インハウス経験を、企業に伴走する力へ。ZeLoで広がる弁護士のキャリア
弁護士としてのキャリアを重ねる中で、「インハウスで培った経験を、次にどう活かすか」と考える方は少なくありません。法律事務所ZeLoのLSP部門(Legal Strategic Partner:法務顧問サービスの提供を主要業務とする部門)では、企業の日常的な法務相談や契約レビューを中心に、クライアントの事業に継続的に伴走する支援を行っています。この部門では、法律知識だけでなく、企業の意思決定プロセスや社内調整の難しさを理解したうえで、実務に即したアドバイスを行う力が求められます。今回は、インハウスローヤーとしての経験を活かしてZeLoに参画し、現在はLSP部門のマネージャーを務める長野友法弁護士に、インハウスと法律事務所の違いやLSP部門の業務、そしてインハウス経験者がZeLoで活躍できる理由について聞きました。
インハウスから法律事務所へ。新しい経験を積むための挑戦
――始めに、ZeLoに入所するまでのご経歴を教えてください。
私は、大学・ロースクール・司法修習を経て化粧品や日用品などを扱う大手消費財メーカーに入社し、インハウスローヤーとして7年程働いていました。
最初に配属されたのはコーポレートガバナンスや株主関係などを担当するチームで、株主総会の運営や株式の管理、会社法改正への対応や開示まわりの業務などを行っていました。3年程経験を積んだ後、事業部門を担当するチームも兼務するようになり、化粧品などのビューティーケア関連の部門、デジタル広告やWeb施策、クリエイティブ系の部署など、様々な部門からの依頼にも対応する日々でした。
その後、グループ内の子会社に出向しました。親会社の法務組織は細かく担当が分かれていた一方で、出向先では法務組織の人数も限られていたため、契約書レビューや法律相談に加えて、監査的な業務や薬機法関連の相談など、かなり幅広く対応していました。親会社では専門部署が担っていたような領域も、子会社では自分たちで見る必要があり、対応力がかなり鍛えられたと思います。
――ZeLoとの出会いや、入所の決め手について教えてください。
元々のきっかけは、株式会社LegalForce(編集注:現在は「株式会社LegalOn Technologies」。法律事務所ZeLoと創業者を同じくするリーガルテック企業。)でした。前職の会社でLegalForceのテストユースに協力する機会があり、法律事務所を運営しながらリーガルテックのサービスも開発している同世代の人たちがいるんだと知り、率直に「すごい人たちがいるな」と感じたのを覚えています。
その後、ロースクール時代の友人がZeLoに入所し、話を聞く機会がありました。ZeLoやLegalForceが目指している方向性、AIやナレッジを活用してクライアントにより良いサービスを提供しようとする考え方に共感したことが、最初の大きな接点でした。
実は、前職時代からいつか法律事務所で働いてみたいという思いはあったのですが、インハウスから法律事務所に移ることには不安もありました。特に、一般的な法律事務所は訴訟対応などのイメージが強く、インハウスでの経験をどう活かせるのか、自分が本当にフィットできるのかを懸念していました。
その点、ZeLoはLSP部門(Legal Strategic Partner:法務顧問サービスの提供を主要業務とする部門)とPLS部門(Professional Legal Service:M&Aや訴訟紛争などのスポット案件を主要業務とする部門)で業務領域が分かれています。LSP部門では企業の顧問対応を中心に、契約書レビューや法律相談など、インハウス時代の経験とリンクする業務が多くありました。
前職での経験を活かしつつ、法律事務所で新しい経験を積めると感じたことが、入所を決めた大きな理由です。オフィス見学や、面接の際に関わった弁護士達の人柄や関係性の良さ、事務所全体のフラットな雰囲気も魅力の一つでしたね。
インハウスと法律事務所、それぞれの違い
――インハウスと法律事務所では、仕事の進め方や求められる役割にどのような違いがありますか。
契約書のレビューや法律相談に対応するという点では、共通する部分も多いです。一方で、やはり社内と社外という立場の違いはあります。
インハウスの場合は会社の内部にいるので、事業や組織の情報が自然に入ってきます。社内で何が起きているのか、どの部署がどう動いているのか、意思決定の背景なども把握しやすい環境です。
一方で、外部弁護士として支援する場合、入手できる情報にはどうしても限りがあります。その中で必要な情報を確認して見解を出していく必要がある点は、インハウス時代との大きな違いです。
また、外部弁護士として求められる役割も、クライアントによって異なります。スタートアップの経営者からは、できるだけ前に進められるように一緒に考えてほしいという期待を受けることが多いです。一方で、大企業の担当者からは、リスクを客観的に評価することや必要に応じてブレーキを踏むための外部の独立した専門家としての意見を求められることもあります。
クライアントのニーズを適切に見極めてサービスを提供することが重要だと感じています。
――複数の企業を支援するようになって、弁護士としての視野に変化はありましたか。
大きく変わりました。
前職は消費財メーカーだったので、当然ながら触れる業界や法律分野には一定の偏りがありました。ZeLoに入所してからは、金融やITなど前職では関わることの少なかった業界のクライアントも担当するようになり、相談内容や触れる法令の幅が大きく広がりました。
複数の企業を支援していると、同じ業界や近い領域でも会社ごとに考え方や対応方針が違うことが見えてきます。もちろん守秘義務に反しない範囲ではありますが、そうした知見をアドバイスに活かせるのは、法律事務所で働く面白さの一つだと思います。
法律事務所にいながら、近い距離で企業に伴走する
――LSP部門では、どのような業務を担当していますか。
契約書のレビューや法律相談はもちろん、クライアントの事業やフェーズに応じて、様々な相談に対応しています。
ZeLoの特徴は、クライアントの中に入り込んでビジネスの伴走者として支援する点にあると思います。もちろん外部弁護士なので社内法務とは立場が違いますが、コミュニケーションツールなどを通じて日常的に相談を受けたり、会社を訪問して直接議論をしたりする場面が多くあります。
そのため、単に法律論として正しい回答を出すだけでは不十分です。担当者がその回答を社内でどう使うのか、その会社の意思決定プロセスの中でどう機能するのかまで想像しながら対応する必要があります。
――インハウス経験が、クライアント支援で強みになると感じる場面はありますか。
非常に多くあります。
インハウス経験者は、会社という組織がどのように動いているのか、どのような意思決定プロセスで物事が進むのかについて、解像度が高いと思います。
例えば、ある社内制度について相談を受けた時、文面だけを見ると問題が大きそうに見える場合でも、会社の評価制度や運用の背景を想像すると、実は違う整理ができることがあります。
法律論だけで強く指摘してしまうと、クライアントの現場が必要以上に止まってしまうこともあります。もちろんリスクを見逃してはいけませんが、まずは背景を丁寧に確認し、会社の実務に即した形で見解を出すことが大切です。
インハウスとして社内の法務相談に対応してきた経験や、実際に会社という組織の中で働くという経験があると、担当者が何に困っているのか、どのような回答だと社内で使いやすいのかを想像しやすく、LSP部門で働くうえで大きな強みになると思います。

様々な分野の専門家同士がワンフロアに集結する、相談しやすい組織
――事務所に移ると、自分が経験していない分野への対応に不安を感じる方もいると思います。ZeLoではどのように対応していますか。
ZeLoの良いところは、周囲が非常に協力的で、サポートを受けやすいことだと思います。
ZeLoはいわゆるパートナー・アソシエイト制度を取っていないため、案件ごとに柔軟に体制を組んでいます。自分より詳しい弁護士がいれば年次に関係なく相談しますし、必要に応じて案件に入ってもらうこともあります。
私自身、入所当初はスタートアップファイナンスについてほとんど知識がありませんでしたが、年次としては自分より若い弁護士でも、その分野に非常に詳しいメンバーがいたので、意見を聞いたりレビューしてもらったりしながら対応していました。
また、ZeLoには弁護士だけでなく、司法書士・弁理士・公認会計士・税理士・社会保険労務士など、様々な専門家が同じ組織内にいます。会社法や登記、知財、税務、労務など、自分だけでは判断が難しい場面でも、すぐに相談できる環境があるのは非常にありがたいです。
外部の専門家に依頼する場合、どうしてもタイムラグが生じたり、共有できる情報に限界があったりします。ZeLoではワンフロアのオフィスで全員が一緒に働いていることから、組織内の専門家達と密にコミュニケーションをとることができるため、クライアントへの高品質でスピーディーな対応を実現できていると思います。
LSP部門のマネージャーとして、案件とチームを支える
――LSP部門のマネージャーとして、どのような役割を担っていますか。
大きくは、クライアントごとの担当者アサインや、チーム運営、メンバーとの1on1などを行っています。
LSP部門は、各クライアントに複数の担当者をアサインする体制です。誰がどのクライアントを担当するのか、メンバーの得意分野や業界との親和性、稼働状況やそれぞれの希望などを踏まえて調整しています。
LSP部門内には様々なプラクティスチームがありますが、一般的な法律事務所とは異なり、所属チーム以外の領域の案件を担当することも希望次第で可能です。
また、LSP部門に所属する弁護士とは定期的に1on1を行い、案件の状況や困っていること、キャリアについて話す機会を設けています。プラクティスチームのリーダーとは月1回、それ以外のメンバーとは3か月に1回程度の頻度で話しています。
マネージャーとしては、いわゆる中間管理職的な側面もあります。事務所の経営層と部門メンバーの間に立ち、部門全体の方針や制度に関する意見をまとめたり、メンバーがより働きやすい体制を考えたりすることもあります。
――チーム運営において意識していることはありますか。
ZeLoでは、「向いていること・できること・やりたいことをやればいい」という考え方が比較的強いと思います。
一般的な法律事務所では、アソシエイトからパートナーになるにつれて、ある時点で急に営業や売上への責任が大きくなることもあると思います。一方ZeLoでは、案件対応が得意な人、営業やセミナー・執筆活動に力を入れている人、特定分野に強い人など、それぞれの強みを活かせるように役割を考えています。
LSP部門では営業チームと案件対応チームが分かれているため、全員が同じように営業をしなければならないわけではありません。営業やマーケティングに積極的に関わりたい人はその分野で力を発揮できますし、案件対応に集中したい人は、誰かが獲得した案件にしっかり対応するという関わり方もできます。
もちろん、年次が上がるにつれて、自分の名前でクライアントを獲得できる状態を目指すことは理想です。ただ、全員に同じやり方を求めるのではなく、それぞれの強みを活かせる環境をつくることを意識しています。
インハウス経験を積んだ弁護士が、裁量を持って働ける環境
――インハウス経験を積んだ弁護士がZeLoに入所した場合、どのような裁量や活躍の余地がありますか。
ある程度の経験がある方であれば、基本的にはクライアントの主担当として責任を持って案件を進めていただくことになります。
ZeLoでの業務に慣れてきてからは、年次によってはパラリーガルや若手弁護士の成果物に対する最終確認者になることも多くあります。担当クライアントについては、クライアントとの関係性をどう築くか、どのようなスケジュール感で進めるか、どのような成果物を出すかについて、大きな裁量を持って働くことができます。
とは言っても、放任されるわけではありません。新しく入所された方には、まずは複数名体制の中で案件に入って様子を見ていただき、徐々に独立して担当できるようになっていただけるまでサポートしています。ご経験の無い分野については、ナレッジや雛形も整備されていますし、知見のあるメンバーに相談しながら進めることができます。
また、多くのスタートアップのクライアントを支援している関係で、新しくご入所いただいた方に限らず、これまで誰も経験したことのないような案件のご依頼をいただくこともあります。そんな時は、「未知の領域だけれど、一緒に頑張ろう」と力を合わせて知恵を絞り、前向きに取り組むカルチャーがあります。
――自律して仕事を進めたい弁護士にとって、ZeLoはどのような環境でしょうか。
自分でキャリアを考え、やりたいことを決めていきたい人には合っていると思います。
ZeLoには、会社組織のように明確な役職や階層があるわけでもなく、一般的な法律事務所のように「アソシエイトからパートナーへ」という単線的なキャリアがあるわけでもありません。自分がどの分野に強みを持ちたいのか、どのような案件に関わりたいのかを、自分で考えながら進めていく必要があります。
反対に「この分野をやりたい」「こういう経験を積みたい」と発信すると、思った以上に機会を得られることもあります。もちろんフォローは入りますが、想像していたよりも大きな案件を任されることもあるので、自分から手を挙げて挑戦したい人には良い環境だと思います。

求められるのは、ジェネラリストでありスペシャリストであること
――LSP部門で活躍するために、大切な姿勢は何だと思いますか。
LSP部門は顧問業務が中心なので、クライアントや業界、関連する法令への理解が非常に重要です。
インハウスの場合、基本的には一つの会社に深く向き合いますが、LSP部門では複数のクライアントに同時並行で向き合う必要があります。その分、クライアントごとの事業理解や法令理解を高めていくことには労力がかかります。
もっとも、そうした負荷がある一方で、成長できる環境が整っているのも特徴です。ZeLoでは、業務の幅を制限されない緩やかなチーム制を敷いているので、希望に応じて様々な分野や業界に関する経験を積むことができます。
自分の強みを作りたい人にとっては「特定分野の知見を蓄積しやすい環境」であり、幅広くスキルを磨いていきたい人にとっては「挑戦しやすい環境」でもあります。
一方で、「自分が今知っていることだけを極めたい」というタイプの方だと、難しさを感じるかもしれません。LSP部門では幅広い相談に対応する力も必要ですし、同時に自身のコアとなる専門性も求められます。ある意味では、ジェネラリストであり、スペシャリストでもあることが求められる仕事だと思います。
――どのような方とご一緒できると嬉しいでしょうか。
企業法務の基本的な知見があり、幅広い相談に柔軟に対応できる方と一緒に働きたいです。
特に、スタートアップ対応に前向きな方は合っていると思います。大企業とスタートアップでは、意思決定のスピード感や相談の粒度が大きく異なります。スタートアップでは、社長と話してその場で物事が進んでいくこともありますし、今日明日で対応が必要になる場面もあります。そうした状況に柔軟に対応できることは大切です。
また、特定分野に強みを持つ方も歓迎しています。エネルギー、環境、個人情報、IT、ディープテック、ヘルスケアなど、ZeLoとしてさらに知見を深めていきたい領域は多くあります。すでに経験がある方はもちろん、これからその分野を伸ばしていきたい方にも、活躍の機会を創っていける組織です。
加えて、AIなど新しいツールに抵抗がないことも大切です。現時点で高度に使いこなしている必要はありませんが、業務をより良くするために新しい技術を取り入れていく姿勢は、今後ますます重要になると思います。
まずはZeLoの雰囲気を知ってほしい
――最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
ZeLoへの応募をためらう一因として、「ギラギラしていそう」というイメージがあると聞きますが、所属しているメンバーと実際に話したり事務所に来てみたりすると、かなり印象は違うのではないかと思います。
ZeLoのメンバーは、穏やかで真面目に仕事に取り組む人ばかりです。その一方で、活気があり、前向きに新しいことへ挑戦するカルチャーもあります。ウェブサイトやSNSだけでは伝えきれていない部分も多くありますので、少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ一度コンタクトを取っていただきたいです。
インハウス経験は、ZeLoのLSP部門で確実に活かせる強みです。企業の中で法務を担ってきたからこそ、クライアントの悩みや社内調整の難しさを理解できる場面があります。
法律事務所での経験がないことに不安がある方もいらっしゃるかもしれませんが、ZeLoには周囲に相談しながら新しいことに挑戦できる環境があります。インハウスで培った経験を、より多くの企業への支援に活かしたい方に、関心を持っていただけたら嬉しいです。
※掲載内容は掲載当時のものです(掲載日:2026年8月12日)
(取材:法律事務所ZeLo人事採用チーム、写真:根津 佐和子・ZeLo LAW SQUARE編集部、編集:ZeLo LAW SQUARE編集部)