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前例なき挑戦に、共に挑む─Visual BankとZeLoが目指す「日本のスタンダード」

ストックフォト事業を礎に、生成AIを活用した漫画・アニメの作画支援ツール「THE PEN」や、AI機械学習向けデータセットの提供など、先進的な取り組みを展開しているVisual Bank株式会社。2022年の創業からわずか数年で、経済産業省の大型プロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」に採択されるなど、IP(知的財産)産業における重要プレイヤーとして存在感を高めています。今回は、同社の代表取締役CEO・共同創業者の永井真之さん、取締役・共同創業者の飯塚文貴さんに、法律事務所ZeLoのサポートによる課題解決の事例や、今後の展望についてお話を伺いました。聞き手を務めるのは、同社をサポートする室井剣太弁護士と島内洋人弁護士です。

前例なき挑戦に、共に挑む─Visual BankとZeLoが目指す「日本のスタンダード」
PROFILE
Kenta Muroi

Attorney admitted in Japan

Kenta Muroi

Graduated from Keio Law School in 2012. Called to the Bar Association in 2014. After experienced in the law firms in Japan, he was seconded to Rajah&Tann Singapore LLP., one of the reputable law firms in Singapore. He joined ZeLo in June 2024. Through the experiences, he has covered a wide range of corporate law matters, such as M&A, corporate commercial, venture financings and cross border transactions. In the course of his practice, he has provided commercially-focused legal advice to companies at all stages of the corporate lifecycles; from early stage start-ups to listed companies.

Hiroto Shimauchi

Attorney admitted in Japan

Hiroto Shimauchi

Graduated from the Faculty of Law at the University of Tokyo (LL.B) in 2017. Passed Japan Bar exam in 2018. Qualified to Practice Law in 2019 (Daini Tokyo Bar Association). Joined ZeLo in 2020. Specializes in providing legal advice in cutting-edge technology fields such as AI, Web3, and Fintech, as well as a wide range of corporate matters including M&A involving Cross-border Transactions, Stock Options, Startup Finance, and Litigation/Dispute Resolution.

業界:情報通信
従業員数:37名(Visual Bankグループ: 2025年8月時点)

ストックフォトから生成AIまで──Visual Bankの事業全体像

室井本日はよろしくお願いいたします。改めて、貴社の事業概要について教えていただけますでしょうか。

永井当社は2022年4月に創業し、その直後に40年間続くストックフォト事業会社であるアマナイメージスを買収して事業を開始しました。ストックフォト事業は、写真や動画、イラストなどのデータ素材と権利をクリエイターの皆様からお預かりし、市場に流通させる事業です。この事業基盤と先進技術を組み合わせ、現在は主に3つの事業を展開しています。
1つは買収したストックフォト事業で、2つ目はAI機械学習用のデータセット事業。そして3つ目が、生成AIを活用した漫画・アニメ作画支援事業の「THE PEN」です。THE PENでは、漫画家さんなどからデータをお預かりして学習用データセットを作り、生成AIによる作画支援ツールを開発・提供しています。

飯塚組織構成としては、ホールディングスカンパニーであるVisual Bankの下に、アマナイメージスとTHE PENという2つの事業会社がある3社体制です。

永井THE PENを立ち上げたことで「IP × AI」のイネーブラーとしての立ち位置を確立できました。これにより経済産業省の「GENIAC」プロジェクトにも採択されました。このプロジェクトはIPデータのライブラリやエコシステムを構築する2年間の実証プロジェクトです。我々は世界に誇れる生成AIユースケースを日本が生み出すため、権利クリアに必要なデータシステムの構築や権利者の意向を反映したデータセットの整備、そしてそれらを活用したユースケースの実証に取り組んでいます。この基盤整備、とりわけ契約周りのルールメイキングにおいても、ZeLoさんと共に「日本のスタンダード」を作っていきたいと考えています。

ZeLoとの出会いと、頼れるリーガルパートナーとしての信頼構築

島内ありがとうございます。革新的で社会的な意義も大きい事業を展開されているのですね。そのような中で、ZeLoにはどのような経緯でご依頼いただいたのでしょうか。

永井ZeLoさんとの出会いは、飯塚の前職の先輩の現ベンチャーキャピタリストの方からのご紹介でした。最初に依頼したのは、英語のNDAとGDPRの対応です。

飯塚当社はその当時、別の法律事務所さんにお願いしていましたが、規模感やフレキシビリティの面で課題を感じていました。ZeLoさんには、最初は小さな案件でトライアルをお願いしたのですが、スピード感と質の高さ、そして私たちのビジネスへの理解をすぐに深めていただけました。トライアルで質の高いお仕事をしていただいたことで、短期間でZeLoさんへのリプレイスが決定しました。

室井最初はトライアル時と同様にNDAやGDPRといった契約書対応が中心でしたが、徐々にTHEPENさんのリスク管理やアマナイメージスさんのデータケア、シリーズBファイナンス、共同研究、経済産業省関連のプロジェクトなど、スタートアップとして経験しうるあらゆるリーガル対応をご一緒させていただくようになりました。

永井そうですね。ZeLoさんには、まさにスタートアップが直面するであろうリーガルの課題を、法務と事業推進の両側面からサポートいただいています。コーポレート法務からAI、IP関連まで、多岐にわたる課題に対して、あらゆるカードを切るような対応を共に進めています。    

Visual Bank様記事内写真①
「スタートアップがとりうるすべての手段を一緒にしてくれる法律事務所を探していたところZeLoを紹介いただいた」と、永井さんは語る。

前例なき領域で、共に「日本のスタンダード」をつくる

室井Visual Bankさんの事業領域は、法整備が追いついていない部分も多く、前例のない課題に直面することも多いかと思います。そういった中で、ZeLoのサービスはどのように活用されていますか?

永井THE PENのような生成AI活用事業では、最新の法制度理解はもちろんのこと、世の中の感覚、産業力学、ダイナミズムを理解しながら、ペーパー上の契約とそれ以外のバランスを取る必要があります。様々なパートナーやお客様との交渉があったり、判例や事例のないマーケットを作っていく事業なので、強力なサポートをZeLoのお二人にしていただけるのは非常に心強いです。

飯塚当社はM&Aによる創業となっており、特殊なケースだと思います。そのため、コーポレート面でもZeLoさんの力を大いに借りています。例えば、社債関係者や海外VC投資家など多角的なステークホルダーの対応や、ジョイントベンチャー設立など幅広い領域かつスピーディーな対応が必要な業務などです。これらの意思決定や書面上の取り決めをスムーズに進める上で、ZeLoさんのリーガルの力は不可欠です。
海外投資家が入るシリーズBに向けての業務では、室井先生に大変助けていただいています。海外投資家が入ることで、日米や日中のガバナンスに対する考え方の違いをどう乗り越えるかが課題となっています。この課題に対しても、日本の「通常こうだから」という慣例に安易に依拠せず、今のVisual Bankに最適な構造はもちろん、スタートアップ全体のシステム発展のためにどうあるべきかも視野に入れながら、プラクティスをZeLoさんと共に考えて作っていきたいと思っています。

永井VCの多くは前例を踏襲したがる傾向がありますが、実際には会社ごとの事情や背景はまったく異なります。そうした中で、ZeLoさんは私たちの個別事情を深く理解し、常に最適な対応を一緒に考えてくださいます。海外投資家から「なぜこうなっているのか」と聞かれた際に、背景や実態運用まで含めて説明できるのは、ZeLoさんの深い理解があってこそです。

名称未設定Visual Bank様記事内写真②
会社の屋台骨となる部分を統括されている飯塚さん。「ひとりで対応していると孤独を感じざるを得ない瞬間もあるが、ZeLoさんは精神面でも一緒に悩みながら進んでくれるので心強い」と語る。

「クリエイター様に安心感を与え、日本のIP産業をリードする」-Visual Bankが重要視するポイントへの深い理解と対応力

島内ZeLoのサービスについて、特に評価されている点や、他の事務所との違いがあればお聞かせください。

永井ZeLoさんの特に素晴らしい点は、テクニカルな法律知識はもちろんですが、それ以上にコミュニケーションやナラティブ性にあると考えています。つまりこれまでのストーリーや背景、文脈の理解を非常に重視されているということです。ZeLoさんは、私たちのビジネスの文脈を深く理解し、あらゆる面で一級のサービスを提供してくださっていると感じます。

飯塚法務は法律知識とビジネス理解の両輪が必要です。ZeLoさんは私たちのビジネスをしっかり理解するところから始めてくれるので、私たちの状況に即したアドバイスをいただけるというのが非常に重要なポイントだと考えています。

永井さらに、私たちの事業特性上、契約書上の厳格さだけでなく、関係者間の力学や状況を考慮した柔軟な判断が不可欠です。ZeLoさんはこのバランスをうまく取ってくださいます。

飯塚私たちの会社の理念は「創造性の黒子であり、作る人のサポーターである」ことです。何か問題が生じた時に作家さんやクリエイターに矛先が向くような事態は絶対に避けたい。ZeLoさんはその思いを理解し、ドキュメンテーションやリスク管理に反映してくださっています。

室井契約交渉時に御社のご意向をお伺いする際にいつも感じるのは、御社が常に「クリエイター様のサポーターでありたい」「クリエイター様に安心感を与える存在でありたい」と考えていらっしゃるということです。この姿勢が契約書のドキュメンテーションやプロダクト作成時に端々に表れていると感じており、日本のIP産業をリードされるのはこのような方々であってほしいと思っていました。

永井室井先生、結構ファイターですよね(笑)常に私たちのための姿勢を示してくれており助かっています。一方で、私たちの重視しているポイントが、相手に安心感を与えるということでもありますのでZeLoさんにはそのバランスを取りながらアドバイスをいただいていると思っています。

Visual Bank様記事内写真④
「Visual Bankのお二人は、我々の提案に対して鋭い指摘をしてくださるので、弁護士としての成長を常にさせてくれるクライアントです」と語る室井弁護士(写真左)と島内弁護士(写真右)。

スタートアップと同時創業した事務所だからこその「伴走力」

室井日頃からZeLoのサービスをご利用いただくなかでどのような点が心強いと感じますか?

飯塚ZeLoさんは、創業者の小笠原先生と角田先生ご自身が起業家として成功されているので、スタートアップのハードシングスや実情をよく理解されていると感じます。     その経験がある法律事務所に依頼しているというのは、私たちにとって非常に心強いと感じています。また、ZeLoさんの「伴走力」を強く感じています。いつも無茶なお願いをしていると思いますが、ホームラン級の答えをいただけることが多いです。ZeLoに所属されている先生方が、私たちの意気込みを前のめりに背負ってくれている感覚があります。

永井ワンストップで対応いただける点も非常に助かっています。ZeLoさんには弁護士だけでなく、司法書士や社労士、税理士、弁理士がいらっしゃいます。通常は機関決定のプロセスなど、複数の専門家に依頼して調整する業務が必要となりますが、それらを全てZeLoさん内で連携して完結していただけます。これによりコミュニケーションコストが大幅に削減でき、私たちの業務効率化と精神的な負担軽減に大きく貢献しています。

Visual Bank様記事内写真⑤
ZeLoのワンストップサービスを高く評価してくださっている飯塚さんと永井さん。「ZeLoさんとのSlackに毎週いろんな先生が増えているのが面白いです!」とひと笑い。

世界に誇れるIPエコシステムの構築へ

室井最後に、今後のVisual Bankさんの展望と、ZeLoへの期待についてお聞かせください。

永井プロジェクトを通じて、IPデータのホワイトマーケットを構築し、クリエイターの方々に最大限の敬意と還元がなされる仕組みを整えたいと考えています。その基盤の上に、次世代型のIP創造が生まれるエコシステムを構築し、日本がより世界に影響を与えるIP国家になる一助となればと思っています。データエコシステムができれば、私たちの想像を超えるような、様々なクリエイティビティを持った人たちが新しいものを生み出すでしょう。私と飯塚は幼少期を海外で過ごした経験をもち、その頃から日本のアニメや漫画     に助けられてきた経験があります。自社のビジネスを通して、IPの制作などに関わる方々に少しでも恩返しができれば嬉しいです。

飯塚現在の日本のIP産業はグローバルに力を伸ばしています。 しかし、この変革期に基盤を整えないと 、世界観が変わってしまう可能性がある。だからこそ、このGENIACプロジェクトの2年間は非常に重要であると考えています。クリエイターが安心して作品を作れる環境を整え、その先の技術活用に繋げる。これはクリエイターだけでなく、コンテンツを消費する我々にとっても重要なことだと思います。私たちは、このIPカルチャーを日本がリードしていきたいと考えており、ZeLoさんにはそのサポートを全力でしてくださることに期待しています。

永井ZeLoさんには、今後も私たちの事業成長、企業価値向上に繋がるような、攻めと守りのバランスが取れたリーガルサポートを期待しています。私たちの事業の根幹を理解し、共に挑戦していただけることを楽しみにしています。

飯塚クライアントである我々と中長期的な関係構築を重視されるZeLoさんの理念は、スタートアップである私たちにとって非常にありがたいです。時間をかければかけるほど、私たちの事業への理解が深まり、より質の高いアドバイスをいただけていると感じています。今後も様々な課題が出てくると思いますが、ZeLoさんと共に乗り越えていけると思っています。

室井島内Visual Bankさんの革新的な挑戦と、それを支えるZeLoのサポートによる課題解決の事例や、今後の展望について、大変貴重なお話を伺うことができました。本日は誠にありがとうございました。

法律事務所ZeLoが提供するサービス

※掲載内容は取材当時の内容です。(2025年5月20日)

(写真:根津佐和子、取材:中村渚、文:スイセイ、編集:中村渚・阿部あかり)

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