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創業3年目のZeLoに飛び込んだ理由

2019年8月、新たに弁護士の官澤康平がZeLoのメンバーとしてジョインしました。今まで携わっていた業務や、2019年8月当時、創業3年目だったZeLoに参画した理由、そして今後のキャリアについて、インタビュー形式で語っていただきました。(この記事は、2019年9月24日時点のヒアリング内容情報に基づいて作成しております。)

創業3年目のZeLoに飛び込んだ理由
PROFILE
官澤 康平

弁護士、パブリック・アフェアーズ部門統括

官澤 康平

2011年東京大学法学部卒業、2013年東京大学法科大学院修了、同年司法試験合格。2014年弁護士登録(第一東京弁護士会所属)、同年長島・大野・常松法律事務所入所。2019年8月法律事務所ZeLo参画。主な取扱分野は、M&A、ルールメイキング/パブリック・アフェアーズ、ジェネラル・コーポレート、訴訟・紛争、危機管理・コンプライアンスなど。執筆に「総会IT化を可能とするシステム・技術への理解」(ビジネス法務2020年12月号)、『ルールメイキングの戦略と実務』(商事法務)、『実践 ゼロから法務!―立ち上げから組織づくりまで―』(中央経済社)など。

ZeLoに参画する前の業務内容を教えてください。

以前働いていた事務所では、取り扱う業務分野毎にグループが分かれていたのですが、M&A・コーポレート分野の業務を取り扱うグループに所属していたので、M&Aの法務DD、契約書作成・交渉や、クライアント企業の日々の法律相談への対応といった業務を中心に行っていました。M&Aやコーポレート分野の業務しか取り扱えないというルールがあるわけではないので、これらの業務のほかにも、クライアントの依頼内容に応じて、訴訟対応、債権回収、ファイナンス分野の相談、危機管理対応など様々な業務に取り組んでいました。

ZeLoに参画することとなった経緯を教えてください。

前の事務所では、規模の大きいM&Aや、複雑な案件なども多く、どの業務もとてもやりがいがありました。その一方で、社内でどのような議論がなされたのか見えない状況で、ビジネスを進めるための最終段階の法的判断を求められることや、こちらのアウトプットが社内の意思形成でどのように活用されているのか具体的に見えないこともありました。もちろん、そうではない案件もたくさんありますし、外部の弁護士が社内の細かな意思形成過程を知る必要はないという意見もあると思いますが、クライアント企業内部のロジックや考えを知った方が実態に即した適切なリーガルサービスを提供できると考えているので、もっと多くの案件で、よりクライアントに近い立場でクライアントの生の声に接しながら仕事をしたいという思いを抱くようになりました。

また、2018年の春に、News Picksが企画した水野祐弁護士の「ルールメイキング思考」というゼミに参加したのですが、そのゼミで、水野弁護士の講義とゼミ生による発表を中心に、技術の発展を法が後追いするという「法の遅れ(Law Lag)」が最も大きいと考えられる現代におけるルールメイキングも視野に入れた思考の重要性を学びました。「ルールメイキング」や「戦略法務」という言葉をここ数年よく耳にするようになり、人によって言葉の使い方が異なるようにも思いますが、私自身は、Law Lagにより法が予定していなかった分野へのアプローチ方法の構築という意味合いでルールメイキングを理解しています。既に存在する法律についてあり得る解釈を提示するという方法は多くの弁護士が実践している方法だと思いますが、「違法と判断されるリスクも否定できないので、保守的に考えれば違うスキームを考えた方がよい」という一方的なアドバイスのみを提示するだけではなく、規制をクリアできる可能性の高い別のスキームの構築、グレーゾーン解消制度や規制のサンドボックス制度の活用、さらにはロビイングの際の説得的な論拠の提示など、弁護士としてクライアントである企業と協働して行えることがたくさんあると感じ、このような業務に積極的に取り組んでいきたいと考えるようになりました。

そんな中で、ZeLoの小笠原弁護士が企業の内部の立場から経営者に関与しているという日経の記事を読み、クライアントに近い立場で仕事をするという自分がやりたい形で仕事のできる事務所なのかな、と興味を持つようになりました。以前から知り合いだった南弁護士もZeLoでルールメイキングに関わっているという話も聞いていたので、南弁護士や、南弁護士を通じて紹介してもらった小笠原弁護士、角田弁護士とお話をさせていただきました。何度かお話をする中で、事務所のビジョンに共感できる点が多いと感じ、自分が実践したい働き方、業務への取り組みができる事務所だと考え、ZeLoに参画することに決めました。

実際にZeLoに参画してみてどうですか?

2019年8月にZeLoに参画して1か月ほど経ちましたが、参画する前に想像していたとおり、クライアントに近い立場で仕事ができていると感じています。また、ルールメイキングの思考が必要になる業務もこれまで以上に多く、企業が直面している法的な課題の解決策を日々検討しているという状況です。Legal Techを取り扱うLegal Forceが身近にあるのも新鮮で、Legal Techの台頭、クライアント企業が使用するITの多様化、裁判の電子化が進められている状況で、これからの弁護士業務はテクノロジーを取り入れていくことが必須になるので、新しい技術に接しやすい環境にいるということはとても刺激になります。

参画して意外だったのが、思っていた以上にM&A業務が多いことです。大規模なものから小規模なものまで様々ですが、前の事務所で培った知識や経験が最も活きる分野だと思いますので、M&A業務にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

所属する弁護士、パラリーガル、スタッフは、一人一人自分がやるべきことを意識していて、熱量を持って仕事をしていると感じます。弁護士同士の距離も近く、相談や議論などがし易く、労働環境という意味ではかなり働きやすい職場だと思います。

今後の展望を聞かせてください。

クライアントに近い立場で仕事をしたいという思いが強いので、クライアントから信頼され、相談しやすい弁護士になり、経営者やビジネスパーソンの懐刀のような存在になっていきたいと考えています。

信頼される弁護士になるためには、これまでどおりに一つ一つの仕事を丁寧に考え抜くことが重要だと思いますが、相談しやすい弁護士になるためには、自ら積極的にクライアントにかかわりを持つ必要があると考えています。自分の周囲には当たり前ですが弁護士として働いている人が多いのであまり実感がないのですが、ビジネスパーソンであるかを問わず、他の分野の方とお話をしていると、弁護士は硬い人が多くて気軽に相談しにくいイメージがあるという声に接することがあります。仕事をまじめに取り組むという意味での固さはもちろんありますが、弁護士も中身は普通の人間なので、そのあたりのイメージを変えられるように努めていきたいと思っています。

法律事務所ZeLo・外国法共同事業をクライアントにとってより身近で信頼できる法律事務所にしていくために、日々研鑽していこうと思います。

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