前人未到のWeb3領域。共に開拓し、挑戦し続ける「戦友」-株式会社Ginco
弁護士
長野 友法
弁護士、パブリック・アフェアーズ部門統括
官澤 康平
2023年9月26日、一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、同協会のICO・IEO部会が中心となり作成し、一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)に提出した、IEO制度の健全化に向けた自主規制改革の方向性の初期案(以下「本提言」といいます。)を公表しました。本記事では、本提言に至った経緯や概要を以下の通り速報としてお知らせいたします。
本提言では、これまで国内で行われた計4件のIEOのうち、3件で以下のグラフの通り公募割れが発生していることに触れ、今後の国内IEO市場への影響に鑑み、業界関係者自らが率先して、より良い市場形成のための環境、ルールづくりを検討することとなったとしています。
本提言では、スコープを以下の3つに分け、①についてフォーカスを当てて議論を行っています。
① IEO実施直後の安定した価格の形成
② IEO審査プロセスの改善
③ IEOに関する自主規制規則全体の改善
その中でも以下のサマリーの通り4つのアジェンダを設定し、議論を行った結果を提案しています。
当事務所としては、法律面では、主に以下が着目ポイントであり、今後の展開を注視していく必要があると考えています。
・流動性:マーケットメイクがどこまで許容されるのか
・安定操作:相場操縦行為との区別をどのように明確化していくのか
・売却制限:ロックアップに関しどのようなルール設定がなされていくか
今回具体的な提案があった上記①以外でも、②IEO審査プロセスの改善及び③IEOに関する自主規制規則全体の改善についても、将来的にIEO発行体に関する一定の統一基準や、IEO発行体の提示開示の負担軽減等について詳細な議論が展開され、提案がなされることが想定されます。
IEOは国内において暗号資産を販売するための数少ない採り得る手段であり、依然として事業者のニーズは高まっていくことが想定されます。
公募割れが大半を占め、IEOを検討する事業者にとって大きな懸念となっている現状で、本提言がなされたことは今後のIEO市場の拡大において大きな意味をもたらすと考えています。
法律事務所ZeLoでは、ブロックチェーン・暗号資産の流行前からその潜在性に注目して研究・実務を進めてきた知見を活かし、当分野のビジネスに関して多数のクライアントへ法的アドバイスを提供しています。
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