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国交省出向を経た弁護士が語る、官庁出向の3つの意義とAI時代のキャリア

大手事務所や官庁等への出向、インハウスで経験を積んだ弁護士が、その経験を次のキャリアにどう活かそうかと悩むことはよくあります。法務領域におけるAIの活用が進むなか、「弁護士として、自分にしかできない仕事は何か」という問いは、より切実になっています。真下敬太弁護士は、大手法律事務所から国土交通省自動車局に2年間出向し、自動運転やMaaSに関するルールづくりに携わりました。任期を終えたあと、元の事務所には戻らず、ZeLoへ移りました。入所から3年が経過し、現在はモビリティ関連の案件を軸に、M&A、パブリックアフェアーズ、顧問業務を担当しながら、新任弁護士採用の統括も務めています。ZeLoを選んだ理由や、ZeLoへの入所前に抱いていた不安と期待、そしてAI時代に弁護士の価値はどこに残るのかについて聞きました。

国交省出向を経た弁護士が語る、官庁出向の3つの意義とAI時代のキャリア
PROFILE

2016年名古屋大学法学部卒業。2018年弁護士登録(第二東京弁護士会所属)、2019年森・濱田松本法律事務所入所。2021年7月~2023年6月、国土交通省自動車局(現「物流・自動車局」)に出向(旅客課専門官(併)保障制度参事官室企画調整官)し、自動運転やMaaSに関するルール整備を含め自動車行政に広く従事。2023年8月、法律事務所ZeLo参画。主な取扱分野は、M&A、ジェネラルコーポレート、訴訟/紛争解決、自動車/モビリティ、自動運転、MaaS、パブリックアフェアーズ、国際法務など。

【この記事のポイント】

  • 弁護士が官庁に出向する意義は、「専門性」「官庁の意思決定の流れの理解」「人脈」の3つ
  • 出向後はZeLoに移り、モビリティのプラクティスを一から切り拓いた
  • 中途入所後は、未経験だった顧問業務やスタートアップ法務にも挑戦し、最終回答を出す立場に
  • 裁量が増え、2か月の育休取得など子育てとも両立。成長は評価にも反映されている
  • AIが「作業」を担う時代に弁護士の価値が残るのは、「ルールづくりを支えること」と「決断し、責任を引き受けること」

大手事務所から霞が関へ。「ルールをつくる側」に立った2年間

――初めに、ZeLoに入所するまでのご経歴を教えてください。

ファーストキャリアとして入所した事務所で、M&Aやジェネラルコーポレート、訴訟を中心に2年半ほど経験を積みました。続いて、国土交通省自動車局に出向し、官僚として2年間働きました。

国土交通省では、バスやタクシーのように人を運ぶモビリティの領域のうち、自動運転や電動キックボードといった新しい移動手段のルールづくりを担当していました。この領域は100年に一度の変革期といわれており、非常にダイナミックな環境の中で働くうちに、すっかりその魅力にとりつかれてしまいました。

加えて、我が国における移動課題が本当に深刻であることにも気付きました。様々な課題に対してがむしゃらに取り組んだ2年間でしたが、やはり任期内では限界もありました。弁護士に戻ってからもモビリティ業界に貢献できればと考えて、一番挑戦しやすい事務所を探し、ZeLoにたどり着きました。

――国土交通省への出向には、自ら手を挙げたのでしょうか。

最初は事務所からの打診でした。当時の所属事務所から国土交通省自動車局へ出向するのは私が3人目で、ちょうど私が1~2年目の頃に2人目の方が行かれていて、帰任するタイミングで後任をどうするかという話になり、声がかかりました。

当初は3年目というタイミングで出向に行ってしまってよいのか、と少し逡巡しました。しかし、愛知県出身ということもあり、自動車やモビリティには元々興味がありましたし、入所からの2年半の間も自動運転や自動車メーカーの案件に携わる中で、この領域の面白さを感じていました。最終的には「挑戦してみなければ何も始まらない」と思い、出向を決断しました。

弁護士が官庁に出向する3つの意義――専門性、意思決定の理解、人脈

――出向を経験し、弁護士として得られたものはありましたか。

もちろんありました。私は、出向には3つの意義があると考えています。1つ目は、出向先の分野の専門性が、圧倒的に身に付くこと。2つ目は、官庁の意思決定の流れが理解できること。そして3つ目は、人脈が得られることです。

1つ目:出向先の分野の専門性が、圧倒的に身に付くこと

この点は想像しやすいところですが、出向先が扱う分野の専門性を圧倒的に磨くことができます。法改正に携わることがあればなおさらです。いかに経験のある弁護士が周りにいようとも、実際に法改正に携わった人が一番詳しいからです。

私も、自動運転のレベル4や電動キックボードの交通ルールを定めた2022年の道路交通法改正に、国土交通省の立場から関わりました。どんなに若手であっても第一人者になれるというのは、夢のあることだと思います。

2つ目:官庁の意思決定の流れが理解できること

国がどのようなタイミングでどういった意思決定をして動いているのかを把握できます。意思決定の流れやタイミングを理解すると、パブリックアフェアーズ/ルールメイキングの業務において、目指すゴールから逆算して戦略的なアドバイスを提供することができます。

これはモビリティ領域に限らず、あらゆる業界に通用するスキルですので、活用の幅も広いです。しかも、こうした意思決定の勘所は文献やデータにはなかなか残らないので、AIが普及しても価値が失われにくい知見だと思います。

3つ目:人脈が得られること

私は本当に恵まれていて、多くの優秀な方々と一緒に働かせていただきました。夜中まで侃々諤々と政策の方向性について議論することもよくありました。任期満了後3年が経過した今でも、定期的にお会いしたり、業務に関するご相談をさせていただいたりと、当時のご縁が続いていることをありがたく感じています。

官庁側がどのような観点を重視し、どの段階で何を検討しているのかを理解していると、企業が官庁と対話する際にも、論点を整理し、適切な窓口や手続を通じて対話をサポートすることができます。先日も、物流に関する法改正について官庁と意見交換をしたいという企業のご相談を受け、論点整理から対話の進め方まで支援しました。
また、出向で得たご縁をきっかけに、2024年4月からは国土交通省総合政策局のデジタル・アドバイザー(法務)として、定期的に同省に法的な助言をしています。ZeLoの業務と並行してこうした形で行政との関わりを続けられるのも、挑戦を応援してくれる事務所だからこそだと思います。

出向を経て、自分の手で新しい道を切り拓くために

――元の事務所に戻ってパートナーを目指すという考えはなかったのでしょうか。

最終的には、そのような考えにはなりませんでした。

先ほどお話ししたとおり、私は国土交通省への出向者としては3人目でした。1人目・2人目の先輩方には大変お世話になり、元の事務所に戻ってその方々と一緒に仕事をするということも魅力的だったのですが、同じ事務所にいる以上、どうしても後追いになってしまいます。先んじてモビリティのプラクティスを築いてこられ、尊敬している先輩方だからこそ、自分は別の場所で、一から自分の道を切り拓いてみたいと思ったんです。

当時のZeLoにもモビリティ領域を手がける弁護士はいましたが、専門分野として前面に掲げて注力している弁護士はいなかったので、ここなら挑戦するチャンスがあると思いました。

――ZeLoとは、いつ、どのように接点ができたのですか。

国土交通省に出向している最中でした。当時ZeLoに入所予定で司法修習生だった方が、選択プログラムで修習に来た際にお話ししたのが最初の接点です。同時期には、ZeLoの弁護士によるセミナーもいくつか受講していましたね。

――ZeLoを選んだ決め手を教えてください。

何より大きかったのは、モビリティ領域で最も挑戦しやすそうだと感じたことです。挑戦する人を誰も止めず、むしろ全力で応援する。そのカルチャーそのものが決め手でした。

また、ZeLoは顧問業務も多く、弁護士としての総合力をつけられそうだという点もありました。私の理想の弁護士像として、分野や領域を問わず何でも相談できる一番の相談相手になりたいという思いがあるんですよね。理想を実現するためには、モビリティに限らずあらゆる分野・領域の経験を積んで総合力を鍛えたいと思っていたので、マッチすると考えました。

加えて、組織としてのVISION(編集注:VISION「リーガルサービスを変革し、法の創造に寄与し、あらゆる経済活動の法務基盤となる」)に強く共感したことも決め手の一つでしたね。

VISIONのもとに人が集まり、組織が成長していく過程にありましたから、成長の渦に自分も巻き込まれてみたいと考えたんです。事務所全体がワンチームで一気に走り切り、成し遂げたら次の目標へまた皆で向かっていくという空気感が、自分の性質に合っていると感じました。

安定を手放す迷いを越えて、挑戦を選んだ

――大手事務所から当時まだ創業7年目のZeLoへの転職に不安はなかったのでしょうか。

ありましたよ。
選考を通じてメンバーと話すごとにZeLoへの気持ちは強くなっていきましたし、オファー面談で代表の小笠原さんと話した際には、強いカリスマ性と、大きな目標をまっすぐ語る純粋な熱量に惹かれました。一方で、当時は成長途上の事務所ならではの不確実性があったのも事実でした。これまで築いてきた安定的な環境を手放すだけの価値があるのか、迷いもありました。それでも最後は「ここで挑戦しなかったら、きっと一生後悔する」という気持ちが上回り、ZeLoの今後の成長に懸けて決断しました。

実際に、個人としても組織としても、想像していた通りに成長することができていますし、そうした成長は適切に評価にも反映されています。

私にとって最も大事なのは、楽しく仕事をして、自分がありたい姿を保てているかどうかなので、選択に後悔はありません。むしろ、あのとき飛び込んで本当によかったと、心から思っています。

入所3年でモビリティが業務の半分以上に。出向経験はルールメイキングとM&Aで活きる

――現在はどのような案件を担当していますか。

以前、別のインタビュー(編集注:2024年12月に取材)でお話しした際は、M&Aなどのスポット案件が6割、顧問業務とモビリティが合わせて4割でしたが、現在はモビリティが半分以上です。直近の数か月は案件が立て込んで、8割から9割をモビリティに充てていました。

モビリティというのはあくまで産業的な切り口で、モビリティ企業のM&A、パブリックアフェアーズ/ルールメイキング、規制に関するアドバイスなど幅広い業務分野を手がけています。
残りの半分は、モビリティと関係のない会社の顧問業務やM&Aが多いですね。顧問は15社程度を担当しています。

――出向経験が案件対応に活きていると感じる場面はありますか。

出向の意義を最もダイレクトに感じるのは、やはりパブリックアフェアーズ/ルールメイキングの仕事ですね。対応すべきことやタイミングが見えていますし、官庁側がどのような観点を重視するかも理解できているので、スムーズに進めることができます。

モビリティ関連の案件に関しては、出向経験を知ってくださったうえでのご依頼が多いです。出向経験自体が活きてもいますし、培った専門性をセミナーや執筆活動などを通して精力的に発信していることも影響していると思います。

また、出向の経験は、M&Aでも活きています。モビリティ企業を買収するようなM&Aで論点になる規制は国土交通省で穴が開くほど見てきたので、通常ならまず理解に時間がかかるところを、スピード感を持ってデューデリジェンスを終え、報告書をお出しできるのが強みです。

――前職や出向先では経験がなかったような、ZeLoで初めて触れた領域の案件にはどう対処してきましたか。

ZeLoに入って、顧問業務そのものが初めての経験でした。
スタートアップの資金調達やストックオプションも、少し触れた程度の経験しかありませんでした。M&Aと訴訟以外は、ほぼ初めてと言っても過言ではないくらいです。

私が入所した当初のZeLoのスタンスとしては「まずは一度対応してみて」という感じで、年次が上の弁護士や年次を問わずその領域に詳しい弁護士と一緒に担当していました。いつしか私が主導して案件を進めるようになり、最近では私のみで対応したり、私が後輩のレビュアーとなったりすることがほとんどです。

――元々、あらゆる分野に挑戦したいというスタンスだったのでしょうか。

そうですね。
私は、弁護士として信頼されるには、何を聞かれてもある程度返答できるような総合力が非常に大事だと考えています。

自分で詳細な対応をすることができなくとも、方向性を示したり、適切な人を紹介したりできて初めて、信頼される弁護士になると思うんですよね。「この分野はできません」と言っているようでは、信頼までは届きません。

だからこそ、ありとあらゆる分野に挑戦しなければと考えていて、ZeLoの「まずは一度対応してみて」というスタンスはありがたいと感じました。

――中途で入所して、最初の数か月はどのように立ち上がっていきましたか。

最初は、いくつかの顧問先を担当しながら、M&A等の案件にも関わりました。顧問業務は初めてだったので、まずは年次が上の弁護士と一緒に入り、顧問先とのやり取りの所作を一つひとつ丁寧に教えてもらいました。

慣れてくるにつれて、段々と自分が主体となってさばけるようになっていきました。中途入所だからといって、いきなり一人で放り出されることはありません。未経験の分野でも、安心して立ち上がれる環境だと思います。

今では最終回答を出す立場へ。驚いたのは後輩の頼もしさ

――前の事務所では、どのような立ち位置だったのですか。

いわゆるアソシエイトで、弁護士としてまだ2~3年目だったので一番下の立場でした。
案件チームの規模は様々で、大人数のチームもあれば、パートナーと2人だけということもありました。

――現在は、真下さんが最終的な判断をする立場ですよね。

年次が上の弁護士が一緒に入るケースもありますが、私がレビューをしてもらうことはあまりありません。

経験したことのない業務で自分が最終回答を出さなくてはならない場面もあり、最初は当然不安もありました。しかし、ZeLoは年次を問わず連携を取りやすいので、わからないことがあった時や感覚を確かめたい時にはすぐに周囲を頼りながら、少しずつ成長してきました。

実は、入所当初にZeLoの後輩たちの頼もしさにとても驚かされたんですよね。自分より若い年次のメンバーの胆力というか、弁護士としての総合力に打ちのめされました。彼らは、私が当時不安に思っていたこと、つまり自分で最後まで責任を引き受けて最終回答を出すことを、既に相当な数、積み重ねてきていることがわかり、すごい環境だなと肌で感じました。

相応に経験を積んだとはいえ、一人で最終回答を出すことへの不安はいつまで経ってもあります。不安と成長は、裏表なのだと思います。

――ZeLoはナレッジシェアの文化が根付いていますよね。

そうですね。ナレッジシェアの重要性は多くの法律事務所で広まりつつあると思いますが、ZeLoでは創業当時から「組織として最強になろう」という意識が全員に共有されているので、ナレッジシェアの仕組みも意識も、かなり成熟していると思います。

自分だけが、ではなく、組織として強くなろうという姿勢が、「行動原理」に通じる考え方として共通認識になっているんです。
(編集注:行動原理「Beyond Satisfaction 満足を超え、感動を与える仕事をする
Challenge and Invest for the Future 常に挑戦し、未来に投資し続ける
One Team 互いに尊重し、一丸となってビジョンを実現する
Frank and Transparent 率直で透明であれ」)

AI時代、弁護士の価値はどこに残るのか。「ルールづくりを支える」と「決断する」

――AIの進化で、弁護士の仕事はどう変わると考えていますか。

リサーチや定型的な契約書のレビュー、過去の相談実績の整理といった「作業」は、これからますますAIが担っていくと思います。

ZeLoでは、AI契約レビューやAIを活用したナレッジ共有の仕組みが整っており、AIを使うことを前提に仕事が組み立てられています。

私自身も、文献や判例のリサーチ、回答案のドラフトなどにAIを日常的に使っています。面白いのは、弁護士だけでなく、スタッフも含めてメンバー一人ひとりがAIを使って自分の業務に合ったツールを開発し、それを事務所全体に共有していることです。ZeLoのナレッジシェアの文化が、AIの時代になって「ツールの共有」という形にも広がっているんですよね。

では、弁護士には何が残るのか。私は、大きく2つあると考えています。
1つは、事業の実態と社会的な要請の双方を踏まえたルールづくりを支えることです。新しい技術やビジネスが生まれると、既存の法律では想定していなかった問題が必ず出てきます。ルールを最終的に決めるのは国会や官庁ですが、依頼者の事業や社会にとってどのような制度が望ましいのかを考え、官庁や業界との対話の戦略を練りながら、ルールの形にしていくプロセスを支えていく。前例のない問いに向き合う仕事は、過去のデータから答えを導くAIだけでは完結しません。

もう1つは、決断し、その責任を引き受けることです。AIは論点や選択肢を示してくれますが、クライアントの事業の深い理解や、人間関係などの泥臭いものも含めた様々な事情を踏まえて「こうすべきです」と言い切り、その結果に責任を持つのは人間である弁護士です。

出向で官庁の意思決定を内側から見てきたことも、ZeLoで最終回答を出す立場になったことも、振り返れば、この2つにつながっていると感じます。

――大手事務所や官庁、企業で経験を積んできた方にとって、AI時代のZeLoはどのような環境だと思いますか。

これまでの経験を活かし、判断の質で価値を出せる環境だと思います。作業の多くをAIが担うようになれば、価値を生むのは、これまでの経験で培った相場観や論点を見抜く力、その人ならではの判断です。

ZeLoには、大手法律事務所や老舗の中堅事務所の出身者、裁判官・検察官の経験者、大手企業のインハウス弁護士経験者など、多様なバックグラウンドを持つ弁護士がいます。それぞれが持ち寄った経験をナレッジとして共有し、AIも使いこなしながら、一人ひとりが高い価値を出していく。中途で入る方の経験は、そのまま事務所の武器になると思います。

発信も、採用も。まずは何でも挑戦してみる

――現在はセミナーや執筆活動、メディア出演もしていますが、ZeLoに入る前にもご経験はありましたか。

ほとんどありません。
前職時代には、パートナーと一緒に書籍や記事を書いたり、セミナーを1件だけ担当したりはしましたが、いずれも一部分を受け持った程度でした。

――今では数多くのセミナーに登壇していますよね。元々取り組んでみたかったのでしょうか。

取り組みたい気持ちはありました。同時に、ZeLoに移ってモビリティを自分で手がけると決めた以上、ある種の営業活動として取り組むしかないという側面もあります。認知を獲得する必要があるので、手段としてとらえつつも楽しんでもいます。

これまでに、モビリティをテーマにしたセミナーやウェビナーに多数登壇し、日本経済新聞などの新聞へのコメント提供、オウンドメディアであるZeLo LAW SQUAREでの記事執筆などを精力的に行ってきました。直近では、NHKの「おはよう日本」にも出演し、モビリティに関する規制を解説しました。

入所した当初は、モビリティの弁護士として私の名前を知っている人は、まだ多くありませんでした。それでも、発信を続けていると、記事等をご覧いただいた企業の方から直接ご相談をいただくこともあります。中途で入って一からプラクティスをつくるうえで、発信は一番の武器になったと思います。

――ZeLoへ入所する前に、組織づくりという目線は持っていましたか。

全く持っていませんでした。前の事務所は規模が大きく、アソシエイトという立場的にも組織づくりのことを意識することはあまりなかったですね。

――現在は新任弁護士採用の統括を担っていますよね。事務所側から打診があったとのことですが、引き受けた理由を教えてください。

採用も業務と同じで、何事にもチャレンジしようということに尽きます。
チームをマネジメントした経験はなかったので、一度携わってみたかったという部分はあります。加えて、新任弁護士の採用を考えることは事務所の今後を描くことにもつながりますし、良い経験になるのではないかと思い、引き受けました。

――実際に採用活動に取り組んでみて、いかがですか。

大変ではありますが、事務所の根本を担っている感覚は強くありますね。事務所が今どの段階にあって、皆がどう考えているのかを、採用に適切に反映する必要があります。統括を引き受けてから、メンバーの考えを以前よりずっと意識して聞くようになりました。

どういう人材を求めているかを問うことは、事務所の未来を問うことでもあります。組織について考える時間も増えましたし、面白さも感じています。候補者の方が語る「こうありたい」という思いを聞くたびに、3年前の自分を思い出します。

変えないところと、これから変えていくところ。これからのZeLoに懸ける思い

――事務所の未来は、どうなってほしいですか。

変えるべきでないところと、変えていかないといけないところの両方があります。
変えるべきでないところは、私がZeLoに入所を決めた理由の部分です。挑戦を重んじ、心から応援する気風は、どれだけ組織が大きくなっても、手放してはいけないと思っています。

一方で、組織規模が拡大する中で、これまでのような全員ですぐに集まって決めるという体制は難しくなっていくと思います。組織体制や評価制度などについては、規模に合わせて日々ブラッシュアップしていく必要があります。情報の透明性や、全員が当事者意識を持って事務所づくりに携わっていくという方針は変えずに、うまく運用する方法を模索していきたいです。

また、自分の成長を通じて組織にどう貢献したいか、チームとしてどうなっていきたいかという思いを大切にしているメンバーが集まる事務所であることは、変わらないと思います。
企業でいうコアコンピタンス、核となる部分は変えずに、それ以外は柔軟に変えていける組織でいたいですよね。

3年前、迷いながらも飛び込んだ私が、今では本気で、VISIONの先にある景色をこの仲間たちと一緒に見たいと思っています。

To Doよりも、To Beを考える。「どうありたいか」を追求できる環境

――真下さんのように特定の領域に専門性を持つ方が、あえてZeLoに入るメリットは何だと思いますか。

今のキャリアに、どこかモヤモヤを感じている方にこそ、合う環境だと思います。

王道とされるキャリアをたどってくると、レールを外れる発想はあまりないかもしれません。普通に進めば、大手事務所や大手のインハウスとして着実にキャリアを築いていけると思います。それも素晴らしい道ですが、自分はどうありたいのかを考えると、それだけでは割り切れない。私自身がそうでした。

ZeLoには決まったレールがない分、自己実現のための選択肢も、成長の可能性も無限にあります。専門性を軸に自分のプラクティスを切り拓くこともできるし、専門外の分野に挑戦して総合力を鍛えることもできる。これほどレバレッジの効く環境は、なかなかないと思います。

ありたい姿を保ったまま、色々なチャレンジができる。それが一番のメリットです。

――働き方の面では、前職と比べてどのような変化がありましたか。

裁量はかなり大きくなり、時間の使い方も自由になりました。外部のイベントへの出席や登壇、執筆にも時間を割けるようになったのは、大きな変化です。

子どもが生まれてからは、育休を2か月取得しました。復帰後も、夕方にいったん帰宅して子どもの世話をしてから、また仕事に戻るといった柔軟な働き方ができています。挑戦を続けながら、家族との時間も大切にできるのはありがたいですね。(参考:真下弁護士も参加した育休に関する座談会記事「育休はキャリアの分岐点ではなく、自然な選択肢に。男性弁護士3名の“リアルな育休と仕事の両立”」)

――どのようなマインドを持つ方がZeLoにマッチするでしょうか。

自分の将来を自由にデザインし実現していきたい、という方にはマッチすると思います。
大手事務所などと比較すると、決まったキャリアパスがない分、自分で道を描ける余地が大きいです。この余白をチャンスと見るか、リスクと見るかという違いが大きな分かれ目だと思っています。

ZeLoのメンバーは、ほぼ全員が、それをチャンスととらえて楽しむタイプだと感じます。

――どのような方とご一緒できると嬉しいでしょうか。

「ありたい自分」を強く持っている方ですね。例えば、常にチャレンジしていたい、何かを変えていきたい、社会に良い影響を及ぼしていきたいといった「どうありたいか」=「To Be」が明確であることが重要だと考えています。「何をやるか」=「To Do」はあくまでTo Beを実現するための手段です。

To Beという軸を強く持ち、挑戦を楽しみながら大きく成長したい、という方とぜひご一緒したいです。

決まったレールはない。だからこそ、自分の道を描ける

――最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。

ZeLoは、入所を検討される方全員にマッチする事務所ではないと思いますし、そうした事務所を目指そうとも思っていません。キャリアのレールは用意されていませんし、事務所の体制はこれからも変化していきます。ただ、核となる精神であるVISIONは変えないつもりです。

VISIONに共感できて、なおかつ変化を楽しみ、チャンスととらえて自己実現につなげたい方にとっては、最高の環境だと思います。大手事務所や官庁、企業で積んできた経験は、AIが作業を担う時代だからこそ、強い武器になるはずです。その経験を軸に、自分の手で新たな道を切り拓きたい方と、ぜひ一緒に働きたいと思っています。技術とルールづくりが同時に進む最前線で、誰も答えを持っていない問いに、一緒に挑みましょう。


[採用担当より]

法律事務所ZeLoでは、中途弁護士の採用を行っています。まずは話を聞いてみたいという段階でも構いません。採用情報は以下をご覧ください。


※掲載内容は掲載当時のものです(掲載日:2026年10月30日)

(取材:法律事務所ZeLo人事採用チーム、写真:根津 佐和子、編集:ZeLo LAW SQUARE編集部)

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