
インハウスロイヤーからの転向。企業法務の最前線で培った知見でクライアントの課題解決に貢献
インハウスロイヤー(企業内弁護士)として実績を積んだ後、法律事務所に活躍の場を移す事例が徐々に増えてきています。法律事務所ZeLoで働く伊田愛久美弁護士も、かつてはIT企業でインハウスロイヤーとしてキャリアを築いてきました。そこから、更なる成長を求め、ZeLoに移籍。柔軟な働き方が可能な環境で、新たな挑戦を続けています。本記事では、企業から法律事務所への移籍を決意したきっかけ、ZeLoでの業務内容や今後のキャリア、仕事と家庭の両立について聞きました。

Graduated from Doshisha University, Faculty of Law in 2010. Completed the School of Law at Kobe University and passed the National Bar Examination in 2013. Joined Cybozu, Inc. in 2015, where she worked in the Legal and Compliance Department, handling contract review, telecommunications regulations, and J-SOX compliance. In 2018, she joined Mercari, Inc. and registered as a lawyer (Tokyo Bar Association). She was involved in launching new businesses, IPO preparation, corporate reorganizations, designing equity compensation schemes, and supporting overseas subsidiaries. In 2020, she joined ZeLo. Her main practice areas are equity compensation, corporate governance, venture/startup legal matters, general corporate law, labor and employment, and IT/IoT.
多様な経験を積んだインハウス時代
──まずは、伊田さんが弁護士としてどのようなキャリアを積んできたのか教えていただけますか。
司法試験に合格後、法律事務所と企業のどちらで働くのか、かなり悩みました。法律事務所で働くことで弁護士としての専門性を高めるのも魅力的でしたが、企業法務に関わるにあたり、会社の内部で実際の業務を経験することで、クライアントにより具体的で的確なアドバイスができるようになるのでは、という思いもありました。悩んだ末に、社会人としてのファーストキャリアはインハウスという道を選びました。元々IT分野に興味があったこともあり、IT企業のインハウスロイヤーとしてキャリアの第一歩を踏み出しました。
──インハウス時代には具体的にどのような業務を担当していましたか。
インハウスロイヤーとして、これまで2社の企業に勤めました。最初の企業はSaaSを提供する上場企業であり、ビジネスに関連する通信周りの規制対応や契約審査、商事法務分野や内部統制の整備等の幅広い業務に取り組んでいました。事業の安定したSaaS提供会社ということもあり、ビジネスに対する考え方や、社内の仕組み作り、企業法務の基礎等をじっくりと深く学ぶことができたと思います。3年程勤務した後、自分にとって未知の業務分野にチャレンジしたいと思い、2社目の企業に転職しました。2社目の企業には、上場直前のタイミングで転職したため、IPO準備に関連する業務を行ったほか、新規事業の法務対応を担当しました。また、上場後には、株式報酬制度の設計やガバナンス構築にも携わりました。前職と異なり上場直後のステージだったので、0から立ち上げる必要の多い業務も多く、常に新鮮な気持ちで業務に臨むことができました。
──インハウスから法律事務所にキャリアチェンジをするという決断に至った理由を教えてください。
1社目で3年、2社目で7年と、企業内弁護士として経験を積む中で、会社内での事業や経営に関する知識・視点は深めることができたと感じるようになりました。そのような実感を得る中で、弁護士になる際に悩むきっかけとなった専門性を更に高めたいという思いや、もっと幅広い業種・規模の企業のサポートをしてみたいという思いが強くなり、ZeLoに入所することに決めました。
決断を後押ししたZeLoの環境とやりがい
──数ある法律事務所の中から、ZeLoを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
実はZeLoには、前職のインハウスとして働いていた2020年から、副業でかかわりを持っていました。副業だったため業務量は多くはありませんでしたが、ZeLoのメンバーと一緒に働く中で、働き方の柔軟性や社風、そして人柄の良さを実感していました。特に、子育て中の私にとって、ZeLoでもリモートワーク中心の働き方ができるという点は大きな魅力でした。転職期間中に他の事務所も検討させていただきましたが、「やっぱりZeLoがいいな」という思いが勝り、副業からフルコミットへ切り替える形で転職しました。
──ZeLoではどのような業務に関わっているのでしょうか。
今手がけているものですと、IPO準備中の企業への関与や、株式報酬制度を中心としたアドバイスが多くなっています。例えば、一口に株式報酬といっても、ストックオプション制度や事前交付型・事後交付型の株式付与制度などの選択肢があり、また、その中でさらに様々な設計方法があり得るため、従業員満足度を高めるための株式報酬戦略についてご相談をいただくことがあります。このような場合、インハウス時代に培った知識をベースに、他社の事例や世の中のトレンドを確認しながら対応策を一緒に検討しています。
ZeLoでは、スタートアップ企業から上場企業まで、幅広いクライアントをサポートしています。また、医療系の企業からの相談など、前職では全く触れる機会のなかった分野の案件を担当することもあります。もちろん最初は戸惑うこともありましたが、各分野に強みのあるメンバーがいるため、同僚に相談したり、自分で調べたりしながら、一つずつ解決していく過程はとても刺激的で、専門性の高まりや自分の視野の広がりを実感できますね。

──ZeLoで働く中で、インハウスの経験がどのように役立っていると感じますか。
インハウス時代には法律の知識だけでなく、社内のプロセスや関連部署との連携を意識して仕事をしていました。例えば、インハウスでは、法務だけでなく経理やIR、経営管理といった部署と連携して、社内決裁を得てプロジェクトを推進することが多くありました。そのため、ZeLoに移ってクライアントにアドバイスする際に、法律的なアドバイスに加えて、「この部署とこういう形で連携することも考えられますよ」「決裁の観点からはこのようなことが懸念されるかもしれません」といったより具体的な提案ができるのは、インハウスで得た経験があったからだと思いますね。
──社内の組織やプロセスを見据えたアドバイスができるのは、大きな強みですね。他に、経験が活かされていると感じる場面はありますか。
例えば、企業内の課題やトラブルの多くは、外部の弁護士に相談される前に完結することが多いんですよね。そのため、法律事務所で働く弁護士は、相談に来ない業務についてのノウハウが貯まりづらいといえます。
でも、私にはインハウスロイヤーとしてさまざまなことを解決してきた経験がある。そうした経験から得た知識やノウハウは、他の弁護士が持っていない視点として活かせるのではないかと思っています。自分の経験を、同じような課題を抱えるクライアントに具体例として共有できることが、クライアントの課題解決をサポートし、信頼を得ることに繋がると感じています。
柔軟な働き方で実現する、仕事と家庭の両立
──ZeLoではリモートワークメインで働いているということですが、オフラインでの執務と何か違いを感じることはありますか。
法律相談対応という観点からだと、業務内容にもよりますが、基本的にはオンラインの方が、移動時間が省けるため調整がしやすく、効率的であると思います。一方、オフラインの場合は、直接顔を合わせて話すことによってその場の雰囲気を感じ取りやすく、偶発的なコミュニケーションを取りやすいという面があると思います。オンラインとオフラインのどちらにもメリット・デメリットはありますが、オンラインだから不便と感じたことはなく、どちらも使い分けできる環境が魅力的ですね。
──仕事と家庭の両立という面ではいかがでしょう?
とても働きやすい環境です。私の場合、遠方に住んでいるということもあり基本的にリモートワークが可能な働き方にしてもらっています。通勤時間を削減でき、その分を子育てや家事、勤務時間に充てることができます。また、勤務時間も柔軟に調整できるので、子どもの急な発熱などにも対応しやすいです。以前、子どもが入院した際も、同僚がすぐにサポートに入ってくれ、大変助かりました。
──子育て中の弁護士にとって、心強い環境ですね。
はい、本当にそう思います。ZeLoではSlackで常にメンバー間での情報共有や相談が行われているので、何か困ったことがあればすぐに相談できる環境があります。チームワークの良さ、コミュニケーションスピードの早さもZeLoの魅力の一つだと思います。

株式報酬制度の専門性を高めていきたい
──今後、弁護士としてどのようなキャリアを目指していきたいですか?
現時点で特に注力していきたいと考えている分野は、「株式報酬制度」の分野ですね。この分野は、対応したことがない企業にとっては制度設計の方針や進め方が想像しにくい領域であるため、外部からアドバイスする重要性を感じます。また、経済産業省による推進もあって、今後ますます注目される分野だと思っています。
株式報酬制度は企業ごとに要望や適切な設計が異なるので、解決策も多様です。そのため、常にクライアントとのコミュニケーションを大切にしながら、最適な提案をしていくことを心がけていきたいですね。私自身、インハウス時代から株式報酬制度の設計や運用に携わってきた経験があるので、その知識を生かしながら、さらなる専門性を高めていきたいと考えています。
──最後に、これからキャリアチェンジを目指す方々に向けてメッセージをお願いします。
ZeLoは、柔軟な働き方と幅広い経験を積める環境が整った職場です。リモートワークやチーム全体でのフォロー体制が充実しており、仕事と家庭を両立しながら安心して働けます。また、スタートアップから上場企業まで、多様なクライアントと向き合い、新しい知識を学び続けることで確かな成長を実感できます。
また、一人で抱え込まず、チームで協力しながら課題に取り組む文化も魅力の一つです。「自分のペースで働きながら、弁護士としてもっと成長したい」「家庭と仕事を両立しながらキャリアを積みたい」と考えている方には、ぜひZeLoで新しい挑戦をしてほしいです。
※掲載内容は掲載当時のものです(掲載日:2025年1月21日)
(写真・文:スイセイ)
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