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インドネシアでEコマース事業を行う際の注意点、外資系企業に必要となる要件とは?

2020年11月19日、インドネシアで電子商取引に関する政府規則2019年第80号の施行規則である「商業大臣規則2020年第50号」が施行されました。本記事では、外資系の電子商取引企業がインドネシアでビジネスを行う際の要件について、本規則において変更されている点や、規則の理解の前提となる用語を解説しています。

インドネシアでEコマース事業を行う際の注意点、外資系企業に必要となる要件とは?
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PROFILE
フィエスタ ヴィクトリア

インドネシア法弁護士

フィエスタ ヴィクトリア

2006年ペリタ・ハラパン大学卒業。2019年法律事務所ZeLo参画。 主な取扱分野はM&A、ジェネラル・コーポレート、人事労務、フィンテックなど。 インドネシア支持者協会PERADIのプロフェッショナル会員であり、執筆も数多く手掛けている。ALB Women in Law Awards 2021 - Business Development Lawyer of the Year を受賞。

商業大臣規則2020年第50号とは

商業大臣規則2020年第50号は、インドネシア共和国商業省(MOT)が、電子システムを通じた取引における事業の許認可、広告、開発および事業者の統括に関して定めたものです。

この施行規則は、後述するように、外資系電子商取引プラットフォーム・プロバイダ、オンライン仲介サービス・プロバイダ、外資系オンライン業者に対して、ライセンス許認可や登録要件を含む一定の要件を遵守することを義務付けているため、外資系の電子商取引企業がインドネシアでビジネスを行う際の要件が変更されています。

外資系電子商取引プラットフォーム・プロバイダ

「電子商取引プラットフォーム・プロバイダ」とは、電子商取引で使用される電子通信/取引を容易にするためのプラットフォームを提供する電子商取引業者のことをいいます。

商業大臣規則2020年第50号に基づき、以下の基準を満たす外資系電子商取引プラットフォーム・プロバイダは、インドネシアに現地駐在事務所を設立または任命し、外資系商社代表者営業許可証(Surat Izin Usaha Perwakilan Perusahaan Perdagangan Asing)を取得しなければなりません。

  • 1年以内にインドネシア国内の1,000人以上の消費者への販売

または

  • 1年以内にインドネシアの消費者に 1,000 個以上のパッケージを出荷している

上記に加えて、海外および国内の電子商取引プラットフォーム・プロバイダは、通信情報省に電子システムの登録をする必要があります。

外資系オンライン業者

「外資系オンライン業者」とは、(i) 自らが作り、運営する設備、(ii) 電子商取引プラットフォーム運営者が所有する設備、または (iii) 電子商取引を円滑に進めることができる他の電子システムを使用して電子商取引を行う当事者のことをいいます。

商業大臣規則2020年第50号では、外資系オンライン業者のライセンス許認可または登録要件は、電子商取引を円滑に行うために使用される電子商取引プラットフォームの種類によって異なる場合があります。現在のところ、国内の電子商取引プラットフォーム・プロバイダを介して取引を行う外資系オンライン業者のみが、関連するインドネシアの電子商取引プラットフォーム・プロバイダにビジネスライセンス(本国当局が発行したもの)を提出する必要があります。

自営の電子商取引プラットフォームまたは第三者の外資系電子商取引プラットフォーム・プロバイダを介して電子商取引を行う外資系オンライン業者に対しては、明確なライセンス許認可または登録要件はありません。これについては、MOT関係者の間で今後さらに議論されることになります。

仲介サービスプロバイダ

「仲介サービスプロバイダ」とは、電子通信関係者(テレコミュニケーション業者を除く)のことをいいます。これは単に仲介者としての役割を果たしているに過ぎない、検索エンジン、ホスティングまたはキャッシュプロバイダを含みます。

商業大臣規則2020年第50号により、非免除の外資系仲介サービスプロバイダは、電子システム(Surat Izin Usaha Perdagangan Melalui Sistem Elektronik)を介してトレーディング事業免許を取得する必要があります。以下の基準に該当するサービス仲介業者(国内外問わず)は、電子システムを介してのトレーディング事業免許の取得が免除されます。

  • 取引によって直接的な利益を受けていない場合

または

  • 電子商取引当事者間の契約関係に直接関与していない場合

さらに、商業大臣規則2020年第50号では、電子商取引事業者に対するライセンス許認可要件やオンライン広告に関する要件の厳格化、国内外の電子商取引プラットフォーム事業者に対して顧客のクレームに対応するサービス提供を義務付けるなど、消費者保護の向上が図られています。

本記事は、当事務所のFiesta Victoria 外国弁護士(インドネシア、Not admitted in Japan)による英語記事 “Foreign E-commerce Activities in Indonesia” の和訳記事です。英語版と日本語版に何らかの齟齬があった場合、英語版が優先するものといたします。

本記事で提供されている情報は、法律上のアドバイスを提供するものではなく、一般的な情報提供を目的としています。本記事をもとに、特定の法的問題に関してアドバイスをご希望の場合は、弁護士にお尋ねください。

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