前人未到のWeb3領域。共に開拓し、挑戦し続ける「戦友」-株式会社Ginco
弁護士
長野 友法
弁護士、パブリック・アフェアーズ部門統括
官澤 康平
位置情報を活用したゲーム「駅メモ!」シリーズなどを開発する、株式会社モバイルファクトリー。同社では、分散型アプリケーションの普及を目指し「Uniqys(ユニキス)Project」というブロックチェーン事業も発足。状況が刻々と変わる最先端の事業領域に、少数精鋭で挑むにはどうすればよいのでしょうか。株式会社モバイルファクトリーの計数管理部で法務を担当する須藤崇志さんに、現場の実務について聞きました。聞き手を務めるのは、法律事務所ZeLo・外国法共同事業のLPOサービス(顧問弁護士:Legal Process Outsourcing Service)で同社を支援する高井雄紀弁護士です。
会社規模:東京証券取引所プライム上場企業
業界:モバイルサービス事業
従業員数:約80名
法務部の有無:あり
POINT
貴社の事業内容と、法務部門が取り扱う分野について教えてください。
当社の事業は、主に以下の三本柱から成り立っております。
①従来から提供している「携帯端末向けコンテンツ配信サービス事業」
②スマートフォン向けに位置ゲームを提供する「ソーシャルアプリ事業」
③2018年から始めた「ブロックチェーン事業」
その中で、法務部門の取り扱う分野は、まず事業領域では、主にサービスリリース後のユーザーサポート、新しい企画・機能を構築する上での適法性確認。新規事業の立ち上げ段階から法務部門が入る場合は、仕様内容の策定に関わることもあります。
次に非事業領域では、内部監査・内部統制の整備運用、株主総会の準備運営、当社の取り組みに対する会社法・民法の適法性検討などがあります。
法務部門は、どういった体制になっているのでしょうか。
当社の法務部門は、私ともう1人の計2名で構成されています。従来サービスである「携帯端末向けコンテンツ配信サービス事業」「ソーシャルアプリ事業」の法務案件を私が担当し、もう1人は「ブロックチェーン事業」の法務案件を担当しています。
非事業領域の案件も、2人である程度分担を明確にして対応。管理系の部門のメンバーと連携して案件に携わる機会も多いです。
他の部門とは、どのように連携していますか。
当社の執務環境はワンフロアなので、他の部門のメンバーと比較的コミュニケーションが取りやすく、法務部門が一緒になって案件を進行できる環境にあります。
そのため、ある程度サービスができあがった段階で法務が最終チェックをするのではなく、事業の立ち上げ段階から意見を求められることが多いです。事業部門が作成した資料を見て、気になるところを法務から質問し、日々密に連携して業務を進めていますので、部門との距離が近いと思います。
また、技術部門のミーティングにも積極的に同席しています。理由は、伝言ゲームになると、現場の社員が伝えたい真意を、法務が正確に汲み取るコストが掛かってしまうから。余計なコストをかけずに、皆がそれぞれの得意分野で実力を発揮できる環境づくりが重要だと考えています。
貴社の法務部門の課題は、どこにあると考えていますか。
どの会社も抱えているのではないかと思いますが、当社の法務部門は決して人数が多くはないので、案件が増えると、レスポンスがどうしても遅くなってしまうという課題を感じています。
「法務の確認待ちで、なかなか案件が進まなくなってしまう」等、法務部門が事業の足かせになる事態は避けたい。極力業務を効率的に進めながら、ベンチャーマインドを持って新しい分野に取り組むように努めています。
官公庁の見解や他社事例を調べつつ、事業の適法性を論理的に考え、専門家(弁護士)に相談するかどうかを含めて、主体性を持って判断できる法務パーソンが求められていますね。
法律事務所の中でも、ZeLoを選んだ理由を教えてください。
会社の立ち上げ当初から、お世話になっている法律事務所はありました。しかし、ブロックチェーン事業を立ち上げるにあたり、ブロックチェーンについて、より造詣が深い法律事務所を探していました。
ZeLoの取り組みを知って「関係省庁とのミーティングの場でも同席、助言をいただくことができ、交渉力・パイプもお持ちで最適なのではないか」と考え、LPOサービス(顧問弁護士:Legal Process Outsourcing Service) をお願いすることになりました。
今は、他社事例がない新規ビジネスをどのように構築すればよいか、どんな仕様にすれば法的リスクを最小限に進められるか等、実務に沿ったアドバイスをZeLoからいただいています。
具体的に、どの事業領域でZeLoのLPOサービスを利用していますか。
ZeLoに相談している案件の7割は「ブロックチェーン事業」に関するものです。これまでの相談により、ブロックチェーン事業に関する法的論点が整理できたこともあり、最近は同事業に関するスキームや利用規約のレビュー等をお願いしています。
当社の実現したいビジネスの形を踏まえ、法的リスクを最小限に抑えるために、どうやって落としどころをつけるかを日々相談しています。事業拡大に伴い、ZeLoに相談すべき事項も増えたため、プランのアップグレード変更も行いました。
相談している案件の残り3割は「位置情報ゲーム事業」に関するものです。最近はユーザーもSNS等で知識を得ているためか、ユーザーサポートへの問い合わせ内容が、複雑になってきています。さらに専門的な対応が求められる状況ですので、ZeLoには専門家としての見地から、対応方針に問題がないかを相談しています。
その他、非事業領域では、株主総会の運営支援も支えていただいています。
戦略法務パートナーとして、ZeLoの業務のクオリティをどう感じていますか。
全般的に満足しています。ZeLoとはSlackで繋がっており、チャットでスピーディーかつシンプルに回答していただく場合もあれば、込み入った質問の時にはレポートの形で的確に回答していただく場合もあります。
法的論理が丁寧に補ってある回答を見ると、厳密な適法性に漏れなく対応できますし、別の案件にも応用が利きやすいので助かっています。さらに、当社からの質問に対する回答だけでなく、関連する法律・判例解釈を踏まえて、リスクを最小にしながらも、当社の事情を酌んだ対応策を提案いただける点も信頼しています。
厳密な適法性が必要なケースと、リスクを最小にしながらも対応策をいただくケースの両方で、スピード感をもって進めてくださりとても満足です。
今後、ZeLoのLPOサービスに対して、期待することはありますか。
「ブロックチェーン事業」が今後拡大するにつれて、法的にどのように扱うべきか分からない部分が増えていくことが想定されるため、ZeLoの造詣の深さにはこれからも期待しています。
法整備が進んでいく部分について、私たちもある程度把握はしていますが、キャッチアップしきれない部分に関しては、ZeLoの先生方が執筆するジャーナル記事(編注:現在の「ZeLo LAW SQUARE」記事)などで、引き続き最新の法律情報を共有いただきたいと思っています。
▼ZeLoの提供するLPOサービスの詳細はこちら。
※掲載内容は取材当時のものです(取材日:2020年7月21日)