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介在価値の大きさがやりがいに繋がる──私がZeLoに転職したワケ

2022年に法律事務所ZeLo・外国法共同事業に参画し、ヘルスケア分野を中心に幅広いスタートアップ企業の法的支援に力を注ぐ早乙女明弘弁護士。大手企業の社内弁護士として6年間の経験を積み、さらにアメリカ・ミシガン大学ロースクールへの留学や海外事業部での勤務を経てZeLoへ入所しました。弁護士としてのキャリアをどう描き、ZeLoでの挑戦に至ったのか、そしてこれから取り組んでいきたいことについて聞きました。

介在価値の大きさがやりがいに繋がる──私がZeLoに転職したワケ
PROFILE
Akihiro Saotome

Attorney admitted in Japan

Akihiro Saotome

Akihiro Saotome is a Japanese qualified lawyer specialized in general corporate governance, as well as financial regulation and data protection. He graduated from the University of Hitotsubashi School of Law in 2014 and has been admitted to the Tokyo Bar Association in 2015. He started his career as a lawyer by joining Nippon Life Insurance Company in 2016. After graduating the University of Michigan Law School in 2021, he joined ZeLo in 2022.

海外留学でみた、日米の法に対するアプローチの違い

──まずは、早乙女さんが現職の法律事務所ZeLoに至るまでのキャリアについてお聞きします。どのような経緯でZeLoに転職することに至ったのでしょうか。

司法試験に合格後、大手保険会社に社内弁護士として入社し、法務部で4年間余り勤務したのち1年間アメリカ・ミシガン大学のロースクールに留学しました。留学後は1年弱海外事業部で勤務し、海外法務の知識や視点を得たことが大きな糧となりました。その後、2022年に新たな環境で挑戦したいと考え、ZeLoに転職しました。

──アメリカでの留学が大きな糧になったとのことですが、ミシガン大学では主にどのような内容を学んでいましたか。

ミシガン大学のロースクールは伝統的で長い歴史を持つロースクールであり、アメリカの契約法や会社法、英文契約のドラフティング等について学びました。慣れない海外での生活を送りながら、大量の判例を読んだり、クラスメイトとディスカッションをする毎日を過ごしており、新しい環境へ飛び込み、そこで必死に努力するという胆力が培われたと思います。

また、海外法の理解や、英語力も身についたことで、クロスボーダー案件にも積極的に関わることができるようになりました。

──留学後、企業の海外事業部で働かれたとのことですが、その1年弱の経験はどのようなものだったのでしょうか。

海外事業部では海外子会社の管理業務に携われたことで、業績等の数字を読んで経営状況を分析、理解する機会や現地の法律も学ぶ機会に恵まれました。海外の法律や企業文化に触れることは新鮮で、文化や背景を理解しながらビジネスを進める難しさを実感しましたね。その経験がZeLoでの業務にも役立っていると感じています。

ZeLoを選んだのは最もチャレンジできるから

──ZeLoへの転職を決意した理由を教えてください。

社内弁護士としてのキャリアに大きな不満はありませんでしたが、30歳を過ぎた頃、今後のキャリアについて真剣に考えるようになりました。

大企業の社内弁護士は安定しており、年齢を重ねていきながら様々な経験を積み、着実に実力をつけられる環境にあります。他方、キャリア設計の自由度は限定的で、また、年次を重ねるごとにマネジメント業務の割合も増えていき、事業の拡大、成長を法的側面から当事者としてサポートする、といった私が当初社内弁護士を目指したきっかけから徐々に逸れていくことが想定されました。

そこで、「よりクライアントに近い立場で事業を支援し、自分の専門性を磨きたい」という思いから、ZeLoで新たなキャリアに挑戦することを決意しました。

──前職とZeLoでの仕事では、どのような違いがあるように感じますか。

ZeLoは、クライアントと密接に関わりながら、ビジネスのパートナーとしてスピード感をもって一緒に成長していける環境です。一般的に、弁護士業務はリスクを回避することに重点が置かれていると思います。もちろんその点は重要ですが、ZeLoではリスクを適切に回避するのみならず、クライアントとともにリスクをコントロールしビジネスを進める伴走者のような役割が求められます。

実は、ZeLoに決める前に2つほどの事務所と迷いました。その中には伝統的な事務所もありましたが、ZeLoが最も様々なことにチャレンジできる場所だと感じたので、入所を決めました。

──早乙女さんが担当しているクライアントのビジネス領域などについて教えてください。

ヘルスケアやIT分野のスタートアップのクライアントと仕事をすることが多いです。どの企業様もアイデアが豊かで、今までのビジネスの枠にとらわれない自由な発想で事業を行っています。その起業家たちの自由な発想を、法的に見て問題ないかを調査し、問題なくリリースできるようにすることが我々には求められます。例えば、ヘルスケア企業では薬機法や医療法、個人情報保護法に関する相談も多く、クライアントと十分議論をしながら、いかに法令に抵触しない形でビジネスを構築していくかという観点から、日々全力でサポートしています。

もちろん、スタートアップだけでなく上場企業のクライアントのサポートも行っており、前職の経験から、大企業が外部の弁護士にどういった役割を期待しているのかを十分理解できていることは、私自身の弁護士としての強みの一つになっています。

顧客のビジネスに大きなインパクトを与える仕事

──ビジネス領域によっては、法整備がまだ追いついていない領域もあるかと思います。これまでに対応した案件の中で、特に印象的なエピソードはありますか。

ヘルスケア分野では、法令等の規制がビジネスの実態に追い付いていない場合や、規制が今の時代に適合していなかったりする場合も多く、難しい対応が求められることが多いです。具体的な案件として取り扱っているのは、オンライン診療・服薬指導の適法性や、プログラム医療機器の開発関連、医療データの利活用、AIを活用した医療機関の取組みの支援などでしょうか。

クライアントや社内の仲間と議論を重ね、法的な許容範囲を見極めながらビジネスがスムーズに進むようサポートすることが求められており、自分の介在価値、仕事のインパクトが極めて大きくやりがいに繋がっていると感じていますね。

──改めてお聞きしますが、ヘルスケア分野についての関心が強い理由はなぜなのでしょうか。

前職で医療データの利活用のビジネスに関わった経験から、ヘルスケア分野に強い関心を持つようになりました。医療分野のビジネスは、規制が多い一方で、人々の健康や福祉、ひいては社会課題の解決に貢献できるため、やりがいが大きいと感じています。

“不安定さ”が、自分を高みへ連れていってくれる

──ZeLoでは、他のメンバーとの知見の共有も多いと聞きました。どのようなかたちで知見のシェアが行われているのでしょうか。

ZeLoには、各専門分野で知識を深めているメンバーが集まっており、例えばweb3や生成AIのような先端領域にも強いメンバーがいます。ヘルスケアもそうですが、情報のアップデートが多い分野は「プラクティスグループ」と呼ばれるチームが組成され、所属メンバーで定期的にミーティングや勉強会などを実施して情報共有を行っています。こういった場でのディスカッションが、案件に取り組む上でのヒントになることが多いですね。

また、日々使用しているチャットツールでも活発に知識や情報の共有が行われています。年次や分野を問わず、気軽に発信できるのもZeLoの特徴だと思います。

──クライアントのビジネス領域や企業規模は様々だと思いますので、幅広い知識が必要になると思います。その中で、自身の成長を感じる瞬間はありますか。

ZeLoでは多種多様なクライアントと関わることが多いので、それぞれの立場や状況に合わせた法的サポートが求められます。これらのクライアントのニーズに応えるために大切になるのは視野の広さです。以前のように、特定の会社における事業の相談ではなく、業界や規模を超えたニーズに応えることで、弁護士としての柔軟性や適応力が鍛えられていると感じます。

──今後のキャリアについてはどのように考えていますか。

ZeLoでは何か明確なキャリアパスが決まっているわけではなく、自身の志向や専門性に応じていかようにもキャリアを切り拓いていくことが可能です。私自身としては、今後も外部セミナーや講演への登壇や執筆活動を積極的に行い、専門性を磨きながらヘルスケア分野でのZeLoのプレゼンスを高めていきたいと考えています。

──最後に、これからキャリアチェンジを考えている方へのメッセージをお願いします。

ZeLoは、自由で裁量が大きく、意欲があればキャリアを自分の手で切り拓ける環境です。ZeLoに尖った印象を持つ方も多いのですが、実は穏やかで知見を共有し合う優秀なメンバーが多いので、安心して飛び込めると思います。私のように企業出身の弁護士も増えてきていますので、挑戦したい方は、ぜひ一歩を踏み出してほしいですね。

※掲載内容は掲載当時のものです(掲載日:2024年11月14日)

(写真・文・編集:スイセイ)

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