【弁護士が解説】医薬品・医療機器業界で相次ぐ癒着摘発と贈収賄リスク(後編)-法規制とコンプライアンス対応の留意点-
Attorney admitted in Japan
Kayoko Tanaka
2025年5月14日、薬機法改正法が参院本会議で可決、成立し、同月21日に公布されました。本改正は、不正事案による供給不足や創薬環境の変化を背景に、医薬品等の品質・安全性の確保、安定供給体制の強化、創薬環境の整備に加え、「国民への医薬品の適正な提供のための薬局機能の強化」も掲げられています。改正法は薬剤師の対人業務への注力やICT活用を前提とした新たな薬局像を示しており、薬局の実務・経営に与える影響が考えられます。本記事では、2025年薬機法改正の全体像を整理したうえで、薬局機能の強化に関する改正内容とポイントを解説します。
Akihiro Saotome is a Japanese qualified lawyer specialized in general corporate governance, as well as financial regulation and data protection. He graduated from the University of Hitotsubashi School of Law in 2014 and has been admitted to the Tokyo Bar Association in 2015. He started his career as a lawyer by joining Nippon Life Insurance Company in 2016. After graduating the University of Michigan Law School in 2021, he joined ZeLo in 2022.
目次
2025年5月14日、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」といいます。)の改正法(以下「改正法」といいます。)が参院本会議で可決、成立しました。改正法は同月21日に公布され、順次施行することとされています。
改正の趣旨は、不正事案の発生等に伴う医薬品の供給不足や創薬環境の変化等の状況に対応し、引き続き品質の確保された医薬品等を国民に迅速かつ適正に提供していく観点から、以下のとおりとされています。
1から3の改正も重要なものですが、4は、薬剤師の対人業務への注力やICT活用を前提とした新たな薬局像を示すものであり、実務・経営両面での影響が大きい改正です。
本記事では、改正法の全体像と4の薬局機能の強化等に関する改正内容を解説します。なお、薬機法の全体像については以下の記事をご確認ください。
現在施行されている薬機法(以下「現行法」又は「法」といいます。)は、令和元年(2019年)に成立したもの[1]が基本であり、この令和元年改正の成立時に附則において、施行後5年を目途とする改正後の法律についての検討規定が置かれました。
この規定を契機として、令和6年(2024年)4月以降、現行法の施行状況を踏まえた更なる制度改善に加え、人口構造の変化や技術革新等により新たに求められる対応を実現する観点から、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会において議論が進められ、令和7年(2025年)1月10日には「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」(以下「本とりまとめ」といいます。)が公表されました。
今回の改正法は、これをベースにしており、例えば、以下の内容(薬機法以外の関連法令の改正を併せて行うものを含む。)について改正がなされました。
以下、本記事では、国会でも様々議論がなされた、国民への医薬品の適正な提供のための薬局機能の強化等について解説します。
本とりまとめによれば、国民の最も身近な場所で医薬品の供給を行う薬局・薬剤師について、少子高齢化の進展に伴い、医療需要が増大する中、対物業務の効率化により対人業務に注力できる環境の整備や地域における薬局機能の見直しを行う必要がある、とされています。
また、情報通信技術の進展も踏まえ、国民の安全性の確保を前提として、要指導医薬品、一般用医薬品へのアクセスを進めるとともに、濫用等の課題に対して適切に取り組む必要がある、とされています。
本とりまとめを踏まえ、主に以下の点に関する法改正が行われています[2]。影響度に濃淡はあるものの、いずれも薬局経営や医薬品販売実務に関して、今後一定の影響を及ぼすものであると考えられます。
①薬局開設者は、関係行政機関との連携等により、医療を受ける者に必要な薬剤及び医薬品の安定的な供給を図るとともに、当該薬局において薬剤師による情報の提供が円滑になされるよう配慮しなければならないものとすること(第1条の5第3項関係)【施行日:公布の日から2年以内において政令で定める日】
②薬局開設者による、医療を受ける者が薬局の選択を適切に行うために必要な情報の報告先を、薬局開設の許可権者と平仄をあわせることで円滑な運用を図るため、保健所設置市市長及び特別区区長を含めること等(第4条1項、第8条の2第5項、第7項関係)
③現行法では対面販売が必要な要指導医薬品に関して、オンラインによる服薬指導を認めること【施行日:令和8年5月1日】
④利用者の薬剤及び医薬品の使用に関する情報を把握し、当該利用者の求めに応じて当該利用者における健康の保持増進に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能を有する薬局は、都道府県知事の認定を受けて「健康増進支援薬局」と称することができること【施行日:公布の日から2年以内において政令で定める日】
⑤調剤業務の効率化の観点から、調剤の業務のうち当該業務に著しい影響を与えない定型的な業務として政令で定める業務について、厚生労働省令で定める要件を備えている薬局の薬局開設者に委託することができるものとすること(第9条の5関係)【施行日:公布の日から2年以内において政令で定める日】
⑥薬剤師等による遠隔での管理の下で、薬剤師等が常駐しない店舗における一般用医薬品の販売を可能とすること(第29条の5ないし第29条の10関係)【施行日:公布の日から2年以内において政令で定める日】
⑦薬局開設者は、医師等から処方箋の交付を受けた者以外の者に対して、原則として、正当な理由なく、薬局医薬品のうち、処方箋の交付を受けて使用すべきものとして厚生労働大臣が指定する医薬品を販売し、又は授与してはならないものとすること(第36条の3第2項関係)【施行日:公布の日から2年以内において政令で定める日】
⑧指定濫用防止医薬品[3]について販売し、若しくは授与し、又は配置する場合には、原則として、その薬局若しくは店舗又はその業務に係る都道府県の区域において医薬品の販売若しくは授与又は配置販売に従事する薬剤師又は登録販売者に、厚生労働省令で定める事項を記載した書面を用いて必要な情報を提供させなければならないものとすること(第36条の11第1項)【施行日:令和8年5月1日】
以下、⑤⑥⑦について概要を示すとともに、詳述します。
⑤調剤業務の一部外部委託の制度化(第9条の5)
「特定調剤業務」(定型的業務に限る)について、要件を満たす他薬局への外部委託が可能になります。
ただし、最終責任は委託元薬局に残ること、また、許可取得・体制整備コストの負担がある点に注意が必要です。⑥薬剤師等による遠隔での管理の下での医薬品販売(第29条の5~第29条の10)
薬剤師が常駐しない店舗でも、リアルタイム通信で薬剤師等の指導を受ける仕組みの下で一般用医薬品の販売が可能になります。
コンビニ等の活用を想定した制度で、登録受渡業者・受渡管理者の設置、情報提供義務、都道府県登録など、厳格な体制整備が求められます。⑦医薬品の販売方法等の見直し(第36条の3)
処方箋なしでの医療用医薬品の販売(いわゆる「零売」)は、「やむを得ない場合」がある場合に限り許容とされる通知の内容が法律に明文化されます。
附帯決議では、セルフメディケーション推進との整合性や零売薬局の存続にも配慮するよう求められています。
具体的な「やむを得ない場合」の範囲は厚生労働省令で定められる予定です。
現行法では、原則として薬局開設者は、「その薬局で調剤に従事する薬剤師でない者」に販売又は授与の目的で調剤させてはならない(規則第11条の8第1項)とされており、薬局開設者は、調剤の求めがあった場合は、「その薬局で調剤に従事する薬剤師」に「その薬局」で調剤させなければならない(現行法施行規則第11条の11)とされていたため、調剤業務を外部に委託することは原則として認められていません。
2015年10月23日厚生労働省「患者のための薬局ビジョン」では「すべての薬局を「かかりつけ薬局」へ」という目標が掲げられていましたが、2022年7月11日厚生労働省「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するWG とりまとめ」によれば、この目標が達成されているとは言い難いとの評価がされ、また、対人業務の更なる充実とともに、対物業務を含む対人業務以外の業務の効率化が不可欠であるとの視点が示されました。その中の具体的なアクションプランの一つとして、調剤業務の一部外部委託が挙げられていました。
その後、特定の地域で規制緩和を行う「国家戦略特区」の事業として、令和6年7月1日から、大阪市により、調剤業務における一包化業務を他の薬局の薬局開設者に委託することを可能とする特例措置に基づき、実証実験が行われ、安全性や有効性について検証が行われていました。
改正法はこうした流れを踏まえたものになります。
(調剤の業務の委託)
第9条の5
薬局開設者は、薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の質の向上を図るために調剤の業務の効率化を行う必要がある場合は、特定調剤業務(調剤の業務のうち当該業務に著しい影響を与えない定型的な業務として政令で定める業務をいう。)について、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める要件を備えている薬局の薬局開設者に委託することができる。
特定調剤業務を委託する場合、当該特定調剤業務を管理するために必要な体制に関する書類等を準備する必要があります。また、特定調剤業務の委託を受ける場合は、当該特定調剤業務を行うために必要な構造設備及び体制に関する書類等を準備し、許可を得る必要があります(改正法第4条5項から7項、薬局開設時について第4条3項)。特定調剤業務を外部委託した場合であっても、委託元が調剤業務に関する最終的な責任を免れるわけではありません。
薬局においては、特定調剤業務を外部委託することによるメリット及び許可の取得や必要な体制整備にかかるコストを踏まえたうえで、特定調剤業務の外部委託を検討することになります。
将来的に特定調剤業務を委託する薬局が増加し、更に規制緩和が進めば、特定調剤業務の委託を受けることを専門とする薬局が現れる可能性があります。これにより、従来では経済合理性のなかった設備投資が進み、更に調剤業務の効率化及び調剤事故・過誤の減少が進む可能性があります。
なお、特定調剤業務の具体的内容や委託先の要件は今後省令で明確化されることになりますが、文言上は一包化には限定されていません。また、委託先については、上記「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するWGとりまとめ」に基づけば、三次医療圏内(原則として同一の都道府県)となることが想定されます。
そのほか、今後、対物業務の負担が減ることで、処方箋1枚当たりの負担が軽減されるため、薬剤師1人あたりが応需できる処方箋の規制、いわゆる「40枚規制」(薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令第1条2項)に関する見直しが行われる可能性があります。
40枚規制に関しては、調剤業務の一部外部委託と同様、薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するWG とりまとめのアクションプランの一つとして掲げられていました。しかし、単純な撤廃または緩和では、処方箋の応需枚数を増やすために、対人業務が軽視される危険性があります。
規制の見直しを検討する場合、診療報酬上の評価等も含め対人業務の充実の方向性に逆行しないよう慎重に行うべきとされていたことから、40枚規制は今回の改正法には盛り込まれませんでした。
現行法においては、「薬局開設者又は医薬品の販売業者は、医師、歯科医師又は獣医師から処方箋の交付を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、厚生労働大臣の指定する医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。」と定めており、処方箋医薬品の販売に関する規制を設けています(現行法第49条得1項本文)。
他方、処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売については、これを制限されておらず、厚生労働省の通知により規律されているにとどまりました。具体的には、厚生労働省「薬局医薬品の取り扱いについて」(2014年3月18日)において、処方箋医薬品以外の医療用医薬品について、処方箋に基づく薬剤の交付が原則である旨が示されています。
また、厚生労働省「処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売方法等の再周知について」(2022年8月5日)により「改めて整理」されたところによれば、薬局における処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売等は、OTC医薬品の販売等による対応を考慮したにもかかわらず、やむを得ず販売等を行わざるを得ない場合に限られていることとされていました。
処方箋医薬品以外の医療用医薬品を販売している薬局、いわゆる零売薬局は全国に100店舗ほどあるとされており[4]、かかる通知に基づいて実務運営を行ってきました[5]。
改正法において、かかる通知の内容が法律として明示され、医療用医薬品については処方箋に基づく販売を原則と位置付けた上で、やむを得ない場合に限り薬局での販売を認めるべきこととされました。
(薬局医薬品の販売に従事する者等)
第36条の3
1 (略)
2 薬局開設者は、医師、歯科医師又は獣医師から処方箋の交付を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、薬局医薬品のうち、処方箋の交付を受けて使用すべきものとして厚生労働大臣が指定する医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合において、厚生労働省令で定めるところにより、販売し、又は授与するときは、この限りでない。
(1)薬剤師、薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者、医師、歯科医師若しくは獣医師又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者(以下「薬剤師等」という。)に販売し、又は授与する場合
(2)医師、歯科医師又は獣医師から処方箋の交付を受けた者以外の者に対して販売し、又は授与することがやむを得ない場合として厚生労働省令で定める場合
3 (略)
零売薬局からは、今国会でも、セルフメディケーションを推進する政府の方針と逆行していること等が指摘されましたが、前述の内容で改正法が成立しています。今後、省令によって具体的な基準が定められますが、国会での議論を踏まえ、以下のとおり改正法に対する附帯決議がなされています。
(附帯決議)
処方箋なしでの医療用医薬品の販売についていわゆる零売規制の具体的な運用を定める厚生労働省令やガイドライン等の策定に当たっては、処方箋医薬品以外の医療用医薬品の積極的なOTC化推進及び薬剤師との相談を通じて患者が主体的に医薬品を選択・購入するセルフメディケーション推進の政策方針に逆行することがないよう留意し、処方箋の交付を受けた者以外の者に対して医療用医薬品の販売が認められる「やむを得ない場合」の範囲・運用については、国民の医薬品へのアクセスを阻害しないよう十分に配慮すること。当該運用については、本改正以前より零売を行ってきた薬局等が、国民の医薬品へのアクセスに一定の役割を果たしていることも考慮し、過度な指導や規制により営業継続が困難となることのないよう、必要最小限かつ合理的な規制措置にとどめること。
「やむを得ない場合」の範囲・運用が零売薬局の事業運営に直結するため、今後省令による明確化が期待されます。
現行法では、原則として、薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならないとされています(法24条1項)。すなわち、店舗において医薬品を販売する場合、薬剤師等が常駐する必要がありました。
改正法では、映像及び音声によるリアルタイムのコミュニケーションツールが普及し、対面時と同等の情報収集や情報提供が可能となっていること及び人材の有効活用を図る必要性の観点から、薬剤師等が現場にいない場合であってもOTC医薬品を購入できるようになりました。典型的には、コンビニエンスストア等が薬局開設者又は医薬品の販売業者に代わって、一般用医薬品を提供することが考えられます。
(登録受渡店舗に係る登録等)
第29条の5
薬局開設者又は店舗販売業者以外の者であつて、業として店舗において受渡しを行おうとする者は、当該受渡しを行おうとする店舗であつて厚生労働省令で定める要件を備えているものにおける受渡しについて、その店舗の所在地の都道府県知事の登録を受けなければならない。
2~8 (略)
9 この条において「受渡し」とは、薬局開設者又は店舗販売業者が一般用医薬品を販売し、又は授与する場合において、委託を受けて、その販売し、又は授与しようとする者に対して、当該薬局開設者又は店舗販売業者に代わつて当該一般用医薬品の引渡しを行うことをいう。(薬局開設者又は店舗販売業者による受渡しの管理)
第29条の6
前条第1項の登録を受けた者(同条第八項の規により同条第一項の登録を受けたとみなされた者を含む。以下「登録受渡業者」という。)に受渡し(同条第九項に規定する受渡しをいう。以下同じ。)を委託する薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局又は店舗においてその指定する者に受渡しを管理させなければならない。
2~4 (略)(登録受渡業者による登録受渡店舗の管理)
第29条の8
登録受渡業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第二十九条の五第一項の登録を受けた店舗(同条第八項の規定により同条第一項の登録を受けたとみなされた薬局又は店舗を含む。以下「登録受渡店舗」という。)の管理を行わせるために、登録受渡店舗責任者を置かなければならない。
2 (略)
登録受渡店舗の登録を受けた登録受渡業者は、薬局開設者または店舗販売業者から委託を受けて、またはこれらに代わって、顧客に対して一般用医薬品の「受渡し」をすることができます。
改正法によって「受渡し」という定義が新設されましたが、受渡しは、「薬局開設者又は店舗販売業者の店舗による販売又は授与の一種」として整理されています(改正法第37条1項)。したがって、委託関係の存在が、登録受渡業者における薬局開設許可または店舗販売業許可を不要とすることを基礎づけています。
登録受渡業者は、登録を受けるために、店舗の構造設備及び受渡しの業務を行う体制整備を行う必要があります(改正法第29条の5第2項、第6項)。登録受渡店舗責任者の設置が求められる他、顧客への情報提供が求められる(第29条の11)等の要件もありますので、今後定められる省令を踏まえ、実務を構築していく必要があります。
他方、登録受渡業者に一般用医薬品の販売を委託する薬局開設者または店舗販売業者は、受渡管理者を設置し、受渡しを管理させる必要があります。
受渡管理者は、薬剤師または登録販売業者であって、業務を遂行するために必要な能力及び経験を有する者である必要があるほか(改正法第29条の6第3項)、原則として管理薬剤師や店舗管理者であってはなりません(同第4項)。
また、当該薬局開設者又は店舗販売業者は、受渡し前に、顧客に対して必要な情報提供等を行う必要があります(法第36条の10、第36条の11、同施行規則第159条の14~第159条の17)。そのため、ビデオ通話やチャットツールを活用した実務を構築していく必要があり、情報提供義務の趣旨を形骸化させない運用が求められます。
なお、本とりまとめによれば、「当分の間、管理店舗と受渡店舗は同一都道府県内とした上で、制度導入後の課題等の検証を踏まえてより広範囲での制度導入も含め検討すべきである」との記載がありますので、受渡管理者の所属する店舗と登録受渡店舗が同一の都道府県内に所在するケースから運用が始まると考えられます。
2025年改正薬機法は、薬局の経営体制・業務委託・販売形態に直結する大きな制度転換です。とりわけ「外部委託契約」「遠隔販売スキーム」「零売対応方針」などは、今後の省令内容次第で法的リスクが変化する可能性があります。
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改正対応に向けた早期の体制見直し・リスク検討をお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
[1] 改正としては、令和元年改正後、令和4年改正(緊急時の薬事承認を可能とする仕組みの整備)もあります。
[2] 厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の公布について」(令和7年5月21日)参照。
[3]本項では取り上げないが、指定濫用医薬品の指定及び販売数量については、パブリックコメントを経て今後確定する見込みです。
[4]一般社団法人 日本零売薬局協会「零売に関する基本知識/日本零売薬局協会の取り組み」(令和5年2月22日「医薬品の販売制度に関する検討会」資料参照)
[5]いくつかの零売薬局が、通知による販売規制を違法であるとして、訴訟を提起しており、その動向が注目されます。