介在価値の大きさがやりがいに繋がる──私がZeLoに転職したワケ
Attorney admitted in Japan
Akihiro Saotome
こんにちは、法律事務所ZeLo・外国法共同事業です。連載「ZeLo Intern's Story」では、長期インターン生に、印象に残った業務や取り組む中で感じたやりがい、ZeLoの雰囲気についてインタビューしていきます。東京大学に入学後、3年生で就職活動を進めるなかで、「弁護士の仕事をよく知らないまま、就職活動をして良いのだろうか?」と迷いが生まれた市川 裕圭さん。疑問を解消するべく、2021年の夏、ZeLoに飛び込みました。ZeLoで長期インターンとして過ごした約3か月とこれからのキャリアについて、率直な思いを聞きました。
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もともと「社会をより良くしたい」「特に社会の安全に貢献できる仕事に就きたい」という想いから、法曹、特に弁護士を目指していました。大学3年の夏までサークル活動に注力していたため、弁護士の実務について調べたり、実務について話を聞いたりする時間はありませんでした。
「具体的にどのような仕事をしていきたいのか」という将来のビジョンを考えられないまま、周囲の友人らに影響され、有名な法律事務所を中心に就職活動を始めました。しかし、日に日に「本当に弁護士の仕事をよく知らないまま就職して良いのだろうか」と自分の中で迷いが生まれました。
「より実務に近いことに関われるインターンをして、もう少し弁護士の実務や働き方を知ったうえで、将来を考えたい」と調べていき、ZeLoの長期インターンのウェブページに出合いました。法令・判例・文献のリサーチにとどまらず、契約書・メモのファーストドラフトや、M&A・訴訟など各分野の弁護士補助業務まで幅広く関われると書かれていたのを見て、すぐに応募しました。
クライアントからの依頼に関するリーガルリサーチに携わりました。リーガルリサーチひとつとっても、検討する法規制は、様々な分野にまたがります。日常的な内容から高度で専門的な内容まで、幅広い範囲をカバーする必要がありました。
業務を進める中で、クライアントの依頼に応えるには、法令の条文や解説書を確認するだけで解決できるケースは少ないと気付きました。政府のガイドラインや判例など、多くの文献を調べる必要性も痛感しました。
リサーチした結果を踏まえて、法律家ではない相手にとってわかりやすい言葉探しにも苦労しました。弁護士業務を行ううえで、法令や条文の理解だけではなく、かみ砕いて伝えるスキルも必要であると実感しました。
クライアントが作成した契約書の初期的なレビューも、弁護士の先生方の監督のもと担当しました。「クライアントの利益が損なわれていないか」「各条項に矛盾が生じていないか」などの視点で検討を重ねました。
ZeLoでは、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」のレビュー機能を利用していて、契約書のチェック項目を短時間で把握したうえで、修正の検討をする工程に進むことができます。LegalForceのレビュー機能で出てきた項目を確認するだけでは、一見単調な作業にも思われます。しかし、クライアントが契約書に求める内容は千差万別で、ひな形やレビュー機能だけでは対応しきれない個別の問題点も多くありました。
弁護士の先生方の視点で丁寧にレビューする業務は、とても頭を使う分、クライアントの期待に応えることができた際にはやりがいも覚えました。
自分が興味のある業務に積極的に関われるように調整いただき、M&Aのデュー・デリジェンス業務の補佐をはじめ、本当に様々な案件に参加させていただきました。
ある訴訟にて、先生方の監督のもと、答弁書と反訴状のドラフトをしたことです。
そもそも答弁書などの書き方について、ほとんど理解のない状態でした。学生時代に学んだことがなく、どのような点に留意して書くべきかなど、初歩的なところでかなり苦戦しました。訴訟担当の藤江正礎先生に相談したところ、「訴訟の答弁書や準備書面などは、裁判官を説得するために自分たちの主張をわかりやすく伝えることが大事だ」と教えていただきました。アドバイスを受けた点を心掛けてドラフトした後、島内洋人先生ほかとディスカッションを重ね、何度も添削・指導をしていただき、最終的には自信を持てる書面を先生方と一緒に作成することができました。
本件について、長期インターン期間中に見事勝訴判決が出されました。自分たちで考えた主張のほとんどが認められたと知った時は、言葉にならないほどの達成感がこみ上げました。この経験から「弁護士になった後も、積極的に訴訟をやってみたい」という気持ちを抱くようになりました。
訴訟は、取り扱う問題の規模にもよりますが、判決までに数年かかることも決して珍しくない、非常に長期スパンで検討が必要な業務のひとつです。一方で、弁護士が訴訟の方向性を決めるなど、大きな裁量をもって取り組める分野でもあり、とてもやりがいのある分野だと切に感じています。
長期インターン生としてZeLoで過ごす間、弁護士だけでなく、スタッフ含めた事務所全体が一丸となって、向上心を持ち仕事に取り組んでいる姿を目にしました。例えば、事務所の今後の展望について、定期的に事務所全体でミーティングをするだけでなく、普段の仕事や雑談で話にあがることも多々ありました。属性に関係なく協力しあい、事務所を良くしようとする雰囲気があるからこそ、創立から約5年という短期間で規模が急拡大しているのではないでしょうか。
また、ZeLoの皆さんは本当に気さくで話しやすい方が多く、居心地の良い雰囲気でした。どんな時でも業務の質問がしやすい環境で、私が悩んでいたときには、先生方から声をかけていただくなど、とてもアットホームな印象がありました。
所内の様子を見ていると、丁寧なサポートは、長期インターン生に限った対応ではありませんでした。事務所全体として、先輩が後輩の仕事量に気を配ったり、面倒を見たりしていて、後進の育成に力をいれているのだなと強く感じました。
業務以外では、ご飯や旅行にも連れていっていただき、本当に楽しい長期インターン生活でした。自分の将来の進路についても、多くの先生方に、弁護士の先輩として親身に相談に乗っていただき、精神的な支えにもなっていました。
長期インターンを通して、理想の弁護士像が具体化され、「社会をより良くしたい」という思いがさらに強まりました。
ベンチャー・スタートアップ領域の支援を強みとするZeLoでは、実際に起業家の方のお話を伺う機会もありました。自分と同じく「社会をより良くしよう」と考え、ビジネスを始めた方の体験談は、非常に刺激的でした。話を伺う中で、事業を軌道に載せるまでの間に、法的な問題が多くあるということも認識しました。
ZeLoでの長期インターンの経験から、「起業家の皆さんを最大限サポートし、社会の発展に貢献できるような弁護士になりたい」と強く思うようになりました。業務を通して、最先端領域に関するクライアントの取り組みに触れる機会もありました。しかし、科学技術の発展によって、人々の暮らしや社会がより良くなる可能性があるにも関わらず、法的な問題が立ち塞がり、豊かな社会の実現が遅れてしまう現状も目の当たりにしました。技術の進歩に合わせて生じる法的な問題を、適切に、そして迅速に解決できるように、自分自身も知見を深め、より包括的に物事を考えられる人になりたいです。
(編集:高田侑子・村上未萌、ZeLo LAW SQUARE 編集部)
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※記事の内容は掲載当時のものです(掲載日:2022年7月7日)