「IPOならZeLo」と言われるように──東証を経験し、ZeLoに参画した伊東弁護士が見据える未来
東京証券取引所での経験を経て、法律事務所ZeLoのIPO部門を立ち上げた伊東祐介弁護士。日本政策投資銀行や東京証券取引所における勤務経験を活かし、新たなキャリアをスタートさせた伊東弁護士に、転職の経緯やIPO部門への思いを聞きました。
鳥飼総合法律事務所入所後、株式会社日本政策投資銀行企業戦略部(M&Aアドバイザリー業務)、株式会社東京証券取引所上場部(適時開示制度構築・運用業務)、日本取引所自主規制法人上場審査部(上場審査業務)での勤務を経て、2023年法律事務所ZeLo参画。主な取扱分野はIPO、IR、M&A、ベンチャー・スタートアップ法務、訴訟/紛争解決など。著書・論文に『新規株式上場の実務と理論』(商事法務、2022年)、「適時開示制度の概要(前編・後編)」(月刊監査役673、675号)など多数。株式会社サカイホールディングス(東証スタンダード市場9446)社外監査役、株式会社リオ・ホールディングス社外取締役等を兼任し、上場会社及び上場準備会社の社外役員として法務・ガバナンスの観点から助言・監督機能を担っている。
目次
ZeLoでIPO部門を立ち上げるまでの様々なキャリア
──まずは伊東さんのご経歴を教えてください。
大学卒業後は新卒でNTTドコモに入社し、約5年間会社員を経験した後、法科大学院に進み、弁護士になりました。鳥飼総合法律事務所という税務と企業法務を専門とする法律事務所で弁護士としてのキャリアをスタートさせました。その後、日本政策投資銀行(DBJ)の企業戦略部への出向や東京証券取引所の上場部、日本取引所自主規制法人上場審査部における勤務を経験し、鳥飼総合に帰任して顧客獲得及び案件処理の業務を中心に行った後、2023年4月に法律事務所ZeLoに参画しました。入所後は、これまでのキャリアを活かしてIPO部門を立ち上げて統括を務めています。
──弁護士という職業を選んだきっかけは何だったのでしょうか。
NTTドコモ時代に訴訟に関与する仕事に携わったことが一番のきっかけです。携帯電話料金や携帯電話本体代金の未回収料金について、少額訴訟の担当をしていました。当時沖縄本島、宮古島、石垣島などの離島の案件を担当しており、現地の簡易裁判所に行き、裁判官や司法委員の関与を受けながら債務者と交渉をするなど、法律の仕事に関わる中で専門性を深める面白さを感じました。そこで一念発起し、司法試験に挑戦してみようと考えたのが始まりです。
──ZeLoに参画するまでのキャリアで、特に印象に残っている経験はありますか。
IPOとは少しずれてしまうのですが、DBJでのM&A業務が非常に印象に残っています。特に中国企業とともにDBJが日本の企業に投資する案件では、DBJの立場で投資案件のプロジェクトマネジメント業務を担当しました。中国企業、日本企業、DBJの3社間で調整を行い、投資契約の交渉を進めました。当時は今以上に英語が得意ではなかったのですが、会議運営やタームシートにおける交渉は英語で行われ、大変苦痛を感じながらも何とかやり切りました。M&Aの実行を担当する当事者として、契約書の作成、交渉、締結まで最前線で業務を遂行したことに加え、クライアントの立場で弁護士に業務を依頼する役割を担えたことは大変貴重な経験でした。
その一環で中国の現地査察にも同行させてもらいました。中国のビジネス慣行とお酒には強い結びつきがあるとよく言われますが、当時私も先方企業の役員から紹興酒を勧められて、とにかくたくさん飲んだこともいい思い出になっています(笑)

IPO部門を立ち上げた理由―企業の成長を後押しできるやりがい
──伊東さんが現在統括を務めているIPO部門について教えてください。
IPO部門では、IPOを目指す企業の支援を行っています。具体的には、上場準備中の企業への法的助言、上場審査に向けた法務デューデリジェンス・法律意見書の作成を中心としつつ、上場に向けた全般的なコンサルティング業務を行っております。また、上場準備に関連する問題の調査委員会の業務も行っており、最近では上場準備中の企業で発生した会計に関する疑義が生じた案件について、外部の不正調査委員会を組織し、ZeLoにて対応しました 。
──これまでのキャリアでは、上場準備やIPO関連の業務について、どのような経験を積んできましたか。
上場準備やIPO関連のキャリアとしては、東京証券取引所と日本取引所自主規制法人への出向の経験があります。東京証券取引所では、上場部で適時開示制度の構築・運用業務を担当し、その後日本取引所自主規制法人の上場審査部に移りました。上場審査部では、上場準備企業の審査を担当しました。
当時、上場審査部に所属する弁護士は私一人だったため、法律問題については基本的に私が対応し、上場申請時に法律事務所が提出する意見書のレビューも多数行いました。400社以上の上場申請会社および上場会社に東証側の担当弁護士として関与できた経験は現在のIPO部門統括を務めるうえで大変有意義なものになっています。
──IPOをサポートする中で、やりがいを感じるのはどのような点でしょうか。
企業の成長を後押しできていると実感できたときにやりがいを感じます。IPOは企業の成長におけるひとつの到達点であり、経営者にとって重要な目標です。企業が成長することで関与する人も増え、雇用も生まれ、取引も拡大していきます。そうしたポジティブな影響を後押しできることは、紛争解決が基本業務である弁護士の職域としては珍しい種類であると感じており、弁護士がIPOに関与することには大きな意義があると感じています。
また、IPOの分野は法律・会計・事業の観点全てが必要であることから幅も広く、深みもあるので、一生をかけるに値する仕事だと思っています。

ZeLoは攻めの法律事務所。だからこそ選んだ
──ZeLoを選んだ決め手は何でしたか。
東証から鳥飼総合に復帰した後、駆け出しのパートナーとしてそれなりに顧客基盤に恵まれ、M&A支援や顧問業務を行い充実した日々を過ごしていましたが、IPO支援により注力して専門性を高めたいと考えていました。そのような中、縁があって、代表の小笠原弁護士と話をする機会があり、私がやりたいこととZeLoが必要としていることがマッチし、ZeLoへの移籍を検討し始めました。
ZeLoはスタートアップ支援に力を入れている事務所であるため、スタートアップ企業が目指すIPOに関するノウハウを必要としてくれていた背景があり、 私としてもZeLoでIPO部門を作って自分のチームを構築できるということで、新しいチャレンジできることが魅力でした。
また、淡々と定年まで働くような伝統的な法律事務所よりも、攻めの姿勢で革新を目指す新興の法律事務所の方が、私のビジョンと一致していると感じたことも、ZeLoを選んだ決め手の一つです。
──ZeLoだからこそできた業務はありますか。
先ほど触れた、上場準備会社の外部調査委員会の案件は、関係者が多く、当初は調査対象や手法の選定も不確定で簡単ではない大がかりな案件でしたが 、ZeLoだからこそ成功したと感じています。
弁護士8名・パラリーガル7名の計15名でチームを編成し、約3ヶ月間かけて対応しました。膨大な資料や関係者から調査目的に関係する事実を抽出・精査し、報告書に反映するという、極めて地道かつ緻密な調査と検討が必要とされる業務でした。ZeLoのチームの熱意と結束力があったからこそ期限内に高い品質を備えた形で仕上げることができたと感じます。
最終的な調査報告書は、提出先の関係者から一定の評価をいただきました。実際、調査報告書のクオリティが低ければ、関係者が当該報告書を判断の根拠に使用してもらえないこともあるので、期限内に高品質なものを提出できたのは、本当にZeLoの仲間のおかげだと思っています。
また、広報・マーケティング部門やインサイドセールス部門などの支援体制があるため、対外的な発信も強化できています。大手の証券会社や経営者が集うコミュニティにおけるセミナー開催など、私一人では繋がれなかったところとの連携も実現しています。ZeLoは常に攻めの姿勢で拡大志向があり、私の力を何倍にも増幅してくれる環境だと感じています。
「IPOならZeLo」というポジショニングを確立したい
──ZeLoで実現したいキャリア目標や挑戦してみたいことはありますか。
IPO部門を数十人規模のチームに拡大し、法律事務所でIPOコンサルティング部門を持つという前例のない取り組みを成功させたいと考えています。弁護士、会計士、証券会社出身者、IPOコンサルタントなど、多様な専門家が集まるチームを組成し、ローファームでありながらもIPOをワンストップで支援できる体制を構築したいです。
また、現在複数社の社外役員を務めていますが、この社外役員業務も重点的に力を入れて取り組んでいきたいと考えています。会社の経営に関わることで多角的な視点を得られるため、弁護士としてもIPO支援の専門家としても大きく成長できる分野だと思っています。
最終的には、「IPOならZeLo」とIPO準備会社に認識してもらえるようにポジショニングを確立し、東証は勿論、証券会社や監査法人などの市場関係者からも高い評価を得られる法律事務所を目指したいです。
──ZeLoで働く魅力について、入所を検討している方へのメッセージをお願いします。
ZeLoは自分の力を何倍にも増幅してくれる環境があります。私が理想とする法律事務所は「所属弁護士の一人一人がいつでも独立できるけれど、あえて組織に残る選択をし続ける組織」です。売上もあり、案件遂行能力も高い人が選択して残り続ける組織が理想だと思います。
ZeLoは若い組織ではありますが、伝統的な大企業からアーリーステージのスタートアップ企業までバラエティに富んだクライアントに支えられていることから、多様な経験を積むチャンスに恵まれており、プロフェッショナルとして大きく成長できる環境だと感じています。
IPOの分野は特に、多くのスタートアップ企業の一つの到達点であるIPOを支援するという意義深い仕事ができます。法律の知識を活かしながらも、法律の領域にとどまらず、会計や事業面から、総合的に企業価値を高めるサポートができる点にやりがいがあります。チャレンジ精神を持ち、企業の成長に貢献したいという思いがある方には、ぜひZeLoのIPO部門で一緒に働いていただきたいと思います。

※掲載内容は掲載当時のものです(掲載日:2026年1月8日)
(文:スイセイ、写真:根津 佐和子)