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商標登録後に必ず押さえるべき4つのポイント―商標権の効力・使用ルール・更新・変更手続きを解説

特許庁から商標権が付与され、いよいよ自社ブランドを市場に送り出す段階になると、多くの方が「商標登録後、商標権をどのように管理・活用すべきか」という疑問を持たれるのではないでしょうか。商標権は、取得した瞬間からブランドを守る強力な武器となりますが、その一方で、商標の使用方法や管理を誤ると、不使用取消や権利失効といったリスクにつながる可能性もあります。本記事では、商標登録証を受領した後に必ず押さえておきたいポイントについて、商標権の効力の範囲、使用上の注意点、更新手続きなどを中心に、実務上の視点から分かりやすく解説します。ブランドを長く育て、商標権を確かな事業資産として維持していくための第一歩として、ぜひご活用ください。

商標登録後に必ず押さえるべき4つのポイント―商標権の効力・使用ルール・更新・変更手続きを解説
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PROFILE

2003年京都大学法学部卒業。株式会社三井住友銀行、都内特許事務所勤務を経て2023年法律事務所ZeLo参画。16年以上にわたり、大手企業からスタートアップまで、意匠・商標の国内外の出願から権利行使まで知的財産業務をトータルにサポート。

商標権の効力が及ぶ範囲と活用方法(商標権の専用権・禁止権)

商標権の効力は、「登録商標」と「指定商品または指定役務」の組み合わせによって決まります。以下では、その効力が及ぶ範囲と、活用方法について説明します。

専用権の範囲(商標を独占的に使用できる範囲)

登録商標を、登録された指定商品・指定役務と同一の範囲で使用できる権利です。この範囲では、商標権者のみが商標を独占的に使用できます。

また、他者に使用を認める場合には、ライセンス契約(使用許諾)を締結することも可能です。

禁止権の範囲(他者の商標使用を差し止められる範囲)

禁止権は、商標が同一または類似し、かつ指定商品・指定役務が同一または類似する範囲に及びます。また、他者が類似の商標を使用している場合は、その使用を中止させることができます。

もっとも、実際に差し止めが可能かどうかは、商標の類否や商品・役務の類否などを総合的に考慮して判断されるため、「類似に見える」だけで結論を急がず、慎重に確認することが大切です。

なお、この範囲は「排除できる範囲」であり、「独占的に使用できる範囲」ではありません。類似範囲も独占的に確保したい場合には、別途商標出願が必要です(下図参照)。

図:商標権の効力が及ぶ範囲(出典:特許庁ウェブサイト「商標制度の概要」より引用)

商標の使用に関する注意点と不使用取消のリスク

商標権は、取得後に「使用していること」が重要です。未使用の状態が続くと、不使用取消審判により登録が取り消されてしまう可能性があります。

登録商標はできる限り「登録された形」で使用する

登録商標を大きく変形して使用すると、「同一の商標の使用」とみなされず、取消のリスクが高まります。したがって指定商品・指定役務の範囲で、登録商標をそのまま使用することが最も安全です。

登録商標を3年以上使用していない場合のリスク

商標権取得後、3年以上継続して使用していない場合、第三者から不使用取消審判を請求される可能性があります。この際、実際に使用していたことを示す証拠(パンフレット、Webサイト、取引書類等)が必要になるため、日常的に保管しておくことが重要です。

【注意】
商標法上の不使用期間は「継続して3年」で判断されます。そのため、過去に使用した実績があっても、審判請求の登録前3年間に一度でも使用実績がなければ、取消の対象となります。商標権を守るためには、継続的な使用と証拠の保全が必要です。

登録表示(Ⓡ・登録番号)の付記について

登録商標を使用する際には、「Ⓡ」や「商標登録第○○○○○号」など、登録商標である旨の表示(商標登録表示)を付すことが、商標法上、努力義務とされています。

これらの表示は、登録済みであることを明示するもので、付けなかったとしても直ちに権利行使ができなくなるものではありません。もっとも登録済みであることを第三者に明示することで、模倣や無用なトラブルの防止につながる場合があります。

商標権の更新と維持管理のポイント

商標権は適切な時期に更新手続きを行うことで、半永久的に権利を維持することが可能です。

存続期間と更新時期

商標権の存続期間は、設定登録日から10年間です。その後も、10年ごとに更新手続きを行うことで半永久的に権利を維持できます。

更新申請は、存続期間満了日の6か月前から可能です。満了日を過ぎても、更新登録追納期間(6か月間の猶予期間)があり、この期間内であれば特許庁費用を追加納付することで更新が可能です(下図参照)。

なお、特許庁費用は10年分を一括納付するほか、5年ごとの分割納付も可能です。

図:更新の流れ

住所や会社名などに変更がある場合

商標権の登録情報が実際の情報と異なっている場合、後の手続きや権利行使に支障を来たすおそれがあります。そのため、下記のような変更が生じた際には、知財担当者や依頼している代理人へ速やかに連絡することが重要です。

  • 住所の変更
  • 会社名の変更(合併、会社分割含む)
  • 担当者の変更
  • 連絡先の変更(電話、FAX、メールアドレス)
  • 商標権の譲渡

これらの手続きを適切に行うことで、権利行使やライセンス契約、更新登録等を円滑に進めることができます。

商標登録後の知財戦略は専門家と一緒に検討を

商標登録はブランド保護の「ゴール」ではなく、「スタート」にすぎません。

登録後は、商標権の効力が及ぶ範囲を正しく理解したうえで商標を適切に使用し、不使用取消のリスクを意識した管理を行うこと、そして更新や各種変更手続きを確実に行うことが重要です。

特にスタートアップや新規事業では、サービス内容や社名、ロゴ等の変更が生じやすく、知らないうちに登録内容と実態がずれてしまうことが少なくありません。その結果、商標権を十分に活かせない場合や、将来的な資金調達や事業提携の場面で問題となるケースもあります。

商標権は正しく管理・活用することで、事業の信頼やブランド価値を支える重要な資産となります。

法律事務所ZeLoでは、スタートアップ・新規事業者の皆様を中心に、商標登録後の管理、更新対応等のサポートを行っています。

商標に関してお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

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