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司法修習前に実務へ飛び込んで気づけた、公認会計士経験という武器

こんにちは、法律事務所ZeLo・外国法共同事業です。連載「ZeLo Intern's Story」では、長期インターン生に、印象に残った業務や取り組む中で感じたやりがい、ZeLoの雰囲気についてインタビューしていきます。「唯一無二の弁護士・公認会計士となるために、具体的なイメージを持って司法修習に取り組みたいという思いがあった」と話すのは、大手監査法人にて公認会計士として勤務中に司法試験予備試験および司法試験に合格した緒方文彦さん。ZeLoで内定者インターンとして過ごした1か月間とこれからのキャリアについて、率直な思いを聞きました。

司法修習前に実務へ飛び込んで気づけた、公認会計士経験という武器
PROFILE
緒方 文彦

弁護士・公認会計士

緒方 文彦

2013年東京大学文学部卒業、2014年公認会計士試験合格。2015年より有限責任監査法人トーマツで勤務し、ベンチャー支援に軸足を置く旧トータルサービス事業部に所属。2021年2月まで上場会社監査、IPO準備会社監査、国内籍・海外籍を含むファンド監査等に従事。並行して司法試験予備試験・司法試験に合格。2022年弁護士登録(第二東京弁護士会所属)、同年法律事務所ZeLo参画。法務分野では、IPO、コーポレート・ファイナンス、開示規制(金商法・上場規程)、ベンチャー/スタートアップ法務、ジェネラル・コーポレート、M&A、税務、訴訟/紛争解決など。会計分野では、IPOを前提とした収益認識会計基準の導入サポートを含む会計基準の適用に関するコンサルティング業務、価値算定業務、上場会社における開示書類作成サポートを実施。

公認会計士から弁護士へのキャリアチェンジ

ZeLoのインターンに応募したきっかけを教えてください。

私は2021年2月末まで、公認会計士として6年間、大手の監査法人のIPO(新規上場申請)に関わる監査に携わっていました。勤務のかたわら受験勉強を進め、予備試験を経て2020年、司法試験に合格しました。

当時勤務していた監査法人の中でも、AI契約書レビュー支援ソフトウェアを開発するLegalForceのことが非常に話題になっており、そして、そのビジネスパートナーであるZeLoについては、個人的に注目していました。

司法試験後、実際に小笠原匡隆先生をはじめとする弁護士の先生方とお話をしていく中で、ZeLoの魅力を肌で感じ、74期弁護士としてZeLoへの入所を決意しました。ご縁をいただき、ジョインできることを非常に光栄に思っています。

インターンに参加したきっかけは、官澤康平先生から「雰囲気を知るためにちょっと働いてみないか」と連絡をもらったことです。入所後の具体的なイメージを持って司法修習の1年間を過ごしたいという思いがあり、参加を決意しました。

代表の小笠原匡隆弁護士(写真右)と角田望弁護士(左)。インターン中は、小笠原弁護士と同じ案件でディスカッションする機会もありました。

業務を通して、自分のキャリアと向き合えた

インターンではどういった業務に関わっていましたか?

インターン期間中に関わった業務内容は主に以下のとおりです。

 ・多分野にわたる契約書の一次レビュー業務
 ・紛争案件のクライアントヒアリングへの同席、主張する法律構成の一次検討
 ・信託型ストック・オプションの設計業務、契約書、株主総会議事録ドラフト業務
 ・日本に居住する外国人の所得税に関する法律問題の検討業務(英語対応)
 ・金融商品取引法、産業競争力強化法、広告規制等各種法令に関するリサーチ業務

インターン生のため、関与の態様は限定されてはいたものの、短期間で多岐にわたる業務を経験することができました。また、実務に触れることで、ZeLoの業務の幅の広さとクライアントの法律業務に対するニーズを身をもって実感いたしました。弁護士として自分の会計・税務の知見をどのように活かすか?という戦略を練ることもでき、非常に有意義な時間でした。

公認会計士として、弁護士として、自分に何ができるのか

インターンを通して印象的だったことはありましたか?

2点、大きく印象に残っている業務があります。


1点目は緊急の紛争案件への対応です。守秘義務等の関係で具体的な記載はできませんが、状況を整理するためのクライアントへのヒアリングや、法律構成のディスカッション、紛争解決の糸口になる情報のピックアップ、必要な資料の検討などを行いました。

公認会計士は日常業務に近接する業務のため、稀に不正案件こそあるものの、通常は緊急事態への対応はほぼありません。しかし弁護士になると、緊急事態への対応を日常的に求められるのだと実感しました。

2点目は信託型ストック・オプションの設計業務です。こちらは1点めの紛争案件と反対に、公認会計士として携わった業務と密接に関連していて、印象に残っています。

信託型ストック・オプションは監査業界でも非常にホットな話題で、議論を巻き起こしている分野でもあります。 改めて法務の立場から関わることで、多角的な視点で向き合うことができるようになりました。弁護士資格取得後には、法務と会計双方の観点から、ベンチャー支援に役立つような実務対応の方法を模索していこうと考えています。

ZeLoは自由闊達で前のめりなカルチャー

業務でZeLoのメンバーと接してみてどんな印象でしたか?

弁護士一人ひとりが自律しており、意見交換も活発で、風通しが非常に良いと感じました。

法律業界・会計業界に関わらず、大手の事務所に所属する最大のメリットは、自分が知らない業務を目の前にしたときに、知見のある仲間にすぐに訊けることだと思います。大きな安心感を持って業務にあたれる反面、個人の能力の上限が無意識のうちに制限されてしまうことにつながるのではないかという懸念もありました。

そのため弁護士になったら、個人の能力を高め、チームの中でも一人のプロフェッショナルとして存在感を示しつつ戦っていけるような環境に身を置きたいと考えていました。ZeLoで先生方が年次に関係なく、積極的に新たな業務を開拓している姿を目の当たりにし、本当に刺激を受けましたし、このような環境で能力を高めていきたいという思いが強まりました。

ZeLo所属の弁護士や弁理士メンバー(2021年5月現在)。独自の専門性を持ち、それぞれの分野で新しい挑戦を行っています。

唯一無二の弁護士・公認会計士になりたい

最後に、今後はどのような道を歩んでいきたいですか?

法律業務と会計業務の融合の道を模索し、新たな領域として切り拓いていきたいです。

IPOに関わる業務においては、今まで存在しなかったビジネスモデルやそれらの実現のために、あらゆるスキーム構築に即した迅速かつ柔軟な判断が、必要とされる場面が多くなっています。しかし法務、会計監査の世界は、業界として旧態依然の傾向にあり、多様なニーズへの対応ができない現在の体制に、強い危機感を覚えています。大手の監査法人で勤務した経験からも、改善の必要性を強く感じています。

このような課題を解決していくアプローチには、大手事務所の中で内側から変えていくという方法だけでなく、開拓意欲のある新興事務所の中からフットワーク軽く動くという方法もあり、どちらも等しく価値のある方法と思います。私は、唯一無二の弁護士・公認会計士となるというキャリアを実現するため、後者のアプローチを選びました。

残された司法修習期間で、自分にできることを模索しつつ、今後のキャリアを切り拓いていこうと思います。弁護士として本格的に執務を始める日が待ち遠しいです。

▼法律事務所ZeLo 長期インターンの詳細は以下をご確認ください。

※記事の内容は掲載当時のものです(掲載日:2021年10月26日)

司法試験・予備試験 社会人合格者のリアル

司法試験・予備試験 社会人合格者のリアル

著者
緒方文彦ほか(共著)
発売日
2022年6月9日
中央経済社
定価
2,090円(税抜価格1,900円)
ページ数
172ページ
サイズ
A5判
ISBN
978-4-502-43101-2

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