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オムニバス法~その背景と主な規定について

インドネシア共和国政府はオムニバス法と呼ばれる新法の準備を進めており、投資、ライセンス、教育など様々な分野の規制が改正される予定です。オムニバス法は、(a)雇用創出法、(b)オムニバス税法の2つのカテゴリーに分かれています。

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PROFILE
フィエスタ ヴィクトリア

インドネシア法弁護士

フィエスタ ヴィクトリア

2006年ペリタ・ハラパン大学卒業。2019年法律事務所ZeLo参画。 主な取扱分野はM&A、ジェネラル・コーポレート、人事労務、フィンテックなど。 インドネシア支持者協会PERADIのプロフェッショナル会員であり、執筆も数多く手掛けている。ALB Women in Law Awards 2021 - Business Development Lawyer of the Year を受賞。

背景

2020年2月12日、雇用創出法(以下「法案」)の草案が国会(議会)に提出され、更なる審議が行われ、公開されました。1,020ページ以上にわたる本法案には174の条項が含まれており、インドネシアの法制度の歴史の中で最も複雑な規制の一つとなると予想されています。本法案が可決されれば、ビジネスのやりやすさを向上させるための変更を含め、主要なビジネスと経済のすべてをカバーする79の既存の法令が改正されることになります。
本法案は、作成前の包括的調査や国民の参加が不足していたと考えられているため、学者や法律家からは酷評されています。
さらに法律評論家は、本法案の特定の条項は、特に法案が中央政府に与える既存および将来の法令の改正権に関する権限( 法案第170条 )と、大統領令で地方自治体の規制や条例を覆すことができる大統領の権限(法案第166条)に関して、改憲論議の余地が大きいと主張しています。
いくつかの論争があったにもかかわらず、政府は本法案が、よりスリム化された官僚システムとインドネシアの投資条件を改善するための一元化された迅速化プロセスを可能にするなど、多くの面でプラスの影響を与えると断言しています。
本法案は特に以下の点に重点を置いています。(a)インドネシアでのビジネスの容易性を高めること(例:ライセンスプロセス、要件、土地取得プロセスを簡素化し、いくつかの現地での申請や登録を削除すること)、(b)政府の投資活動の一元化(例:政府の投資当局とファンドを創設すること)及びライセンスプロセスの一元化

対外投資規制について

本法案は、投資家(外国人投資家を含む)に対する要件の一部を緩和するために、投資制限に関する重要な規定をいくつか改正するものです。最も重要な改正点の一つは、特に投資(対外投資を含む)の対象となる事業活動に関するものになります。
法案に記載されているように、「事業は投資(対外投資を含む)のために開放されているか、制限されているか、中央政府のために指定されているかのいずれかである」ということは、下記を含む既存のすべての対外投資の要件を削除することを示唆しているように思われます。

- 会社における外国株式の所有権のしきい値
- 特定の場所で事業を行う必要があること、または
- 地元の中小企業と提携する必要があること

この文言通りであれば、中央政府のために制限されている事業や指定されている事業以外のすべての投資や活動は、100%外国資本に対し開放されることになります。
一部の法律家には、これにはたくさんの問題点があり、政府は最終的には、地元企業や零細・中小企業、協同組合を保護するために、大統領令で新たな制限を課すことになるだろうと考えられています。
他にも重要な変更点としては、商業事業者に対する地方自治体の出資権がなくなることです。 これは、地域密着型企業の存在に影響を与える可能性があります。

リスクベースの事業許可取得

本法案は、外国人投資家を含む事業者に法的な確実性を与えるために、「リスクベースの事業許可」という新しい概念を導入し、ビジネスライセンス申請プロセスを迅速化することを目的としています。
この考え方に基づき、事業活動を低リスク事業中リスク事業高リスク事業に分類します。これは、リスクレベルの事前評価を行うことにより決定されます。
この結果によって、その事業にどの種類の免許が適用されるかが決定されます。 例えば、リスクの低い事業はNIBと呼ばれる事業者番号のみが必要となり、取得が容易かつ迅速になりますが、リスクの高い事業は事業を行うためにはNIBだけでなく、営業許可証も取得しなければなりません。これまでは、すべての事業者が営業許可証を取得する必要がありました。

簡略化されるライセンス取得プロセス

事業許可や土地取得などの手続きを簡素化することができます。

1.各地方自治体間の計画を一つのシステムに統合する。
2.既存の規制の一部を改正し、新たな規制を導入することで、一定の許認可(例えば、環境・建築関連許認可)を取得するための手続きを簡素化する。
3.部門ごとの事業認可プロセスと投資要件を簡素化するために、既存の部門別規制を改正する。 

教育関連部門

本法案は、外国の教育機関がインドネシアで事業を立ち上げるための柔軟性を提供するものです。現行の規制で規定されているインドネシアの学校との提携を必要としなくなります。本法案はまた、世界的に評判の良い大学がインドネシアに進出することを歓迎するという政府の意向を示しています。

コメント

本法案の正式な法制化については、今後どのような展開になるかが注目されます。現在のインドネシア政治の不安定さを考えると、下院審議の最終的な結果を予測することは不可能だと考えます。


本記事は、弊所弁護士のFiesta Victoriaによる英語記事“OMNIBUS LAW- REFORMATION OF INDONESIAN REGULATIONS”の和訳記事です。英語版と日本語版に何らかの齟齬があった場合、英語版が優先するものといたします。

本記事の情報は、法的助言を構成するものではなく、そのような助言をする意図もないものであって、一般的な情報提供のみを目的とするものです。読者におかれましては、特定の法的事項に関して助言を得たい場合、弁護士にご連絡をお願い申し上げます。

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