前人未到のWeb3領域。共に開拓し、挑戦し続ける「戦友」-株式会社Ginco
Attorney admitted in Japan
Tomonori Nagano
Attorney admitted in Japan
Kohei Kanzawa
株式会社サーバーワークスは「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」というビジョンのもと、アマゾンウェブサービス(AWS)に特化したインテグレーションサービスなどを提供しています。新卒で同社に入社された有泉美穂さんに、企業法務ならではの悩みについて、率直なお話を伺いました。聞き手は、法律事務所ZeLo・外国法共同事業のLPOサービス(顧問弁護士:Legal Process Outsourcing Service)で同社をサポートする長野友法弁護士と由井恒輝弁護士です。(写真右から、長野弁護士、株式会社サーバーワークス 経営管理部 有泉さん、由井弁護士)
会社規模:東京証券取引所市場プライム上場
業界:IT・クラウド
従業員数:182名(2021年11月末日現在)
目次
長野:本日はどうぞよろしくお願いいたします。改めて、貴社の事業について教えてください。
有泉:当社は2000年に創業し、AWSに関してのシステム構築などのインテグレーションやクラウド管理・運用、サービス導入のコンサルなど、クラウドに特化したクラウドインテグレーターです。
長野:法務としては、どのような業務が多いのでしょうか?
有泉:契約書のチェックが多く、1か月あたり50本ほど締結しています。数か月かけてやり取りしている案件もあるため、日々扱っている件数はもっと多いですね。内訳としては、業務委託契約書、人材派遣契約書などが多いです。
他には、事業部からの問い合わせへの対応、最近では外国企業との合弁会社の設立、知財関係の申請などもあります。
由井:法律分野で言えば、下請法や個人情報保護法、開示関係ですね。あとは、米国法弁護士による英文契約書の作成・レビュー、弁理士による商標出願などのサポートもさせていただきました。
普段のやり取りでは、有泉さんからご相談を受けることが多いですが、貴社の法務体制について教えてください。
有泉:経営管理部の中に、法務担当がいる形です。一人法務ではないのですが、現在会社の規模が拡大していることもあり、契約書レビューなどの日常的な業務は、私がメインで担当しています。
長野:法務のキャリアはどれくらいなんですか?
有泉:ロースクールを出て、2017年に当社に新卒入社し、現在5年目になります。
長野:5年目で、貴社のような規模の法務を、メインで担当されるのは大変ですよね。
長野:法務の人数が少ないと、社内の声を拾いきれないことはありませんか?
有泉:社内への「なんでも相談してね」という空気作りはできているんです。だからこそ「法務ならどんなことも知っていて、すぐに答えてくれる」と問い合わせが増えて、余計に業務に追われてしまうところが悩みでしょうか。
長野:ハードルを下げて、幅広く相談を受ける形にすると、有泉さんの負担が重くなってしまいますよね。
有泉:まさにそうなんです。どのような内容の依頼でも引き受けて、結果的に自分の首が絞まるというパターンを繰り返してしまって。
もちろん「法務ではできません」とも返せるんです。ただ、それで事業が止まったり、事が大きくなるまで法務に相談が来なくなったりするリスクを考えると、すべての相談にNOとは言えないですね。
長野:社内全体の法律知識を底上げできれば、有泉さんの悩みやご負担は解消されていきそうでしょうか。
有泉:確かに、法務以外でも法律知識があれば、現場の判断で解決できる範囲が広がって、法務への問い合わせが減りますよね。
ちょうど社内でも「全社で法律知識のレベルを上げよう」という話が出ていました。月に一度のペースで、研修や勉強会をやりたいと考えてはいるものの、目の前の業務で手一杯で…
由井:ZeLoでは社内向けの研修もサポートしています。ぜひ一緒にやりましょう!たとえば、自社で扱っているサービスに関する契約から、ハラスメントなどの人事労務に関するテーマまで、研修内容はご要望に合わせて対応できます。
有泉:外部の弁護士から法律について教えていただくことで、社内の気を引き締める効果も期待できそうです。
長野:逆に、社内のことをよく理解している社内の法務から言ったほうがスムーズに進む場合もありますよね。私たち外部の弁護士から厳しく言うところと、そうでないところとで、温度感を使い分けてもらえればと思います。
有泉:ロースクールで勉強すると、正解か不正解かばかりに目がいって、「リスクをゼロにしなければならない」という意識が強くなるんですよね。現職で実務に入ってみたら、リスクの捉え方がまったく違っていて、衝撃を受けました。
長野:リーガル的に一番リスクの低い判断が、ビジネス的にベストな判断とは限らないんですよね。
有泉:本当にそこなんです!法務として、どこまでリスクが取れるのか、リスクを踏まえてどういう選択肢が選べるのかも、提案できるようになりたいんです。
けれど、会社の今後に直結するという責任の重さを考えると…迷ってしまって。同じくらい法務の経験年数がある方と比べて、自分がどのレベルまで達しているかが分からず、焦りもあるのだと思います。
長野:法令やビジネスなどの知識は、常にアップデートが必要なものの、すべてを網羅するのは厳しいですよね。一人で考え込まずに、私たちを壁打ち相手として使ってください。
由井:ZeLoには、弁護士、弁理士、司法書士など、さまざまな専門家がいます。他社の事例も見ていて、どういうビジネスの進め方があるのか知っていますから、ぜひ外部の知見として活用いただきたいです。
有泉:頼もしいですね。ただ、正直「相談する=お金がかかってしまう」とためらってしまう場面もあるんですよね。自分の中で弁護士事務所にメールをしたり打ち合わせをするハードルが高くて、よほどのことじゃないと質問できないくらいでした。
幸い上司からは「弁護士に確認するとお金はかかるけど、答えが自分の知識になるし、浮いた時間を他の業務に回せるようになる。見えないコストが節約されるから、どんどん活用してほしい」とのアドバイスもあり、救われています。
由井:有泉さんの中で、ZeLoに相談する基準は決めているんですか?
有泉:自信がないとき、内容が腑に落ちていないときは、ZeLoの先生方に相談するようにしています。Slackでのチャットや定例の打ち合わせなどで、きめ細かく素早い回答をいただけているおかげで、今の社内体制でも対応できている感じです。
私の悩みにも耳を傾けていただいて、社内の法務部にいる先輩のような存在だと感じています。
長野:有泉さんのお言葉、本当に嬉しいです。ZeLoが提供するLPOサービスは、組織の中に入って、法務や事業部門の皆さまと一緒に、ビジネスを前進させることを目指しているんですよね。
由井:事業部門の温度感も伺うと、ZeLo側も的確なレビューに繋がりますから、お困りのことがあれば一緒に解決していきたいです!
有泉:今後は、事業拡大に合わせて、法務の体制をさらに強化していきたいです。まずは、どこから手をつけたら良いでしょうか?
長野:たとえば、日常的な契約レビューはZeLoのLPOサービスを活用して、有泉さん自身はイレギュラーな案件をメインで対応し、経験を積む選択肢もあるかもしれないですね。
有泉:そうですね。社内のワークフローをつくるなど、細かい部分も含め、全体的に見直していきたいです。また色々ご相談させてください!
長野:もちろんです。貴社と有泉さん、両方サポートしていきます!
由井:分からないことがあれば、ジャンル関係なく何でも聞いてください。今日のお話で出てきた貴社の課題にも向き合いつつ、皆さまと一緒にZeLoも成長していきます!どうぞよろしくお願いいたします!
▼ZeLoの提供するLPOサービスの詳細はこちら。
※掲載内容は取材当時のものです(取材日:2021年12月1日)
(写真:岡戸 雅樹、文:田中 沙羅、編集:村上 未萌)