業界:サービス業 従業員数:124名(2024年3月時点)
BtoB、BtoC事業を同時進行で拡大。法務部門の組成で企業としての判断軸を明確に
長野 : 本日はよろしくお願いいたします。改めて、貴社の事業内容やビジネス領域について教えていただけますでしょうか。
大南 : 当社はコミュニティデータプラットフォーム事業を展開しています。複数の事業がありますが、大きく分類すると、一般消費者様向けの「コンシューマー事業」と、SNS上で取得したデータを活用したい企業様向けの「エンタープライズ事業」に分かれます。
一般消費者様に対してはメディアの運営や商品の販売、企業様に対してはSNSを活用したコンサルティングサービスの提供を中心に取り扱っています。SNS上で取得したデータを当社の中に集約しているので、そのデータを活用して、エンタープライズとコンシューマー双方の事業を同時進行でグロースさせているところが当社の特徴だと思います。
長野 : 特にコンシューマー事業は、アパレルや化粧品などをはじめ、様々な商材を取り扱っていらっしゃると思います。その分、法務としてもかなり幅広い領域の対応が求められますよね。
松山 : おっしゃる通りです。まずは「この商材の適用法令は何か」を考えるというところから始まります。未知数なところも多いので、ZeLoさんにもサポートいただきながら日々対応を進めています。
長野 : 次に、貴社の法務体制についても詳しくお伺いさせてください。
大南 : 現在は、松山を含め3名体制で法務を担当しています。私が入社した2022年7月時点では法務担当がいなかったので、私ともう1名で契約書のチェックや日々のSNS投稿の確認をおこなっているような状態でしたね。そのためタイムリーなチェックもなかなか難しく、法務の専任人材の必要性を感じていました。
同時に、取締役陣を中心に取締役会の運営や上場準備も進めているところでしたので、このカオスな状況を楽しみながら補強してくれる人材を採用できたらなと考えていました。色々な方にお会いしたのですが、なかなか採用には至らず…。そんな中、松山に出会いました。
長野 : 松山様はいつ頃ご入社されたのですか。
松山 : 2023年4月に入社しました。ロースクールを卒業後、12年ほど企業の法務部員として働いていましたが、自分のキャリアを見つめ直す中で「上場準備に携わりたい」という思いから転職を志し、ライスカレーに出会いました。
大南 : 1時間半ほどの面接で、業務の話からプライベートの話まで大いに盛り上がり、一緒に笑って一緒に働いているイメージが湧きました。この方しかいないと思い、初回の面談で熱烈にオファーをしました。松山の入社によって、これまでは事業部で意思決定していた部分も、社内の法務部門としての明確な判断軸ができたので、とても助かっています。
長野 : 現在は3名体制とのことですが、メンバーの増員に至ったきっかけなどはありますか。
松山 : 業務量と対応領域の大幅な拡大がきっかけです。日々の契約書チェックやSNS周りの投稿チェック、大南が言ったような取締役会や株主総会等の書類作成、上場してからは株式対応…と、一人でもなんとか対応はできるものの、社内のルール作成までは手が回らない状況でした。そんな中、ちょうどご縁があり異動してくれるメンバーがいたので法務部にジョインしてもらいました。
長野 : 現在はどのような体制で業務を進められているのですか。
松山 : 2名のうち1名はある程度コーポレート業務に携わったことがあったので、 親和性の高い業務はまずそのメンバーに引き継ぎ、そのメンバーからさらにもう1人のメンバーにレクチャーをしてもらっています。規程の整備など、2名とも初めての業務については私が2名一緒に育成しています。
官澤 : 上場をしてさらに法務の業務内容も増えていくと思いますが、今後のチーム作りのイメージなどはありますか。
松山 : たくさんある業務を分類してそれぞれのメイン領域を定めつつ、ベーシックな業務については一通り自走できる体制を整えていきたいですね。
教育のノウハウみたいなものがまとまってきたらさらに人員を拡大し、メンバーからさらに新しいメンバーにレクチャーしていくという仕組みも作っていきたいです。
官澤 : 仕組み作りという観点では、ZeLoでは法務部の立ち上げや整備をサポートさせていただくケースも多いです。今後は、体制構築のノウハウや社内研修など、教育の部分でも貴社をサポートしていければと思います!
成長フェーズやニーズにあわせて柔軟に活用
長野 : 貴社とは3年以上のお付き合いになりますね。IPOのデューデリジェンス(DD)のご支援から担当させていただき、上場審査の過程、そして2024年6月の東京証券取引所グロース市場へのご上場にも携わらせていただき、私たちとしても大変嬉しく思っています。改めてですが、この度はおめでとうございます!
官澤 : 本当におめでとうございます!上場セレモニーにもご招待いただきありがとうございました。
大南 : ありがとうございます!最初はデューデリジェンスからだったんですね。
官澤 : 大南様ご入社前の時期でしたが、最初にスポット対応でDDを実施させていただき、DDで確認した事項について改善方針の検討や対応などの上場準備全般については顧問サービスでご支援させていただきました。その他、日常的な法務のご相談もいただいております。
ライスカレー様の上場セレモニーの様子。ZeLoの長野と官澤もご招待いただきました。(右端)
長野 : 3年間の中で変わってきたことも多いと思いますが、ZeLoをどのようにご活用いただいているか教えていただけますか。
大南 : 当初は社内に法務担当がいなかったので、最初の方はかなり実務寄りなご相談が多かったと思います。事業部のメンバーと直接やり取りしているSlackのチャンネルもありましたね。
長野 : そうですね。当時はまだ松山様のご入社前でしたので、 事業部の方と直接やり取りさせていただくことが多かった記憶があります。利用規約の整備や契約書のレビューの他、ウェブサイトや広告の表現チェックなどをご依頼いただいておりました。
大南 : 非常に実務寄りですね。
長野 : そうですね。大南様と松山様がご入社された頃から、貴社内で整理いただいたうえでご相談いただく機会が増えた印象があります。
松山 : 事業部からの依頼や質問も、今は一旦法務で取りまとめています。私で判断できる内容でしたら社内で対応して事業部に戻しますし、判断に悩む場合や込み入った相談の場合は、ZeLoさんに相談しています。ノウハウがたまってきたので、社内向けの相談マニュアルのようなものも作成していきたいですね。
大南 : 最近は法務の体制も整いはじめ、足元の課題はある程度社内で解決できるようになってきました。一方で、例えば成長戦略に掲げているM&Aなどに対しては、今後ぜひアドバイスを伺いたいと思っています。
長野 : おっしゃっていただいたとおりで、今年一年だけでも ご依頼いただく内容が大きく変化した印象です。
大南 : 確かに、上場企業としての成長戦略や戦術に関するご相談が増えてきていますね。
綿密なコミュニケーションで、IPO前後も迅速かつワンストップに連携
長野 : ZeLoをお選びいただいたきっかけや、評価いただいている点があれば教えてください。
大南 : IPO支援も依頼できる法律事務所を探していたところZeLoさんをご紹介いただいたと聞いており、そこからずっとお世話になっています。
迅速な対応や判断が求められる場合でもスムーズにご対応いただけるところが本当に助かっていますね。皆さんがいなかったら僕らもここまで来られていないなと思います。
松山 : 当社の事業に対してもすごく理解してくださっていますし、チャレンジングな案件に対しても柔軟に対応してくださっているので、事業の成長につながっていると思います。
大南 : そうですね。当社の事業に寄り添ったご提案もしてくださいますし、一方で、フラットにご回答いただけるところもあり、自分たちの頭脳の拡張ができているなという感覚がありすごく助かっています。
長野 : 「お客様のビジネスに寄り添う」ことはZeLoで最も大事にしているポイントなので、そのようにおっしゃっていただけてとても嬉しいです。スピード感についても、どの事務所にも絶対に負けないようにという意識を常に持つようにしています。
大南 : 上場審査の時もそうでしたが、案件によっては緊急度が突然上がるケースもあるので、そんな中でもいつもスピーディーにご回答いただけるのはありがたいです。
長野 : 本当にお忙しい時期だったと思うので、多少なりともご負担を軽減できればという思いでした。可能な限り貴社のご対応は最小限で進められるように意識しつつ、一方で上場後のことも見据えてバランス感も意識していました。
大南 : 証券審査や東証審査、随時実施されている取締役会に関する対応のほか、監査法人からの指摘事項への回答など幅広くご対応いただきました。
松山 : どのように回答すれば良いか不安な部分も多かったのですが、ZeLoさんにご相談しながら進められたので心強かったです。
長野 : SNSの投稿内容の細かなチェックもさせていただきましたね。そちらの内容をもとに、貴社内でのルール・基準の作成や社内研修なども実施させていただきました。
官澤 : 上場審査は迅速な対応が求められるケースが多いですが、IPO準備の当初の段階からご支援させていただいたこともあり、弊所としてもスムーズなご連携ができたのではと思っております。チャットツールなどで日々密にコミュニケーションを取らせていただき、弊所としても回答にあたって必要となる情報の連絡をすぐにいただけて大変助かりました。
大南 : IPOという当社にとっての一大イベントを一緒に乗り越えていただいたので、当時も今もとても信頼してお任せできます。
官澤 : ありがとうございます。引き続き二人三脚でサポートさせていただきます!
松山 : また、ZeLoさんには弁護士以外にも司法書士や弁理士の方もいらっしゃるので、こういった観点でもスピード感や連携のスムーズさを感じています。異なる分野の案件であっても同じSlackのチャンネル内ですぐにご相談できるので助かっています。
大南 : 直近では登記やストックオプション(SO)の報酬設計なども相談に乗っていただきましたね。
長野 : ありがとうございます。士業の垣根を超えたワンストップサービスは、ZeLoの強みのひとつです。様々な専門家が在籍していますが、タイムリーかつお客様に最適なサービスを提供することを大切にしています。
上場企業としての戦い方。IRや体制構築、M&Aまで包括的にサポート
長野 : 上場され、さらにビジネスを拡大していくフェーズになっていくかと思います。
大南 : やっとスタートラインに立てたという感覚です。ここからまたさらに成長していきたいです。
長野 : 貴社の成長に少しでもお力添えできるよう、引き続きサポートさせていただきます。今後、ZeLoにサポートしてもらいたい点などはございますか。
松山 : 私は前職でIRの対応経験がありますが、その頃とは開示のルールも変わっているので、「この場合は開示が必要かもしれない」など遠慮なく言っていただけると非常に助かります。
長野 : 上場企業のご支援も多数おこなっておりますので、知見や経験を活かしながら、また新たなフェーズのアドバイスができればと思っています。
松山 : 今までとはまったく違う分野の商品を開発した際に適用法令がどうなるのかなど、当社内だと未知の領域がまだまだあるので、そういった面でも引き続きご相談させていただきたいです。
大南 : 先ほども少しお話しさせていただきましたが、成長戦略としてM&Aにも力を入れていきたいと考えています。 まったく新しい領域にも挑戦していきたいと考えているので、ぜひZeLoさんと協力しながら歩んでいけたらと思います。
官澤 : もちろんです。M&Aも新規事業の立ち上げについても、先端領域を含め幅広い領域で対応実績がございますので、貴社のご意向をお伺いさせていただきながら、対応から体制づくりまで包括的にご提案させてください。
大南 : 我々はSNSの領域でビジネスをしているので、法令が変わっていく部分もありますし、今後M&Aを通じて事業領域が増えてくると、全法令をタイムリーにキャッチアップできる体制をどのように作っていくのか、といったところも課題になってくると思います。 日々アップデートさせていきたいですし、これらにまつわる研修も随時お願いできればと思っております。
官澤 : ありがとうございます。ZeLoには各領域で専門性を持つメンバーが在籍しておりますので、長野と私だけでなく、貴社のビジネスモデルや領域にあわせて事務所全体でご支援させてください!
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※掲載内容は取材当時のものです(取材日:2024年8月2日)
(写真:根津佐和子、取材・文・編集:渡辺桃、阿部あかり)