専門性を強みとして働く。幅広い専門性を掛け合わせた労務のスペシャリストとして
特定社会保険労務士
安藤 幾郎
社会保険労務士
河野 千怜
こんにちは、法律事務所ZeLo・外国法共同事業です。連載「ZeLo Intern's Story」では、長期インターン生に、印象に残った業務や取り組む中で感じたやりがい、ZeLoの雰囲気についてインタビューしていきます。「司法試験を目指しているときは、企業法務をやるなら、四大法律事務所に行く以外の選択肢はないと思っていた」と話すのは、慶應義塾大学法学部在学中に司法試験予備試験、2020年に司法試験に合格した井上健仁さん。ZeLoで長期インターンとして、7か月間を過ごして感じた率直な思いを聞きました。
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目次
大学卒業後1年目に司法試験に合格してから、司法修習が始まるまで、約半年ほど時間がありました。その間に法律事務所で働き、少しでも実務経験を積みたいと考えていた私は、司法試験合格後、法律事務所でのアルバイト、インターンの募集をひたすらに探しました。アルバイトを募集している法律事務所はいくつかあったのですが、いずれも法律業務と離れた事務を行う仕事ばかりでした。
そのような中、様々な弁護士業務のサポートを内容とする、長期インターンを募集しているZeLoを見つけました。当時の私は、「ZeLoは四大法律事務所出身の弁護士によって創られたベンチャー法律事務所」というイメージがあり、修習前にハイレベルな仕事を目の前で見ることができること、スタートアップやベンチャー法務にも興味があったことから、迷わず応募しました。
長期インターンに参加してから知りましたが、当時、ZeLoのウェブサイトはあまりSEOに注力していなかったようで、私自身も募集ページを簡単に見つけられなかったことを覚えています。そのせいか、長期インターンの応募はあまり来ておらず、募集をしていることを先生方が忘れるレベルだったそうです(笑)
入所1年目の弁護士と似たような立場で、リサーチや契約書レビュー、各種書面のドラフト、セミナー資料の作成、執筆など、多岐にわたる業務を弁護士に付いてサポートしました。また、ZeLoの長期インターンでは慣例となっていると聞きましたが、棚の組み立てなども行いました(笑)
時には、クライアントの全社会(飲み会)に参加し、スタートアップ企業の極めてエネルギッシュな起業家の方たちと交流させていただく機会などもありました。自分のやりたい仕事は、何でもチャレンジさせてもらえるような環境だったと思います。
長期インターンを始めた当初は、司法試験の机上の勉強と実務との想像以上のギャップに戸惑い、失敗の連続でした。リサーチで真逆の結論を導いてしまったり、クライアントの事業内容を早とちりして誤って認識したり、作成した書面が弁護士から真っ赤に修正されて返ってきたり。とにかく思ったようにできず、落ち込むこともありました。
そのような時に、代表の小笠原匡隆先生が、「今のうちにできるだけ失敗しておいた方がいいよ」と声をかけてくださり、それ以来、失敗もポジティブなものとしてとらえることができるようになりました。
各種書面のファーストドラフトを多く任せていただく中で、徐々に業務にも慣れていきました。もちろん、長期インターン生のドラフトに対しては、弁護士の先生方の厳しいチェック・修正が入ります。そうであっても「リスクを見逃してはいけない」という良い意味でのプレッシャーから、責任感をもって取り組むことができました。
最も印象に残った業務は、知的財産権に関する意見書の作成です。選択科目が知財ではない私にとって、まったく未知の分野であり、学びながらの業務となりました。
問題となった条文は、近年の改正により新たに追加されたもので、裁判例や議論の蓄積がなく、官公庁が出している文書やコンメンタールなどを参考に、一からの解釈が必要となるものでした。
それまで弁護士の業務は、なんとなく「受け身」のイメージがあったのですが、先生方から「単にビジネスが違法だと指摘するのは誰でもできる。重要なのは、そこからさらに進んで、どうスキームを変更したらよいのか、どうすれば適法になるのかのソリューションを提供することである」とアドバイスを受けました。
実際に条文に沿って、文言一つひとつにこだわりながら、様々な法的スキームを検討していくと、ある種のクリエイティブな興味深さを感じました。
机上の勉強でしか法律に接していなかった自分にとっては、ZeLoでの業務すべてが新鮮でした。業務を重ねて着実にレベルアップしていく感覚があり、長期インターン終盤では、「ビジネスが違法な可能性があるとして、ではどうしたらよいか」という観点にも考えが至るようになりました。
ZeLoには、四大法律事務所を含め様々な法律事務所から、多様なバックグラウンドを持つ個性豊かな弁護士が集まっています。
右肩上がりの順調な成長を続けているにもかかわらず、「リーガルサービスを変革する」というミッションのもと、先生方は常に新しいことを模索し、現代における法律事務所の在り方を変えるチャレンジを続けていました。いわゆる法律事務所に少し堅いイメージを持っていた私は、イノベーティブな姿勢の先生方を見て、非常に刺激を受けました。
私が最もお世話になったのは、弁護士1年目(編注:2020年度当時)で72期の島内洋人先生と松田大輝先生でした。72期の先生方は極めて優秀で、これから2年間で自分が先生方のようになれるとは到底思えませんでした。自分とのあまりの差に不安を感じたことも多くありましたが、それだけ優秀な若手の先生方とともに仕事をさせていただけることを好機ととらえ、仕事の仕方を盗むよう常に心がけていました。
自分とはそもそも頭の回転の速さが違う、極めて優秀な人たちが集う法律事務所で、「将来自分が弁護士になって、どのようなバリューを発揮すべきなのか」を考えるきっかけにもなりました。
事務所全体は和気あいあいとした雰囲気で、長期インターン生と弁護士の先生方との距離が近いように感じました。新型コロナウイルスの影響で、外に遊びに行く機会こそあまりありませんでしたが、食事を一緒にしたり、金曜日の夜にフリースペースでテレビゲーム(大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL)をやったり、時には友人のような接し方で懇意にしていただきました。そのような業務以外の時間も、非常に有意義なものでした。
長期インターンを始める前は、私は一般的な司法試験受験生の大半がそうであるように、企業法務専門の法律事務所といえば四大法律事務所しか知らず、企業法務をやるなら四大法律事務所に行く以外の選択肢はないと思っていました。
しかし、長期インターンを通して、ZeLoのような、少数精鋭が集まるライジングファームや、そのほかにも中小の素晴らしい法律事務所があること、そこで行われている業務も多種多様で、弁護士にも様々なキャリアの選択肢があることを知りました。大手に行くにしても、中小に行くにしても、そのような俯瞰的なパースペクティブを持つことは大切だと思います。
ZeLoでの長期インターンを通して、常に現状に満足せず、チャレンジングな姿勢を持つことの大切さを学びました。
私は、将来がまったく予想できず、具体的な構想を描いているわけでもありません。今は自分が楽しいと思える目の前のことにひたすらに邁進し、いつか自分だけの価値を社会に提供することができるよう努めていきたいです。まずは弁護士としての基礎力を身に着けることはもちろんですが、既存の弁護士像にとらわれず、これからも挑戦を続けていきます。
(編集:村上未萌、ZeLo LAW SQUARE 編集部)
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※記事の内容は掲載当時のものです(掲載日:2021年6月18日)