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インドネシアでの事業展開について

海外投資家にとって巨大な市場の一つである、インドネシア。東南アジア最大の経済大国に位置付けられ、かつ政府がインフラ開発等様々な政策を改善し、対外投資を促進しています。しかしインドネシアには独特で複雑な規制や政府監査システムが多く存在しているため、インドネシアへの投資に対してハードルが高いのも事実です。本記事では、インドネシアへの投資において、許可されている2種類の事業体に関する情報を中心に、概要をお伝えします。

インドネシアでの事業展開について
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PROFILE
フィエスタ ヴィクトリア

インドネシア法弁護士

フィエスタ ヴィクトリア

2006年ペリタ・ハラパン大学卒業。2019年法律事務所ZeLo参画。 主な取扱分野はM&A、ジェネラル・コーポレート、人事労務、フィンテックなど。 インドネシア支持者協会PERADIのプロフェッショナル会員であり、執筆も数多く手掛けている。ALB Women in Law Awards 2021 - Business Development Lawyer of the Year を受賞。

はじめに

インドネシアは、海外投資家にとって巨大な市場であり、世界で4番目の人口(中国、インド、米国に次ぐ)を誇る大国である。そして多くの特色を持ち、豊富な天然資源を有している。インドネシアは近年、経済成長率5%を超える着実な成長を遂げており、これはインドネシアが東南アジア最大の経済大国に位置付けられる要因の一つである。最も注目すべきは、近年、インドネシア政府が対外投資を促進するために、インフラ開発を始めとして様々な観点から政府の政策を改善してきている点である。たとえばインドネシアは、2019年3月に最初のジャカルタ都市高速鉄道(MRT)の運営を開始した。このように、インドネシア政府は、法の執行機関の運営の改善も並行しながら、外国人投資家にとって新たな事業機会の開拓と柔軟な投資運用機会の提供を目的としている。

政府の投資政策面での取組の一つとして、オンライン・シングル・サブミッション(OSS)システムの導入と実施が挙げられる。従来のシステムは、多種のビジネスライセンスの申請を様々な政府機関を介して手作業でおこなっていたため時間がかかり、申請者にとって費用対効果が低かったが、OSSシステムはそれらの申請を電子的に統合しているため、より透明性が高くなり、統合された投資環境を整備することができる。

このように顕著な変化が見られるにもかかわらず、インドネシアでの起業あるいは新規事業の創出は、特に同国内での経験がなく、拠り所となるコネクションや信頼できるネットワークがない限り、海外の投資家にとって非常に難しい課題となり得る。また、インドネシアには、独特かつ非常に複雑な規制、そして政府監督システムが存在する。すなわち、ビジネスの種類、取引、会社のステータス(株式公開をしているか否か)、立地(中央または地方)に応じて、多くの規制がある。そして、政府の監督当局も、そのような要因に応じて区分されている。そのため、法的な面からもビジネスの面からも、適切な助言と実践的な解決策を提供するための経験豊富で有能なコンサルタント、顧問先を選択することが極めて重要である。本記事では、インドネシアへの投資に関する基本的な情報についてのみ説明する。

概ね、インドネシアにおいて、海外投資家が事業活動または特定のプロモーション活動を行うことを許可されている2種類の事業体とは、(1)外国投資有限責任会社(またはPT PMAとして知られている)、および(2)駐在員事務所(インドネシア語ではKantor Perwakilan Perusahaan AsingまたはKPPA)である。

外国投資の制限

(1)については、海外投資家は、対外投資/株式参加のために開放されている事業部門/活動の種類、および外国株式参加の基準(もしあれば)を遵守する必要がある。

インドネシア政府は、随時、「インドネシア投資ネガティブリスト(Daftar Negatif Investasi/DNI)」として知られているリスト(詳細には、投資のために完全に限定されている事業(中小企業向けに確保されている事業を含む)、または一定の条件の下で投資のために開放されている事業(Klasifasi Baku Lapangan Usaha IndonesiaまたはKBLIとしても知られている)を定めることでこの制限を規定している。例えば、(a)外国人所有権の制限、(b)現地パートナーシップの要件、(c)許可された場所の制限、(d)特別ライセンスの要件などである。

※2019年初めに、インドネシア政府は現在の「インドネシア投資ネガティブリスト」を修正して、より多くの事業部門で外国資本による完全な保有が可能となるよう計画し、インドネシアにおける外国投資の成長を支援するためのもう一つの行動計画を示していた。

2つの事業体間の一般的な比較

外国投資会社またはPT PMA外国駐在員事務所またはKPPA
事業内容BKPMにより承認され、定款の対象となる事業活動に特有のものプロモーション、市場調査、地域代表
選択肢基準インドネシアで商業活動をしたい(収入を得たい)投資家市場調査、ネットワーキング、プロモーションに従事したい企業。利益や収益を上げたり、直接販売したりすることは厳しく禁じられている。
外国人持株制限「インドネシア投資ネガティブリスト」によって異なる株式の制限はない
最低総投資額 土地・建物を除くIDR100億以上 ―特定の要件を満たす不動産部門(払込済資本金IDR 25億以上の投資計画)を除く

※注)
事業部門によっては、より高い投資額が必要となる場合がある。
要件なし
メリット・事業区分内で独立した連携として運営
・特定の事業活動から収入を得ることができる
・株主に対する負債の限度額は、会社の資本投入額を上限とする
・資本の要件なし
・設立にかかる時間が短い
デメリット最低資本金の要件・マーケティング、ネットワーキング、プロモーション以外の商業活動を行ってはならない。
・最長5年間、承認により延長可能
就労許可外国人株主、取締役、委員、労働者に可能代表者に可能、外国人労働者とインドネシア人労働者の最低比率が満たされている限り、外国人労働者にも可能
設立時期3~4週間(行政免許を除く)1~2週間、完全な要件を満たす場合

本記事は、当事務所のFiesta Victoria 外国弁護士(インドネシア、日本では未登録)による英語記事 “DOING BUSINESS IN INDONESIA” を野村諭弁護士・ニューヨーク州弁護士が和訳した記事です。英語版と日本語版に何らかの齟齬があった場合、英語版が優先するものといたします。

本記事の情報は、法的助言を構成するものではなく、そのような助言をする意図もないものであって、一般的な情報提供のみを目的とするものです。読者におかれましては、特定の法的事項に関して助言を得たい場合、弁護士にご連絡をお願い申し上げます。

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