中途弁護士
M&A領域のキャリア
アップと
モビリティ
領域の開拓を両立
真下 敬太 弁護士(71期)
SCROLL
PROFILE プロフィール
2016年名古屋大学法学部卒業。2018年弁護士登録(第二東京弁護士会所属)、2019年森・濱田松本法律事務所入所。2021年7月~2023年6月、国土交通省自動車局(現「物流・自動車局」)に出向(旅客課専門官(併)保障制度参事官室企画調整官)し、自動運転やMaaSに関するルール整備を含め自動車行政に広く従事。2023年8月、法律事務所ZeLo参画。主な取扱分野は、M&A、ジェネラル・コーポレート、訴訟/紛争解決、自動車/モビリティ、自動運転、MaaS、パブリック・アフェアーズ、国際法務など。
これまでの経歴を教えてください。
ファーストキャリアとして、2019年1月に森・濱田松本法律事務所に入所しました。2021年7月から2023年6月までは、国土交通省自動車局(現「物流・自動車局」)に出向し、旅客課専門官(併)保障制度参事官室企画調整官として、自動運転やMaaS、ライドシェアに関するルール整備を含め自動車行政に広く従事していました。その後、2023年8月にZeLoに参画しました。
現在の業務内容や担当案件を教えてください。
ZeLoの業務部門はいくつかありますが、顧問業務をメインに取り扱う「LPO(リーガル・プロセス・アウトソーシング)部門」と、M&Aや訴訟などのスポット案件を取り扱う「PLS(プロフェッショナル・リーガル・サービス)部門」の2部門のいずれかに所属するメンバーが多く、私は後者のPLS部門に所属しています。
PLS部門では、主にM&A業務をメインに取り扱っていますが、顧問業務や、私の専門でもあるモビリティ分野に関する法的アドバイスの提供なども幅広く行っています。
割合としては、 M&AなどのPLS部門の業務が6割程度、顧問業務やモビリティ分野の業務が残りの4割程度というイメージです。
ZeLoへ入所を決めた経緯や理由を教えてください。
理由としては、大きく分けて2つあります。
一つ目は、スタートアップ支援に強みを持っている点です。
これは私が国交省にいた頃の経験に繋がるのですが、当時、電動キックボードのシェアリングサービスを提供するスタートアップによる活動が後押しとなって、道路交通法が大きく変わったという出来事があったんですね。
具体的には、今までバイクとして取り扱われてきた電動キックボードが、「特定小型原動機付自転車」という新しいカテゴリーに位置づけられ、運転免許が不要になるなどの新ルールが適用されるようになったんです。当時、私は国交省の担当者として、このような変化を間近で見ていて、スタートアップの力強さを身をもって感じました。
今後、他の分野でもスタートアップという存在がどんどん大きくなっていくと思いましたし、いわゆる「パブリック・アフェアーズ」と呼ばれるような、既存のルールをアップデートしていく過程でもスタートアップが大きな役割を果たしていくのだろうと思いました。そして、弁護士として、リーガル面からスタートアップをサポートしていきたいという気持ちが強くなり、スタートアップ支援に力を入れているZeLoへの移籍を決めました。
二つ目は、ZeLoが新しいことに果敢に挑戦できる環境である点です。
私は、国交省での経験を通して、日本には自由に移動できない方がまだまだ多くいること、そのような方がもし自由に移動できるようになれば、日々の生活が送りやすくなるだけでなく、様々なヒト・モノ・コトに触れることで暮らしをより豊かにできる可能性があることを知りました。人間にとっての「移動」の重要性を改めて痛感したんです。
そのような経験を踏まえ、移動問題の解決に挑む企業等を少しでも応援すべく、モビリティ分野に取り組みたいと考えていたところ、ZeLoでは以前からそういった新規領域に取り組んでいる弁護士も多く、事務所全体としても新しい挑戦を応援する雰囲気があるということを知り、ZeLoに入ってチャレンジしてみたいと思うようになりました。
ZeLoに入所してみて良かったことや、逆に想像と違っていたことはありますか。
先ほどお話ししたとおり、新しいことに積極的に挑戦できる雰囲気であるというのは入所前から感じていましたが、それは思った以上でしたね。
入所してから1年ほど経ちますが、モビリティ分野のルール改正に関する速報記事の執筆やライドシェアに関するセミナーへの登壇のほか、セールス施策に携わったりと色々とチャレンジさせてもらっています。自分を頼ってくれるクライアントもだんだんと増えてきましたし、ZeLoへの入所を決めて本当に良かったなと思います。1ミリも後悔はありません。
ZeLoに移籍するうえで、自分のキャリアがある程度スタートアップ支援に寄っていくのかなと思っていたのですが、実際は大企業・上場企業のクライアントも多く、M&A案件も豊富に取り扱っているので、そこは意外でした。
以前在籍していた事務所ではまさにそういったことをやっていたので、新しいことや好きなことにもチャレンジしつつ、M&Aなどの伝統的な分野で自分のキャリアを活かしてさらに能力を伸ばしていけるというのは、想定外でしたが良かったことですね。
以前在籍していた法律事務所とZeLoの違いはありますか。
一般的な法律事務所の制度として、パートナーとアソシエイトという明確な役割区分がある中で、アソシエイトのポジションでどこまで幅広くチャレンジできるかという点においては、各事務所によって異なる面があると思っています。
ZeLoはパートナー制度を採用していないので、各メンバーがセールスやマーケティングなど様々な役割を担っています。それぞれが自分の好きなことや能力に適したことを適材適所でやっており、そこに年次は全く関わらないというところがZeLoの良いところだと思いますね。
ZeLoの雰囲気についてはどのような印象を持っていますか。
メンバー同士お互いに顔が見える範囲で仕事をしている感覚があり、とても心地よいです。
以前在籍していた事務所も、大規模ではあるもののメンバー同士があたたかく繋がっている良い雰囲気ではあったのですが、やはり規模の違いというのは大きいなと感じています。
ZeLoも日々人数が増えてきてはいるものの、 「この人は今どんな仕事をしているのか」「この人はどういう強みがあるのか」というのが非常に見えやすいので、案件内外を問わず、コミュニケーションはノンストレスと言い切ってよいほどスムーズです。
真下さんのように、弁護士が官庁に出向するケースも増えてきていると思います。国交省での経験がZeLoでの業務に活きていると感じる時はありますか。
業務に直接的に関わるところでいうと、やはり国交省で得た経験や知識を求めてお問い合わせやご依頼をいただく時が一番実感しますね。
広く「官庁に出向する」という切り口で言うと、官庁は階層型組織なので、決裁権を持つ方との関係では時間の使い方に工夫が求められるんです。3分で意思決定をしてもらうための説明をするといったことも日常的にあったのですが、この経験は今の弁護士業務においてもとても役に立っていますね。
専門的な知識を身につけつつ、クライアント、特に多忙な経営者の方に短時間で要点を理解した上で意思決定をしてもらうためのスキルを習得できる点は、国交省に限らず、官庁に出向する大きなメリットの1つだと思います。
プライベートの過ごし方やワークライフバランスについて教えてください。
移籍後の1~2年間は仕事に打ち込むと決めていたので、今はあえてワークライフバランスを「ワーク」寄りにしているところはあるのですが、その中でも息抜きはしっかりするようにしています。
お酒を飲むことが好きなので、終業後に飲みに行ったりもしますし、土日は家族や友人と旅行やキャンプに行ったりもします。
仕事でもプライベートでも、なるべく新しい経験をすることを意識していて、例えば今年でいうと、人生で初めてF1(Formula One)を見に行ったり、大相撲を見に行ったり、小笠原先生・角田先生とともにカジキマグロを釣りに行ったりしました。結局、マグロは釣れませんでしたが…(笑)
新しいものに触れて自分の引き出しを増やすとともに、自分の感性をアップデートし続けることを大切にしています。実際、F1の話題をきっかけに経営者の方と仲良くなり、仕事の依頼に繋がったこともありました。
今後、真下さんがZeLoで実現したいことや、自身の将来の展望について教えてください。
今、力を注いでいるモビリティ分野については、少しずつ軌道に乗ってきたとはいえまだまだなので、「ZeLoに真下あり」と言われるくらい、プラクティスを積み上げられるよう、これからも頑張っていきたいです。
他方で、私の理想の弁護士像として、分野や領域を問わず何でも相談できる一番の相談相手になりたいという思いがあるんですよね。そのためにも、モビリティ分野の専門性だけではなく、ジェネラルな顧問業務やM&Aなどの伝統的な業務も怠らずに、両輪で弁護士としてのスキルを磨いていきたいです。
ZeLoへの入所を検討している方へのメッセージをお願いします。
ZeLoで新しいことができそうというイメージは多くの人が持っていると思うのですが、おそらく思っている以上に新しいことにチャレンジできて、どんどん成長していける環境だと思います。そこは全く心配しないでいただいてよいと思います。
一方で、やはりZeLoは新興の事務所ですし、移籍に対する不安はあると思います。
しかし、ZeLoに移籍したからと言って今までのキャリアが無駄になるわけでは全くないですし、ZeLoに移籍したからできなくなる業務は基本的にないと思います。
これまで携わってきた分野の業務は継続し、伝統的な弁護士としての成長も描きつつ、新しいことや他の事務所がまだやっていないようなことにも積極的にチャレンジして、独自の専門性も築いていくことができる。個人的には、良いとこ取りの事務所だと思うんですよね。
自分自身もそうでしたが、思い切って飛び込んでみたら、想像していた以上にエキサイティングな毎日が待っていると思います!
(写真:根津佐和子、取材・文・編集:渡辺桃)
※掲載内容は2024年12月時点の情報です。