務所を積極的に活用していく動きが加速するといいですね。
伊藤(龍):おっしゃるとおりですね。Resilire様には、ZeLoの様々なサービスをご利用いただいてきましたが、個人的に特に印象に残っているのは、利用規約の改善です。どのように改善されたのか、詳しくお聞かせいただけますか?
浦山:はい。利用規約の改善は大きな成果でした。元々使用していた利用規約は契約締結のたびに修正依頼が多く発生しており、時には80箇所以上もの修正依頼があったこともあります。営業担当として、都度その対応に追われて困っていましたが、ZeLoに依頼して利用規約を改訂してからは、修正依頼はほぼゼロになりました。おかげで、負担が大幅に軽減され、契約交渉もスムーズに進むようになりました。
当初の利用規約は、大企業が使うような硬い表現が多く、顧客に義務を負わせるような条項が目立ち、交渉が難航することもありました。今考えれば不要な条項が多かったように思います。ZeLoに改訂してもらってからは、表現が分かりやすくなっただけではなく、弊社向けに項目や記載内容をカスタマイズしていただいたことで、顧客にも納得いただきやすくなりましたね。顧客との余計なキャッチボールはほぼなくなりました。
伊藤(龍):ありがとうございます。そのようにおっしゃっていただけて本当に嬉しいです。利用規約作成の際に、Resilire様のビジネスモデルやニーズを詳しくヒアリングさせていただき、綿密なディスカッションを重ねたことが、今回の改善に繋がったと考えています。
伊藤(龍):それでは最後に、Resilire様の今後の展望と、ZeLoに期待する役割についてお聞かせください。
浦山:今後の事業展開としては、ビジネス面では大きく2点あります。1点目は、新規機能の実装です。サービスの成長に伴い、新しい機能を次々と実装していく予定ですが、その際に顧客とのコミュニケーションをどのようにとっていくかは、大きな論点になりそうだと考えています。2点目は、アライアンスの拡大です。より多くの企業とアライアンスを組んでいくことで事業を拡大していきたいと考えていますが、こちらもZeLoに相談させていただきたいと思っています。
また、資金調達も重要な課題ですし、将来的にはIPOも視野に入れているため、これらの分野に強いZeLoのサポートは心強いです。知財戦略についても、競合他社との差別化や、将来的な事業拡大のために、戦略的に権利化を進めていきたいと考えており、ZeLoの専門知識と経験を活かしたサポートを期待しています。
伊藤(龍):ありがとうございます。資金調達、IPO、知財戦略など、あらゆる面から頼れるパートナーとして伴走させていただきますので、お気軽にご相談ください。
浦山:はい、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
伊藤(龍・敬):こちらこそ、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
※掲載内容は取材当時の内容です。(2025年3月5日)
(写真:岡戸雅樹、取材:阿部あかり・渡辺桃、文:スイセイ、編集:阿部あかり・渡辺桃)