クライアントアラート – インドネシア語契約に関する最新情報
Indonesian qualified lawyer
Fiesta Victoria
インドネシア国家土地庁(Badan Pertanahan Nasional Indonesia:「BPN」)は、一般に利用できるよう、デジタル化された土地登記サービスの全面的提供の準備を進めています。2021年1月12日、インドネシア農務省(BPNの監督官庁)は、デジタル土地証明書に関する新たな2021年規則第1号(「2021年規則1号」)を公表し、同日に発効しました。
Graduated from the University of Tokyo Faculty of Law in 1997 and registered as a lawyer (Japan) in 2000 (member of the Tokyo Bar Association). After working at Nagashima Ohno & Tsunematsu, Porter, Wright, Morris & Arthur (U.S.), and Clifford Chance LLP, he joined ZeLo Foreign Law Joint Enterprise in 2020. His practice focuses on general corporate, investment, start-up support, finance, real estate, financial and other regulatory matters. In addition to domestic cases, he also handles many overseas cases and English-language contracts. He is also an expert in FinTech, having authored the article "Fintech legislation in recent years" in the Butterworths Journal of International Banking and Financial Law. His other major publications include "Japan in Space - National Architecture, Policy, Legislation and Business in the 21st Century" (Eleven International Publishing, 2021). Publishing, 2021).
Fiesta Victoria is an Indonesian qualified lawyer with over 16 years of experience in M&A and general corporate. She graduated from the University of Pelita Harapan in 2006 and started her career as a lawyer in the same year at one of the largest and oldest law firms in Indonesia. She joined ZeLo in 2019 with the primary role of establishing and developing ZeLo’s Indonesian practice group. She won the title of "Business Development Lawyer of the Year" at the ALB Women in Law Awards 2021. Additionally, she was nominated as one of the top 5 finalists for "Foreign Lawyer of the Year" at the ALB Japan Law Awards 2023, following a nomination in the same category at the ALB Japan Law Awards 2022.
2021年規則1号が公表されるまでは、BPNのデジタル化は一部しか進んでいませんでした。2020年以降、BPNは、オンラインで利用できる土地関連サービスをいくつか開始しています。これには、①電子的な抵当権(Hak Tanggungan)の登録、②土地登記クリアランスレター(Surat Keterangan Pendaftaran Tanah:「SKPT」)の発行(このレターは通常、当事者が、土地を対象に含む取引に参加する前に行われる土地に関するデューデリジェンスの中で必要とされるものです。)、③土地価値ゾーン(ZNT)メカニズムを利用した、土地の価値に関する情報の提供が含まれます。
これまでは、インドネシアの土地登記制度には問題があると思われてきました。土地証明書の偽造などの汚職や、犯罪行為がしばしば発生し、外国からの対インドネシア投資を妨げてきました。
このオンライン土地登記システムのセキュリティや、オンライン登記データのセキュリティについての懸念が指摘されているところではありますが、インドネシア政府による土地登記サービスのデジタル化の取組みは、システムが適切に導入されれば、これらの潜在的問題の解決に資することが期待されています。
新システムが目標とするのは、今後の全ての土地登記手続を電子的に行うことですが、導入は段階的に行われます。最終的には、縮尺図(gambar ukur)・土地区画図(peta bidang tanah)・空間図(peta ruang)・ELCなど、全てのデータや土地に関する文書が、電子的に処理・記録されることになります。
オンラインでの土地登記手続が完了すると、土地の権利、所有権、売買や抵当権(Hak tanggungan)設定や寄贈(waqf)(イスラム法に基づく慈善目的の遺贈・寄付)などの取引の記録としてELCが発行されます。
2021年規則1号によって定められた一定の要件を満たし、BPN での申請手続を完了すれば、2021年規則1号の発行前に発行された土地証明書の書面による原本を、ELC と交換することができます。申請が承認されると、書面による証明書の原本はスキャンされ、BPNのデータベースに保存されます。
2021年規則1号に基づき、土地に関するデジタル書類(それを印刷したものも)は、裁判所での証拠として効力が法的に認められることになります。
上記に関して、さらにご関心がございましたら、こちらからご連絡ください。
本記事は、当事務所のFiesta Victoria 外国弁護士(インドネシア、Not admitted in Japan)による英語記事 “INDONESIA’S LAND REGISTRATION PROCESS GOES DIGITAL” を野村諭弁護士が和訳した記事です。英語版と日本語版に何らかの齟齬があった場合、英語版が優先するものといたします。
この記事で提供されている情報は、法律上のアドバイスを構成するものではなく、一般的な情報提供のみを目的としています。特定の法的問題に関してアドバイスを求める場合は、弁護士にお問い合わせください。